豊かな自然

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 ヒトとイエバエの相違点は、主に四つある。一つ目は、言うまでもなく大きさだ。二つ目は、寿命だ。ヒトを平均六十五年とすれば、イエバエはわずか二週間である。三つ目は、産んだ子供の数だ。日本人の平均的子供の数は、二・二人、すなわち、二人か三人であるのに対し、ハエは二百~三百の卵を産む。この寿命と子供の数で考えると、イエバエは一年間に、ものすごい数に増えることになる。ハエは、短い期間で大量の卵を産む。また、ハエの一生は短いので、この間に抵抗性がないものが死に絶え、抵抗性のあるものが生き残る。つまり、ハエは、短期間で、仲間の性質を全て変えてしまうことができるのだ。四つ目は、ハエは、助走も加速もせず、ある場所に自由にとまり、自由に飛びだすことができる。この話を読んで、僕が一番驚いたのは、ハエは短期間で大量に増えるということだ。なぜなら、人間は二人しか産まなく、全然増えないからだ。

 僕は、ハエとカを対比することを考えた。なぜかというと、僕が読んだ話では、ハエとヒトを対比していて、全然違う種類の生物を比較していたからだ。ハエとカは同じ双翅目に属する。双翅目の最大の特徴は、前翅が一対しかないことだ。また、後翅が平均棍というバランスを取るための棒状の器官に変化している点だ。僕は、卵を産むところもハエとカの共通点だと思った。一方、同じ双翅目に属するハエとカには、相違点もある。一つ目は、吸血の有無だ。カは、針のような口をしていて、他の生物の血を吸い、卵への栄養にする。二つ目は、食性の違いだ。食べ物が違う理由は、全て同じだったら、食べ物がなくなってしまうからだと思った。もし、食べ物がなくなると、子孫が残せなくなるだろう。

 僕の家にはヤマトヌマエビとミナミヌマエビがいる。最近、水替えをしてから、ヌマエビが卵を持っていることが増えた。よく観察してみると、二十個くらい腹肢に白色または黒色の卵を持っていることが分かった。この様子は、まるで、バックを前に持っている人みたいだと思った。僕は、

「産むのが大変そうだねー。」

と、副飼育係の母に話しかけた。僕には、ヌマエビが楽しく暮らせるように努力していることが二つある。一つ目は、仲間を増やすことだ。二つ目は、水替えをすることだ。多分、僕と母が管理しているから、ヌマエビは安心して卵を産めるのだろう。

 父にもヌマエビについて聞いてみた。ヌマエビは、頭が良く、その生存戦略は見事だ。ヤマトヌマエビは、川に流され、海の近くへ行き、そこで成長する。一方、ミナミヌマエビは、沼や川の生まれた場所で一生を過ごす。それぞれのヌマエビの生き方には、利点と欠点がある。ヤマトヌマエビの利点は、遺伝的多様性が高いことだ。しかし、欠点は、台風などが起こると、海まで流され、帰ってこられないかもしれないことだ。一方、ミナミヌマエビは、大移動しないので、遺伝的多様性が低くなるが、台風が起こっても隠れることができる。僕がヌマエビだったら、絶対ミナミヌマエビの方向へ進化したにちがいないと思った。なぜなら、ヤマトヌマエビの産卵期はちょうど梅雨のころであり、海まで流されてしまう危険性があるからだ。しかし、梅雨でないと水かさが増さないので、ヤマトヌマエビは海まで流されないかもしれない。また、海に流されそうになったときには、岩にしがみつくことで、流されることを回避できるかもしれない。もし、そうであれば、ヤマトヌマエビの方へ進化したかもしれない。

 人間にとって、産むということは、子孫を残すための行為である。産むのは命がけである。だからこそ、生き物が卵を安心して産めるような環境が必要である。「麻の中の蓬」という諺がある。この諺は、曲がりやすい蓬も、真っ直ぐな麻の間に育てれば真っ直ぐ育つことを意味している。つまり、良い環境に飼っている生き物の身を置くことは大切だと示しているのだ。これから、僕は、世界の自然環境を整えたい。なぜなら、世界に住んでいる生き物みんなを幸せにしたいからだ。

今日も僕の水槽で新しい命が生まれている。