同類
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年月日
私たちは、他者もまた自分と同じような人であると思うべきである。
そのための第一の方法として、他者に対して分け隔てなく接することだ。具体的に言うと、好きか、嫌いかの二択の感情で他者に接するのをやめることだ。初めて会った人の印象は三から五秒の間で決まり、その第一印象がその人と接する中での長期的な関係を左右する現象を「初頭効果」という。つまり、相手の初めの印象が悪ければ、その後の関係でも相手が自分に接してくる態度は悪いものになってしまうのだ。自分の立場になってみるとどうだろうか。もし、初めて話した相手に、はなから「あなたのことは嫌いです」のような態度を取られれば、いい気持ちはしないだろう。また、相手が隠している嫌っている気持ちも、他者から見れば節々の行動に表れ、「あぁ、この人私のこと嫌いなんだろうな」となる。私たちは人間であるから、嫌われている人にも優しくしようとは思わない。これは、私だけでなく、おそらくほとんどの人が同じように思うことだろう。孔子の「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」という言葉のように、私たちは嫌なことは嫌だと思う同じ人間である。同じ人間であるからこそ、相手との接し方には気をつけ、関係をより良くするためにも、他者に対して分け隔てなく接することは自分と他者の繋がりに気づくためには必要だろう。
また、第二の方法として、自分の殻に篭らずに広い視野を持った行動を心がける頃だ。かの偉人の徳川家康は、幼少期は今川家の人質として壮絶な生活を過ごしていた。今川義元が織田信長に打たれるまでは、人質としての生活を送っていた家康だったが、一方で小さな頃からさまざまな場所へいき、多くの人と接していた。家康も、いろんな地を点々とする中で、いく先々の人々と自分の差異を探していては、凝り固まった思考になり、塞ぎ込んでしまっていただろう。しかし家康は、そのように塞ぎ込んでしまうのではなく、恐れることなく多くの人と対話し、忍耐力を培った。この経験はその後の家康に大きな影響を与える。この広い視野と忍耐力を持った家康は、江戸時代を短期的な時代に終わらせてしまうのではなく、長期的な政権にし、次世代に繋いでいくためにも高度な金融、経済政策や、優れた人材の確保を行った。家康の殻に篭らずに広い視野で物事を見つめる姿勢は、他者もまた自分と同じ人間出ることを自覚するためには大切なことと言えるだろう。
確かに、それぞれの差異が個性豊かな社会を生み出している。しかし、他者との差異ばかりに目を向けてからに閉じこもって溝を作ってしまうのでは、つまらないだろう。「自分は自分から見たものだけでなく、他者から見た自分でもある」と言う名言のように、一度視点を変えて、自分も他者も同じ人間であることを実感することができれば、一つに視点ではなく、多様な視点で物事を見ることができるだろう。私も、自分の同類はいないと塞ぎ込んでしまうのではなく、自分と同じように他者もまた感じるのだと考えるようにすることで、自分という視点でしか考えられなかった物事を、多様な視点で見れるようにしていきたい。