旅が育てる好奇心

   高1 ヨーヨ(waoho)  2026年2月2日

 旅は未知や偶然に出会うことによって、日常では閉ざされがちな感情や好奇心を呼び覚ましてくれるものである。旅先での発見や驚きは心を開かせ、そして人に新たな視点や感動を与えてくれる。こうした知的情熱としての好奇心こそが、人間の精神を豊かにし、さらに文化や学問を切り拓く原動力となるのである。だからこそ、私たちは旅をするべきだといえる。

 第一に、好奇心によって得られる知識の価値を理解することが重要である。そもそも好奇心とは、単なる興味や娯楽的な関心ではなく、「なぜそうなっているのか」「その背景には何があるのか」と問い続けようとする力のことである。そのような問いを持つことによって、私たちは物事を表面的に受け取るのではなく、その構造や歴史にまで目を向けることができるようになる。とりわけ、旅という非日常の空間に身を置くと、普段は見過ごしていた違いが、はっきりと意味を持ち始める。未知の風景や文化は、私たちに新たな考える材料を与えてくれ、そして理解の幅を着実に広げてくれるのである。私は中学三年生のとき、修学旅行でシンガポールとマレーシアへ行った。その際、まず法律の厳しさに強い驚きを覚えた。シンガポールでは公共の場での規律が非常に重視されており、罰金制度も日本より厳格であった。また、交通機関の利用方法や料金体系も日本とは大きく異なっていたため、最初は戸惑いを感じざるを得なかった。しかし私は、その違いを単なる不便さとして受け止めるのではなく、「なぜこの国ではこのような制度が必要なのだろうか」と考えるようにしたのである。すると、多民族国家として社会の秩序を保つための工夫や、都市国家として効率性を追求してきた歴史がその背景にあることを知った。つまり、違いに驚いたという経験そのものが、その国の成り立ちや社会構造を学ぶための入り口となったのである。このように、旅は好奇心を具体的な知識へと変え、そして自分の視野を確実に広げてくれるのである。

 第二に、若者が旅に出やすい環境を整えることも、また必要である。なぜなら、若い時期というのは価値観が形成される重要な段階であり、その時期に未知の世界へ踏み出す経験は、将来の選択や視野の広さに大きな影響を与えるからである。もちろん、旅は決して楽なことばかりではない。不安を感じることもあれば、困難に直面することもあるだろう。しかしながら、そのような経験を通してこそ得られる学びや成長は、教室の中だけではなかなか得ることができないものである。その例として挙げられるのが、江戸時代の俳人である松尾芭蕉である。1689年、芭蕉は弟子の河合曾良とともに江戸を出発し、東北から北陸へと約2400キロにも及ぶ旅を行った。当時の旅は徒歩が中心であったため、道中には天候不順や病気といったさまざまな危険が伴った。それでもなお、彼は各地の自然や人々と真摯に向き合い、その体験をもとに『奥の細道』を完成させたのである。旅の苦労や孤独、そしてそこで得た感動があったからこそ、彼の俳句は単なる技巧を超え、普遍的な深みを持つ作品となり得たのである。

 確かに、日常生活を大切にし、身近な環境で努力を重ねることもまた重要である。しかし、「人は旅をすることでこそ、自分を発見する」ともいわれるように、未知の世界に身を置くという経験は、自分自身の可能性を広げる大きな契機となる。つまり、旅は単なる移動ではなく、好奇心を刺激し、知識を蓄え、そして精神を成長させる営みなのである。だからこそ、私たちは恐れることなく、外の世界へと踏み出すべきなのである。