具体例を豊富に用いながら、自分の将来像まで広げて考えられていて、とても力のある意見文です。

<<え2019/511jみ>>

【総評】
 一段落目で大相撲(おおずもう)の体験を要約し、「観客の参加」という主題を提示できています。そこから「目的に見合った場所づくり」と「利用者の意見を取り入れること」という二つの方法を示し、最後に公共性の観点へと発展させている構成は、中学三年生として非常に完成度が高いです。体験・建築・音楽・政治と、多方面の実例を結びつけている点も優れています。

【段落ごとの講評】
第1段落:
大相撲(おおずもう)を見たときの違和感(いわかん)について長文の内容を要約できています。「立ち会いを見逃し(みのがし)てしまう」という具体的な場面があることで、問題意識がはっきりしています。そこから自分の将来の姿へつなげている点もよいです。

第2段落(方法一):
安藤(あんどう)忠雄(ただお)の建築やウィーン・ニューイヤーコンサートの例を挙げ、空間と目的の関係を論じています。建築と音楽を関連づける視点は独創的です。救急車の音という身近な具体例も説得力を高めています。

第3段落(方法二):
製作者と利用者という対比が明確です。大阪(おおさか)市の住民投票の事例を取り上げ、社会的実例として論を展開している点がよいです。抽象(ちゅうしょう)論にとどまらず、現実社会へ結びつけています。

第4段落:
自由と公共の福祉(ふくし)の関係に触れ(ふれ)、単なる「参加の推奨(すいしょう)」で終わらせていない点が優れています。引用を用いながら、マナーや責任という視点に発展させています。

【特に優れていた点】
・体験から主題へ自然につなげている
・複数の方法を明確に提示している
・建築・音楽・政治と幅広い(はばひろい)実例を用いている
抽象(ちゅうしょう)と具体の往復ができている
・公共性という視点まで踏み込ん(ふみこん)でいる

【考えを深めるための質問】
 もし観客の参加を最大限に認めた結果、作品の質が下がってしまう場合、あなたはどこで線引きをしますか。

字数/基準字数:1298字/1200字
思考点:79点
知識点:95点
表現点:94点
経験点:70点
総合点:83点
均衡(きんこう)点:-1点

 


■思考語彙 21種 27個 (種類率78%) 79点
 確か, 第,、きっと,。しかし,。だから,。例えば,いるから,いるため,くるかも,ざる,しまうと,そのため,た場合,だと,できるかも,と考える,ないと,なため,なる場合,を考える,聞かざる,

■知識語彙 83種 125個 (種類率66%) 95点
一切,一月,不満,世界,中心,中継,以外,住民,体験,作品,保障,公共,公園,共通,分散,利用,勝手,勝負,却下,参加,吉村,場所,大切,大阪,失礼,安藤,実施,将来,展示,工夫,府知事,度目,建物,建築,必要,忠雄,意見,批評,投票,救急,教会,方法,施設,日本,普段,最高峰,有名,構造,毎年,注意,満足,準備,演奏,現地,発生,目的,瞬間,福祉,秘訣,空間,結果,緊迫,編成,美術館,習慣,自分,自分勝手,自然,自由,興味,製作,観客,言葉,設計,過言,違反,選挙,都市,関心,集中,雑音,音楽,高額,

■表現語彙 145種 236個 (種類率61%) 94点
 確か,いるため,こと,さん,そこ,そのため,それ,た場合,とき,ところ,なため,なる場合,もの,よう,ウィーン,オーケストラ,コンサート,チケット,テレビ,ニューイヤー,ニュース,マナー,ライブ,一,一切,一月,三,不満,世界,中,中心,中継,二,人,人々,今,以外,住民,体験,作品,保障,光,公共,公園,共通,出入り,分散,利用,動,勝手,勝負,化,区,却下,参加,台無し,吉村,周り,回,場所,声,外,多く,大切,大阪,失礼,安藤,実施,家,将来,展示,工夫,市,府知事,度目,建物,建築,彼,心,必要,忠雄,意見,感,批評,投票,救急,教会,方法,施設,日,日本,普段,曲,最高峰,有名,構造,毎年,気,注意,満足,準備,演奏,率,現地,発生,的,目,目的,眼,瞬間,福祉,私,秘訣,空間,立ち会い,結果,緊迫,線,編成,美術館,習慣,者,自分,自分勝手,自然,自由,興味,製作,観客,言葉,設計,豊か,車,過言,違反,選挙,部,都市,関心,際,集中,雑音,音,音楽,高額,

