たしかブレーズ・パスカル
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人間はとかく「天使になろうとして豚になる」存在である。
人間は、皆、気違いめいたところがあり、気を付けていないと「狂気」にとりつかれる。
しかし、人間というものは「狂気」なしには居られぬものでもある。
我々の心のなか、体のなかにある様々な傾向のものが、常にうようよ動いていて、我々が何か行動を起こす場合には、そのうようよ動いているものが、一定の方向を向く。
そのまま進み続けると、だんだんと人間は興奮してゆき、ついには、精神も肉体もある歪み方を示すようになる。
その時「狂気」が現れてくる。幸いにも、「狂気」もそう永続はしない。
興奮から平静に戻り、この状態が長く続くと、これにあきて、再び次の「狂気」を求めるようになる。
豚になるかもしれないから、豚にならぬように気を付けて、なれないことは判っていても天使にあこがれ、誰しもが持っている「狂気」を常に監視して生きねばならない。
人間には狂気というものが必要だ。
なぜなら、狂気と呼べるような集中力がなければ良いものを作ることはできないからだ。例えば、僕は以前プログラミング教室でマリオのゲームを作った。そのゲームで一番こだわったのはキャラクターデザインだ。マリオのデザインはザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー寄りのデザインにしている。また、クッパのデザインはマウスで手書きをして作られた。それを見た母と先生には狂気じみてると言われた。なぜなら、クッパもマリオもマウスで描いたが、それが母も先生も信じられないそうだ。また、ゲーム中には見えない靴紐などの細かい部分にもこだわったからだ。先生は「お前は黒澤明か」と言っていた。黒澤明は日本映画を代表する監督であり、画面に写らないような細部も作り込んでいて、『羅生門』では門の屋根瓦4000枚のすべてに年号が彫られ、『赤ひげ』では撮影のために焼いた茶碗に茶渋がつけられ、薬棚の引き出しの中にまで漆が塗られたそうだ。だけど黒澤明のようにこだわって作ったおかげで、いいゲームを作ることができた。
また、もう一つの理由は、平凡な毎日では退屈してしまうからだ。
長期的な退屈傾向が高い人は、衝動行動リスクは約1.4〜1.7倍で、過食傾向は約1.5倍で、アルコール依存リスクは約1.6倍になる、という研究結果がある。
つまり、刺激不足を埋めるために“強い刺激”を求めやすくなるということだ。
たしかに、冷静に判断することも大切だ。しかし、Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズの「クレイジーな人たちが世界を変える」という言葉にあるように、狂気な人は冷静な人に思いつかない発想が出てくることがある。例えば、スティーブ・ジョブズはAppleに解雇された後にルーカスフィルムのCG部門を買収しピクサーを設立、その後にAppleは狂気のような発想の彼が必要となり復帰させた。だから、僕も周りから何と言われようが関係なく、狂気を持って取り組んで自分がやりたいことを果たせるようにしたいと思う。