自分に似合いのサイズを求めて

    ()  年月日

「島の法則」という不思議な言葉を初めて知ったとき、私はまるで魔法のような現象だと思った。普通、生き物の体の大きさは種類ごとに決まっているものだ。しかし、この文章によると、島という限られた環境では、ゾウのような大きな動物は大陸にいる時よりも体が小さくなり、反対にネズミのような小さな動物は大陸よりも大きくなるという。この、大きいものは小さく、小さいものは大きくなるという変化が「島の法則」だ。

 なぜ、そんなことが起こるのだろうか。百科事典でさらに詳しく調べてみると、そこには「捕食者」という存在が深く関わっていることがわかった。大陸のような広い場所には、常に自分を狙う天敵がいる。ゾウは敵を圧倒するために巨大化し、ネズミは敵から逃げ隠れるために極端に小さくなった。しかし、海に囲まれた平和な島には、恐ろしい捕食者がほとんどいない。すると、動物たちは無理をして巨大化したり矮小化したりする必要がなくなり、哺乳類として最も効率的で「無理のないサイズ」へと、時間をかけて戻っていくのだという。

 この話を読んだ時、私は自分の学校生活を思い浮かべた。私にとって、いつもの教室や仲の良い友達と過ごす時間は、まさに「島」のような場所だ。そこには自分を攻撃するような敵はおらず、安心して自分らしくいられる。だから、無理に自分を強く見せる必要もないし、逆に怖がって縮こまる必要もない。ありのままの「自分に似合ったサイズ」で、のびのびと過ごせているのだと感じる。

 しかし、一歩「島」の外へ出て、全校集会や大きな大会といった「大陸」のような場所に行くと、状況は一変する。そこにはたくさんの知らない人がいて、まるで自分が試されているような、あるいは強いライバル(捕食者)に囲まれているような緊張感に包まれる。そうなると、私は無意識のうちに自分を大きく見せようと背伸びをしてしまい、ひどく疲れてしまうことがある。捕食者のいる環境で必死に生きる大陸の動物たちと同じように、私の心も環境に合わせて無理なサイズになろうともがいているのかもしれない。

 筆者は、この法則が人間社会にも当てはまると述べている。日本という島国は、ずば抜けた巨人は出にくいが、庶民のレベルが非常に高い。これは、みんなが極端な競争にさらされることなく、人間としてちょうどいいサイズで、幸せに暮らしている証拠なのかもしれない。大陸が生み出す「大思想」への憧れや劣等感を感じつつも、島で自分に似合いのサイズを大切にするという筆者の考え方に、私は強く共感した。

 これから先、私はもっと広い世界へ出ていくこともあるだろう。その時には、大陸の厳しさに揉まれて自分を成長させることも必要かもしれない。けれど、どんなに広い場所へ行っても、自分にとって「無理のないサイズ」を忘れないようにしたい。島の動物たちが教えてくれたように、自分らしく、ありのままでいられる強さを持ち続けることが、本当の「しあわせ」に繋がるのではないかと思う。