■経験語彙 34種 53個 (種類率64%) 70点
こらす,しまう,しれる,つける,できる,と考える,れる,を考える,上がる,上げる,住む,作る,入る,出る,切れる,動かす,取り入れる,合わせる,増える,守る,引き起こす,慣れる,持つ,歩ける,目指す,終わる,聞く,聞こえる,聴く,行う,見える,見合う,見逃す,響く,

■総合点 83点

■均衡点 -1点
 

目的に見合った場所
   中3 あおてね(aotene)  2026年2月3日

  大相撲をはじめて見にいったとき、びっくりしたことがある。それは、取り組み中、観客席が四六時中ざわざわしていて、呼び出しから仕切り、立ち会い、組み合い、そして勝負までのしだいに盛り上がっていくはずの緊迫感がぜんぜんないということだ。それどころか、そもそも立ち会いの瞬間も注意をこらしていないと、すぐ見逃してしまい、眼を上げたら勝負は終わっていた、ということもしばしばだ。私は、将来、演奏したり展示をしたり公園を作ったりするときに、常に観客の参加を考えていきたい。

 第一の方法として、目的に見合った場所にすること。例えば、世界的な建築家の安藤忠雄さんは、美術館や教会を設計する際、作品が最も美しく見える光や、人が自然に歩ける動線を考えた。その結果、多くの人の心を動かし、建築に対する人々の興味、関心を引き起こした。このように、目的に合わせて空間を工夫することで、人々の体験をより豊かなものにしている。建築だけではなく、音楽の世界にもこのことが共通している。私の家では毎年ウィーンニューイヤーコンサートを聴く習慣がある。このコンサートは世界的に有名であり毎年一月一日に行われる。チケットは高額なため現地ではなくテレビのライブ中継で聴いている。その最高峰の演奏が中継でも心に響くことには建物の構造に秘訣があるのではないかと考える。それは、オーケストラを聞くという目的に見合った建物になっているからだ。演奏中、外の雑音が一切聞こえないのだ。日本だとしばしば救急車などの音が雑音となる場合が多いが、慣れているためあまり気にする人はいない。ところが、もし高額なチケットが必要なコンサート中に普段聴き慣れている雑音が入ってきたら、曲に対する集中が切れてしまう。せっかくの演奏が台無しになると言っても過言ではない。だから、目的に見合ったものはとても大切だ、

 第二の方法として、製作者以外にも利用者などの意見を取り入れること。もし製作者だけの意見で施設を作ってしまった場合、製作者は満足のいく場所にできるかもしれない。しかし、利用者の中には不満を持つ人も出てくるかもしれない。だから、利用者の意見を取り入れると製作者だけではなく、多くの人が満足いく場所となり、施設の利用率も上がる。その中で私は、大阪市が区に編成されるニュースに目をつけた。吉村府知事は区にしたいという都市部の分散化を目指している。しかし、二回住民投票を実施したところ、二回とも却下された。だから、彼は今三度目の住民選挙の準備をしている。もし、住民の意見を聞かず自分勝手なことをしてしまうと、きっと大阪市から出ていく人が増えたり、不満が多くなる。そのため、自分中心だけではなく、周りの声も大切だ。

 

 確かに、自由に参加できるようにすることも大切だ。しかし、「家の批評ができるのは、建築家ではなくそこに住む人なのである。」という言葉があるように、いくら自由が保障されていても公共の福祉を守ることは大切だ。コンサート中に勝手な観客の出入りが発生するなどのことはマナー違反でもあり、演奏者にも失礼である。