人間が住んでいるところでほかの生き物を育てるのは難しい

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 鎌倉の海岸の波打ち際で一匹のチョウチンアンコウが海岸に遊びに来ていた一般の人に拾われた。これは珍しい魚だということで、八キロ離れた江ノ島水族館に運ばれ、海水に戻したところ元気を取り戻し八日間生きた。我が国での、そして、たぶん世界でのチョウチンアンコウの最長生存記録である。深海魚が水族館で買えないのは、深海に住んでいるために皮膚や内臓が傷つきやすい、体がもろくて壊れやすい、環境の変化に弱いという理由の方が大きいようだ。

 ぼくは、二年生のときに夏休みに、鳥取県に旅行に行って、夜にカブトムシをたくさんつかまえたけれど、何匹か逃げてしまって家に持って帰るときには二、三匹になってしまっていた。九月になったら二匹死んでしまって一匹になってしまった。九月が半分くらい過ぎたら最後の一匹も死んでしまった。でも、ぼくが飼った生き物の中では長かった。ザリガニやトカゲも買った。ザリガニは、弟が、池のある公園に行って三十匹くらい持って帰って来ていた。トカゲは、ぼくがスイミングに行く途中に道にいたからつかまえて、入れる場所がなかったから、道に落ちていたペットボトルを弟が拾ってきて中に入れてカバンに入れておいた。家に着くまで出なかったけれど、次の日、虫かごを見ると何も入っていなかった。弟は

「きっと誰かに盗まれた。」

と言っていた。自然でつかまえたものを家に持って帰って買うことは、とても難しいことだなあと思った。

 母は、バジルとかつつじとかフィージョアを庭で育てて枯れたりしたから気温がちょうどよくないとだめだと言っていた。バジルとつつじは枯れてフィージョアは、最初の一回しか実ができなかった。山で生えていたのを切って、事務所で少し育てて家に持ってきたかららしい。でも、ローズマリーという植物は、ぼうぼう生えている。

 ぼくは、自然にあるものを人間の作ったところで育てるのは難しいと思った。「やはり野に置け蓮華草」ということわざのように、人間の住んでいるところに、他の生き物は持ってこない方がいいとわかった。