チョウチンアンコウを読んで
小5 あかたよ(akatayo)
2026年2月2日
チョウチンアンコウには、上唇のすぐ上に背びれから変わったイリシウムと呼ばれるただ一本のアンテナがある。
1967年の2月20日、鎌倉の海岸の波打ち際で一匹のチョウチンアンコウが海岸に遊びに来ていた一般の人に拾われた。連絡を受けて逗子の自宅からかけつけた横須賀市自然博物館の羽根田博士は、チョウチンアンコウが水槽の中でが水槽の中で発光する様子を詳しく観察されて学術報告を書かれ、後日、私にもそのいきさつを直接話してくださった。ところが、深海生物はまだ水族館では飼えないでいる。深海魚の飼育に挑戦してきたが、正直言って前途遼遠である。水温も、比重も、水質も、明るさも、自在に調節できるようになった現在の水族館で、未解決の課題として挑戦するのにふさわしい相手であろう。
ぼくにも似た話がある。それはウーパールーパーを飼うことに挑戦した時のことだ。動きがゆっくりで見ていて癒されるし、鳴かないからマンションでも飼えるので、お父さんにお願いして買ってもらったが、一か月で死んでしまった。ウーパールーパーの飼い方は、水質と温度に気をつけ、餌は市販の専用フード、水替えは週に一回程度と比較的飼いやすい。僕は全力で飼育に挑戦したけど、一か月もすると、息をしなくなってしまった。そこでぼくは、インターネットで調べてみると、水温の急激な変化や、水質の悪化が原因だったようだ。それに、日本の夏は「サウナ」に閉じ込められているようなものなので、水槽専用クーラー以外にも、エアコンのつけっぱなしが大事だとわかった。メキシコシティにあるソチミルコ湖では、標高2240mと非常に高く一年中気温が安定して涼しい場所で、湖は冷たくて済んだ水が豊富で、暑さに弱いウーパールーパーには楽園のようだ。ただ、残念ながら、人間活動の影響で環境が激変してしまい、数年以内に野生では絶滅すると危惧されていることが分った。良かれと思って世話をしたけれど、それはウーパールーパーの気持ちを考えたものではなく、僕の飼いたいという願いを優先していただけなのかもしれない。だからぼくは、ウーパールーパーが安心して生活できる環境に戻してあげたいと思った。
また、ウーパールーパーの正式名はメキシコサラマンダーというらしい。日本では1980年代のCMで人気となって「ウーパールーパー」という愛称で呼ばれるようになったそうだ。ウーパールーパーは両生類でカエルやイモリの仲間。変態をせず幼児の姿のまま成熟するので、大人になっても子供の姿のままという不思議な生態だそうだ。普通のサラマンダーは成長すると陸に上がるけれど、ウーパールーパーは一生水の中で生活する。さらに、驚異の再生能力があるので、足やエラ、心臓や脳の一部まで欠損しても元通りに再生できる能力を持っている。それで医学界でも注目されているらしい。日本では観賞用としてとっても人気で、ペットショップで販売されているのは人工繁殖だそうだ。日本でペットとして増える一方で、メキシコでは、絶滅の危機にある状態に違和感を感じる。心臓や脳さえ再生できるのに、汚れてしまった湖や失われた生態系を再生する力は持っていない。再生ボタンは僕らの仕事だと思った。
やはり野に置け蓮華草と言うように、そのものに一番ふさわしい場所や環境があるということが分った。無理に別の場所に置くより、本来いるべき場所にいるのが一番自然で美しいという例えだ。ウーパールーパーは本来、メキシコのソチミルコ湖が一番ふさわしい場所であることを、死んでしまったウーパールーパーから学んだ。これからはただかわいいからと飼育するのではなく、その命の背景や故郷の環境にまでしっかりと考えたいと思った。