日本人のコミュニケーション技術
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日本人は淡白であるかわりに持続力に欠けているのは生活感覚に左右されているところがすくない。うるさいことは嫌いでごてごてしているのはおもしろくないと感じる。こういう傾向が言語にも影響している。こまかいことは省略し、それがわからぬのは野暮として相手にされない。そういう淡白好みが考えた詩型が和歌や俳句である。短いことでは世界に類が少ない。和歌の形式は、日本人の感性、言語、思考を決定するほどの力をもってきた。目に青葉 山ほととぎす 初鰹 (素堂)この句の表現を理屈で説明しようとすればおそらく何十枚もの文章が必要だ。決して言い表せぬものをこの句の中に凝縮させている。論理を超える論理があるからだ。理屈ではなく直感に訴えようとする日本的なコミュニケーションの取り方は良いと思う。
第一の理由は、相手の言いたいことを読み取ろうとすることで思いやりの心が育つからだ。日本で体調が悪い時には誰もがそっと声をかけたり、そっと置いてくれたりする。外国では、体調が悪い時には、what is wrong?と声をすぐにかける人が多いだろう。日本では、空気を通して、相手が何をしたいのかを読み取るという文化的なものがある。社会の授業では、地理でも歴史でも必ず、教科書の音読から授業が始まる。音読は、一人の時もあれば、班読み、列読み、出席番号読みなどいろいろなやり方がある。その中に、空気読みという日本独自の読み方がある。それは、空気を読むとあってクラスの空気を読みながら、誰とも被らずに一行ずつ違う人が読んでいくというものだ。私のクラスは、全員日本生まれ、日本育ちであるが、日本的なクラスというよりも、英語教師が担任だからなのか分からないが、外国よりのクラスである。そのため、最初の一行から、誰も遠慮せずに自分のペースで読み進める。私のような気が小さいものは結局読めるところがなくなってしまう。私のクラスだけが空気読みが大の苦手である。他のクラスは上手に読むと社会担当の先生から聞いた。
第二の理由は、短い言葉からの想像を広げることで感受性が豊かになるからだ。外国の宣伝は長い。それに比べて日本の宣伝のキャッチコピーは短い。日本の宣伝は、ほとんどが十秒から長くて三十秒にきっちり収まっている。短いキャッチコピーから日本人は、充実した文章、内容を自分で考えている。企業の宣伝費(2008年)によると1位パナソニック904億円、2位トヨタ自動車881億円、3位本田技術工業880億円という数値が出ている。どれも、よくテレビのCMや新聞に挟まっているチラシで目にする。どれも、言葉は短く、映像や画像が多い。なぜ、宣伝費だけで大きな収益、金額になるのだろう。私の考えは、短い言葉から内容をチラシなどからだいたいのイメージを読み取り、店や消費者が欲しいと思う人が増えるからだと思う。日本的な短い言葉から、日本人特有の空気、映像、画像からの読み取りによる良さである。
確かに物事を論理的に伝えることも大切だ。しかし、辞書のような人間になるのではなく辞書をうまく使えるような人間になることが勉強の目的である、という名言があるように、短い言葉を活用し、そこから、内容を読み取り、自分の頭で理解するという日本的なコミュニケーション技術を大切にしていくべきだ。日本の世の中は、省略した文字であふれている。スマホやエアコンなどがあげられる。しかし、日本人は皆、そこから多くの意味を読み取る日本的コミュニケーションは良い。