考えを何度も行き来させながら、答えに近づこうとする姿勢がとても立派です。

<<え2025/11pみ>>

【総評】
 「多数決」と「全員一致(いっち)」という二つの決定方法を対立させるだけでなく、最後に「議論の過程こそが重要である」という高い次元で総合化できている点が、中学二年生として非常に完成度が高いです。抽象(ちゅうしょう)的なテーマでありながら、自分の経験や童話、家庭での話し合いを用いて具体化できており、論理の流れも一貫(いっかん)しています。

【段落ごとの講評】
第1段落:
「全会一致(いっち)を採用しない」という事実から出発し、その背景にある心理や状況(じょうきょう)丁寧(ていねい)掘り下げ(ほりさげ)ています。「反対意見を言えない空気」「曖昧(あいまい)な迷い」といった視点があり、問題を単純化せずに捉えよ(とらえよ)うとする姿勢がよく表れています。意見文の導入として、主題を深く考えさせる段落です。

第2段落:
多数決の利点を、時間や意思決定の速さという観点から明確に示しています。小学生時代の学級会の経験を具体例として挙げることで、「全員一致(いっち)を求めすぎることの弊害(へいがい)」が分かりやすく伝わりました。条件付き多数決という提案もあり、自分なりの思考がしっかり加えられています。

第3段落:
全員一致(いっち)の価値を、童話と家庭での実例の両方から説明できています。特に「大きな影響(えいきょう)の出ること」では全員一致(いっち)が重要だという指摘(してき)は説得力があり、判断基準を状況(じょうきょう)によって変える柔軟(じゅうなん)な考え方が示されています。

第4段落:
多数決と全員一致(いっち)のどちらにも利点があることを整理した上で、「結果よりも過程が重要」という結論にまとめられています。議論に参加した全員が「議論した」と納得できることが大切だという表現は、この文章全体を貫く(つらぬく)核心(かくしん)であり、見事な総合化です。

【特に優れていた点】
・二つの意見を対立させるだけでなく、高い次元でまとめられている
抽象(ちゅうしょう)論に終わらず、童話や実体験を使って具体化できている
・「どんな場面では何が大切か」を考え分ける視点を持てている

【考えを深めるための質問】
 もし、時間が限られている場面と、命や安全に関わる場面が同時に重なったとき、あなたは「過程」と「決断」のどちらをどのように優先しますか。

字数/基準字数:1249字/1200字
思考点:95点
知識点:88点
表現点:91点
経験点:71点
総合点:87点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 27種 31個 (種類率87%) 95点
 しかし, 確か,、しかし,いる場合,からこそ,が可能,この場合,しよう,せざる,たから,たため,た場合,だろう,と思う,と考える,どう考える,ない場合,ならば,にこそ,に思える,に考える,一致によって,多数決によって,少なからざる,考えると,関わらざる,陥る可能,

■知識語彙 73種 133個 (種類率55%) 88点
一役,一致,不満,事情,以上,仲間,伏在,価値,全員,判断,効果,即時,参加,反対,可決,司会,問題,団結,困難,地震,場所,多数決,大切,奪還,学級,寝床,小学生,影響,必要,意味,意思,意見,投票,排除,採決,提起,時間,曖昧,案件,決定,決断,泥棒,物事,状態,状況,発生,的確,目標,瞬間,童話,納得,素直,結局,結束,結果,結論,肝要,膠着,自然,芸当,行動,裁決,規定,議論,議題,賛成,連携,過半数,過程,避難,重要,関連,音楽,

