まるでりんごだった私
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年月日
まるでりんごだった私
「ふんげっ んっぎゃ ぎゃおー」
平成二十八年五月二十一日十四時二十七分、新たな人間が誕生しました。新たな人間とは私、ワケノユキのこと。私は三千三百六十四グラムで元気に生まれてきたそうです。
私はちゃんと全員が病院に集まるまで待ってから、ママのおなかから脱出したらしいです。
お姉ちゃんや、パパ、ママにインタビューしてみました。
「私が生まれた時どう思ったの?」
とママの目をじーっとのぞきこみました。ママの黒目には私がうつっていました。
ママは、
「いやあ、うーん、元気に生まれてきてくれて安心したよ」
と、おだやかに目を閉じました。
パパにも聞いてみると、この時パパは今にも寝そうだったけど、
「そりゃ、感謝の気持ちだよう」
とあと1秒で寝そうな顔で言いました。
ゆうみお姉ちゃんは
「うれしいと思ったー」
と普通の感想を言いました。
みゆおねえちゃんは
「ユキが生まれる前は、妹ほしい妹ほしいと思っていたからユキが生まれてうれしかったよ」
と変な顔をしました。
私が生まれる前、何度も名前を考える家族会議を開いていたらしく、私に呼びかけるニックネームはキユちゃんだったそうです。ちなみに今のニックネームは、ユキです。私の名前の由来は、ママの由とパパの貴をとって由貴になりました。自由にのびのびと、そして気高い立派な人になってほしいと言っていました。
私が生まれた時、上のおねえちゃん二人は、八歳と七歳だったので、おねえちゃんたちも私をパパとママと一緒にかわいがってくれました。
まるでママと、小さいお母さんが二人いるみたいだったらしい。
私が生まれた時は、
「いもうとだよー」
「赤ちゃんかわいい」
「出た出た」
「うれしい」
「まるでりんごみたい」
などいろいろ言っていたのを動画で見ました。
私はおなかの中でよく動く子だったと聞きましたが、もしかしたらおなかの中でへその緒を追いかけまわしていたのかなーと思いました。
どうしてかというと、犬がよく自分のしっぽを追いかけまわすのを見るからです。
おなかの中でたぶん楽しく過ごしていたけど、何ごともなく無事に脱出に成功してよかったなーと思いました。