一線を越さない大切さ

    ()  年月日

 私が市場へゆく道は、いかにも自然発生的な細いやさしい道だ。ところが、その道は最近アスファルトが敷かれてしまった。私は舗装されたのを残念に思った。新たに作った高速道路のようなものならまことにりっぱな舗装があってしかるべきだと思う。しかし、ほとんどの車が通らない昔ながらの通り路のようなものまで舗装する必要は果たして、あるのだろうか。もちろん、舗装された道も時と場合によっては大切である。だが、道が一番道らしいのは、人間の暮らしをあたたかに支え、いろいろなものを発見することのでキリ踏みしめられた道である。この事だけは忘れてはならないのだ。

 私は最近、道はどれが一番正しいのかという事を考えている。きっかけは、リップスティック、別名ブレイブボード、スケートボードとサーフィン、スノーボードの動きをミックスした、体を動かす遊び道具だった。私は、小学五年生の頃からリップスティックを始めた。リップスティックでは、主に土の道かアスファルトの上かという二つの道の上で私は乗っていた。土の道は、砂や石、砂利などが数えきれないほど落ちており、よく躓いて走りにくい。逆にアスファルトは真っ平でまるで水平線のように漕ぎやすかった。リップスティックが漕ぎやすく、どこまでも遠くに行けるという感覚に陥ちていた。私は、土の道よりも、アスファルトの方が良いと思っていたが、ここ最近感じ方が変わった。つい先日に私はリップスティックに乗り、遠出をした。三月になると爽やかな春風を感じる事ができ、気持ちよかった事を今でも覚えている。何よりりも、恵風に誘われて土から這い出てきた虫たちの様子を見たのが、私にとって何かを変えた。今では、アスファルトの道も大切だが、土の道の方が私は好きになっていた。人間の願望を表に出して行動するのも良いが、自然を残し、生き物に重きを置くことが大切なのだと感じた。 

 皆さんは『オーバーツーリズム』という単語をニュースで見聞きしたことはないだろうか。これは昨年に連日放送された内容で、観光客の急増により起きた出来事だ。日本国内では、急速なインバウンドや、需要の回復や円安を背景に、多くの観光地で観光公害が深刻化しているのだ。一つ例を上げてみよう。「八重干瀬」と呼ばれるダイビングスポットについてだ。八重干瀬は、宮古島の面積の約10分の1に及ぶ、日本最大級のサンゴ礁が有名な場所で、豊富な自然が伺える地域となっている。しかし、そんな宮古島だが、国内主要4空港から直行便が運航されたこと、海外から大型クルーズ船が入港したことをきっかけに、2015年あたりから観光客が急増した。島のキャパシティを超える観光客の増加によって、多くの問題が頻発するようになったのだ。人間が自然と触れ合いたいということだけで行動し過ぎてしまい、生物の生態系を壊せているのではないかと私は思う。

 人間にとって自然との触れ合いとは、人間の行動とバランスをとる事である。人間には必ず欲望があり、それを叶えようと様々な事を行う。もちろん、叶えようとすることは大切である。しかし、ゴミのポイ捨てや、埋め立て、船などといった行動が多くなると、生物の生態系を壊すことに繋がってしまうのだ。過ぎたるは猶及ばざるが如し。何事にもやり過ぎは良くないのだ。行動をするの一線を越してしまうと、行う前より状況が悪化する場合がほとんどなのだ。私は、もっと自然を尊重すべきだと思う。皆さんも、自然とは何か。まるで終わりのない旅のような問題の答えを探してみてはどうだろうか。