■表現語彙 139種 238個 (種類率58%) 91点
 確か,いる場合,うえ,かなり,が可能,こと,この世,この場合,これ,これら,ころ,ごと,さ,すべて,そう,そこ,たため,たち,た場合,ない場合,ひとり,ほう,ほか,もの,よう,クラス,グループ,ケース,ジョブズ,スティーブ,パラドックス,ブレーメン,ロバ,一,一つ,一役,一致,不満,事情,二,人,以上,仲間,伏在,会,価値,側,全て,全員,分,分の,判断,力,効果,即時,参加,反対,可決,司会,問題,団結,困難,地震,場所,多数決,大切,奪還,学級,家,寝床,小学生,影響,後,心,必要,性,悩み,意味,意思,意見,投票,持ち越し,排除,採決,提起,数,旅,日,時,時間,曖昧,根回し,案件,次,決定,決断,泥棒,済み,点,物事,状態,状況,用,発生,的確,皆,目標,瞬間,私,童話,納得,素直,結局,結束,結果,結論,者,肝要,膠着,自然,芸当,行動,裁決,規定,話し合い,議論,議題,賛成,迷い,連携,過半数,過程,避難,重要,関連,陥る可能,隊,際,音楽,

■経験語彙 35種 51個 (種類率69%) 71点
かける,せる,できる,と思う,と考える,どう考える,に思える,に考える,られる,れる,付ける,作る,出る,向かう,奪い取る,年老いる,強める,得る,戻る,持つ,持てる,探す,残す,汲む,決める,行う,見つける,言い表せる,話す,買う,超える,踏まえる,追い払う,関わる,陥る,

■総合点 87点

■均衡点 1点
 

議論の過程
   中2 あおらえ(aorae)  2026年2月1日

  全会一致の裁決は採用しないと聞いた。みなが賛成したときは、それをよしとしないというのは理由がある。一に、一致できるような案件は採決にかけないという事情があるのだろう。また、反対意見を素直に言い表せない状況が、そこに伏在しているケースも少なからずありそうだ。更に、根回しが行われている場合もあるだろう。裁決が必要な議題ならば、反対意見を持つ人が一人や二人いるほうが自然である。また、はっきりとした意見が持てない場合がほとんどである。全ての困難な決断は曖昧なものだ。わずかな迷いをどう考えるか、この世の悩みはそこにある。このように考えると、全員一致を排除するパラドックスもおおいに意味を持つように思える。

 

 多数決で物事を決定することは大切だ。この場合、全員一致を必要とせずに、過半数を超えた瞬間に決定する。全員一致を必要としない分、より早く、ある程度の意見を汲んだ意思決定が可能だ。私がまだ小学生だったある日、学級会が行われた。司会側の人たちがクラスの目標を決めるという議題や関連ごとを話した後に多数決を行ったが、数人の反対意見を持つ人たちがいたため持ち越しとなった。結局、結論が出るのはその次の次の時間で、その結論が出たころには問題の提起からかなりの時間がたった状態であった。議論が膠着状態に陥る可能性も踏まえて、過半数を超えたほうの意見に決定することや、3分の2以上などという規定を作ったうえでの投票が望ましい。

 しかし、全員一致による可決も大切だ。この場合、反対者がひとりでもいた場合、議論をすることになるが、その分不満も小さくなる。全員一致という結果を残すことで、そのグループの団結力や結束を強めることにも一役買うだろう。ブレーメンの音楽隊という童話がある。年老いたロバと、用済みにされたほかの仲間たちは、寝床を探す過程で泥棒の家を見つける。連携して奪い取り、奪還しようと戻ってきた時にも追い払うことができた。これは、ロバやその仲間たちが一つの目標に向かって心を一つにしていたからこそできた芸当だと考える。また、大きな影響の出ることに関する議論では、全員一致が重要だ。私の家で、地震発生時の避難場所を決める際は、全員が納得するような議論を行った。

 確かに、多数決による効果として皆をある程度納得させることができ、さらにはある程度の即時判断が可能であるという点があり、しかし全員一致による団結力の強さや、皆に不満がないことによる行動や判断の的確さという点もある。これらはひとえに良し悪しを付けることは難しいが、スティーブ・ジョブズはかつて「旅の過程にこそ価値がある」といった。多数決によって得られる結果や、全員一致によって得られる結果よりも、その過程である議論や話し合いをすることが最も重要なことであると思う。とくに、その議論に参加するすべての人が、その議論を、「議論した」と賛成・反対関わらず納得することが、過程として結論よりも肝要である。