身近な体験や物語を使いながら、「物の価値とは何か」を深く考えているところがとても印象的です。
<<え2016/835pみ>>
【総評】
この意見文のいちばんの良さは、「考えを総合してまとめているところ」です。課題文の「もったいない」という考え方を出発点にして、物を大切にすることの意味や、時には捨てる判断の必要性について多面的に考えています。わらしべ長者の例や自分の体験、さらに家族のエピソードを用いて意見を広げている点に、よく考えた跡が見られます。最後には「物は活用されてこそ価値を持つ」という視点にまとめており、単なる賛成・反対ではなく一段高い視点から主題を整理できている点がこの作文の大きな魅力です。
【段落ごとの講評】
第1段落:課題文の内容を的確にまとめ、「もったいない」という考え方と現代の消費社会の関係を整理しています。現代の社会が大量生産・大量消費に向かっていることをしっかり読み取れている点がよいです。
第2段落:物を大切にすることの意義を、「わらしべ長者」の例や自分の体験を通して説明しているところが光っています。特に紙片を使って修正した実体験は、身近な例として説得力があります。
第3段落:物を捨てることの必要性について、お母さんの携帯電話の例を用いて説明しているところがよいです。物を大切にするだけでなく、新しいものに替える判断も大切だという視点が示され、意見の幅が広がっています。
第4段落:最後に「物は活用されてこそ価値を持つ」という考えにまとめている点が印象的です。エジソンの言葉を引用しながら、自分の主題をより一般的な視点へと高めているところがよくできています。
【考えを深めるための質問】
もし「物の価値は使う人によって決まる」とするならば、同じ物でも人によって価値が大きく変わる例には、どのようなものがあると思いますか。
字数/基準字数:1271字/1200字
思考点:97点
知識点:85点
表現点:85点
経験点:94点
総合点:95点
均衡点:5点
■思考語彙 28種 28個 (種類率100%) 97点
しかし, つまり,、即ち,、確か,。だから,。つまり,。例えば,あるから,こうして考える,このため,すべき,するため,すると,するべき,すれば,たため,つながるため,といえ,と思う,なくなるため,ならば,に思える,みると,も考える,人によって,凝らせば,時によって,自分にとって,
■知識語彙 68種 97個 (種類率70%) 85点
事態,交換,代用,以前,以外,価値,修正,内容,円滑,利点,利益,包装,各種,同然,向上,商品,大切,妖怪,学校,学的,実行,容量,専門,屋敷,工夫,希有,役割,必要,性能,提出,携帯,文明,時代,最大限,格別,機能,決断,活用,流通,消費,満足,物語,特異,理解,生命,生活,生物,生産,発揮,発明,紆余曲折,紙屑,紙片,経済,肝要,能力,自分,行動,解像度,誤字,豪勢,資源,転換,重要,長者,関係,電話,駆使,
■表現語彙 126種 203個 (種類率62%) 85点
、確か,あまり,いくら,いつ,うえ,かく,こと,このため,これ,さ,するため,そう,そこ,それ,たくさん,たため,たち,つながるため,とき,とたん,なくなるため,ひとつ,まま,もの,よう,わけ,わら,わらしべ,アイデア,インターネット,カメラ,テープ,バッグ,バッテリー,ボールペン,メモリー,モノ,一つ,事態,交換,人,代用,以前,以外,体,何,価値,修正,内容,円滑,分,利点,利益,前,力,包装,各種,同然,向上,周り,商品,大切,妖怪,学校,学的,実行,家,容量,専門,屋敷,工夫,希有,年,役,役割,必要,性能,我々,提出,携帯,数,文明,時,時代,最大限,格別,機能,母,決断,活用,流通,消費,満足,物,物語,特異,理解,生命,生活,生物,生産,発揮,発明,私,糊,紆余曲折,紙,紙屑,紙片,経済,肝要,能力,自分,行動,解像度,話,誤字,誰,豪勢,資源,転換,重要,長者,関係,電話,駆使,
■経験語彙 50種 68個 (種類率74%) 94点
こうして考える,こなす,せる,ため込む,つかう,つく,つながる,できる,といえ,と思う,なくなる,に思える,はじまる,もつ,も考える,れる,上がる,上回る,付ける,作る,使う,使える,入る,凝らす,出る,含む,帰る,役に立つ,得る,心掛ける,扱う,持つ,捨てる,支える,書く,決まる,潤う,移す,立つ,経る,続ける,聞く,見える,見つける,買い替える,買う,貼る,開く,限る,駆り出す,
■総合点 95点
■均衡点 5点
モノの意義
中2 あおらえ(aorae)
2026年3月3日
「もののけ」という妖怪がいる。「ものの気」と書き、気配のことで、それがないと「もったいない」のである。ところで今、かつての「拾う」時代から「捨てる」時代へ大きく転換しつつある。生産力が向上したが消費はそうはいかない。我々の文明はさらに生産力を向上させ、消費できない分を捨てることにした。このためにも、妖怪「もったい」が駆り出されることになった。流通を支える専門家たちは、商品を買って帰り、包装紙を開いたとたんに「もったい」がつくようにしている。かくて流通経済は円滑に機能し、生活は潤い、我々は満足している。我々は生物学的には極めて希有なで特異な「消費を上回る生産」という事態を楽々とこなしているのだ。
得たモノは大切にするべきだ。よく資源は限られるというが、それ以外にも利点はある。わらしべ長者という物語がある。ひとつのわらしべからはじまり、紆余曲折を経て大きな屋敷などの豪勢なものとなるという話だ。つまり、わら一つというあまり価値の内容に思える物でも活用すれば自分にとって利益が出る、即ちモノを大切に、といっている。実際に工夫を凝らせばいくらでも活用できるものはたくさんある。例えば、私は以前学校で提出物にボールペンで書いていた時に誤字を見つけた。周りにいた誰に聞いても修正テープを持っていなかったためバッグに入っていた紙屑同然の紙片を糊で貼り付けて修正テープの代用とした。紙片を格別に大切に扱っていたわけではないが、一見何の役にも立たなさそうに見えても後で役に立つことがある。
しかし、ただただモノをため込んでいても利点はそこまで大きくない。だから、時によっては物を捨てることも考える必要がある。7年ほど母が同じ携帯電話を使い続けていたことがあった。そのとき母は電話もできるしインターネットにもつながるためこの携帯電話のままでいい、と言っていたのだが、いかんせんバッテリーがすぐになくなるため数年前に買い替えた。すると、確かに使えてはいた前の携帯電話とはカメラの解像度やメモリーの容量など各種の性能が上がっていて、これには母も買い替えてよかったと思ったそうだ。いつまでも古いもののままではなく、新しいものに順次交換していくことも重要で、これに必要となる決断力も大切な能力となる。
つまり、物を大切にすべきだが、時には物を捨てていくことも必要となる。しかしながら、そもそも「モノ」とは人が活用するために作り、つかうものである。こうして考えてみると、活用できないのならば物を大切にしても、捨てても関係ないということになる。かつて発明家のトーマス・エジソンは「アイデアは実行されて初めて価値を持つ」といった。ものであっても、活用されて初めて価値を持つのである。物を物は活用できない。物を駆使することができるのは我々を含む生命体であるから、モノの価値はそれを扱う人によって決まるといえる。そのモノの役割を理解し、それを最大限に発揮できるよう心掛けたうえで、それを行動に移すことが肝要なのである。