緊張との付き合い方

    ()  年月日

「パチパチパチ」

私の前の人の演奏が終わった。次は私の番だ。

 私は、緊張をあまりしない。みんなが緊張している中で、私だけ緊張していないということもしばしばある。私がピアノの発表会に出た時、私の周りの子たちはお母さんに「緊張しないで」「リラックスして」と言われているのに、私だけ母に「緊張しなさい!」と言われている。なんとも異様な光景だ。私の友達で一緒のピアノ教室に通っているSちゃんは、ピアノの発表会でいつも緊張している。私は緊張しないので、どう声をかけていいかわからない。Sちゃんは、緊張こそしていたものの、とても上手に弾けていた。毎日の努力の結果だと思う。私の母も小さいころ、ピアノの発表会に出たそうだ。でも、私とは逆に母はとても緊張したそうだ。緊張しすぎてまるで耳まで心臓になったようで、口から心臓が出そうだったらしい。緊張のし過ぎで、指が震えてうまくピアノを引くことができなかったそうだ。それほど緊張したのに、今ではあまり緊張することがないらしい。

 

 私は、ある大学の文化祭に言ったことがある。文化祭でカラオケをやっていたので、飛び入りで参加することにした。カラオケをしていた人たちはみんなその大学の学生だったので、さすがに緊張して声があまり出なかった。私も、まったく緊張しないということはない。あまり緊張しないだけで、どうしても緊張するときは、自分で考えた緊張しない方法を試して、あまり緊張しなくなっただけである。私が考えた緊張しない方法は、自分を客観的に見て、もし失敗しても、死にはしないと思うことである。もし私が鍵盤を弾き間違えても、曲を聴いている人はただ「ああ、弾き間違えたな」と些細なこととして思うだけである。なら、自分が緊張するだけ無駄だ。そう考えると、緊張が少し和らぐ。緊張する理由が気になって、調べてみた。緊張する理由は、自分がどう見られているか気にして、完璧にやらなきゃと感じてしまったり、過去の失敗経験がトラウマになっていて、ネガティブ思考が定着してしまっていることや、単純に準備不足だというのが、おもな理由らしい。私は、いつもの日常ではなく、非日常な空間にいることが緊張する理由だと思う。

 父は、高校受験の時にとても緊張したそうだ。テストはともかく、高校受験は自分の人生を左右するので、緊張して、食べ物が喉を通らなかったそうだ。なのに母と同じく、今では緊張はあまりしなくなったらしい。緊張は成功の母ということわざがあるように、緊張も成功の鍵となる。つまり、緊張した方が成功しやすいと思うのである。

 人間にとって緊張とは、たるんでいた体を引き締めてくれるものである。緊張を感じることで、心身が引き締まり、結果として脳が活性化されるらしい。緊張は悪いイメージが付きやすいが、緊張をうまく活用することで、いつも以上の力を発揮できるに違いない。緊張とうまく付き合えば、いい結果をもたらしてくれる。私も、重要な場面には、適度な緊張感を持って望むようにしようと思った。

「パチパチパチ」

私は観客からの拍手を聞きながらお辞儀をした。