「名札の(うら)のサインがお守りのように背中(せなか)押し(おし)てくれる」という表現(ひょうげん)が、とても心に残りました。

<<え2011/40jみ>>

総評(そうひょう)
 この作文の一番の良さは、「体験を通して気づきを深めているところ」です。離任(りにん)式という具体的な出来事から始まり、先生との思い出、さらにお母さんの話へと広げながら、「別れの中にある大切なもの」に気づいていく流れがとても自然です。特に、自分の体験だけで終わらず、他の人の体験と結びつけて考えているところに、考えの深まりが感じられます。出来事と気持ち、そして学びがしっかりつながった、読みごたえのある作文です。

段落(だんらく)ごとの講評(こうひょう)
第1段落(だんらく):導入(どうにゅう)として、会話と情景(じょうけい)を使って場面を一気に伝えているところがとても上手です。「嗚咽(おえつ)響い(ひびい)た」という表現(ひょうげん)から、体育館の空気や悲しみの大きさが伝わってきます。読み手を引きこむ書き出しになっています。

第2段落(だんらく):自分の体験を具体的に書いている点が光っています。サインをもらうために並ん(ならん)だ時間や先生とのやり取りが丁寧(ていねい)描か(えがか)れていて、その場の様子がよく伝わります。思い出がよみがえる流れも自然で、先生の人柄(ひとがら)がしっかり伝わってきます。

第3段落(だんらく):お母さんの話を取り入れて、話題を広げているところがとても良いです。自分の体験と()ている点を見つけ、「支え(ささえ)てくれるもの」という共通点に気づいているのが素晴らしい(すばらしい)です。考えが一(だん)深まっています。

第4段落(だんらく):最後のまとめでは、「わかったこと」がしっかり書かれています。「悲しいだけでなく、もらった言葉が支え(ささえ)になる」という気づきが、自分の言葉で表現(ひょうげん)されています。書き出しの「ありがとうございました」と結びの言葉が呼応(こおう)していて、まとまりのある結末になっています。

【考えを深めるための質問(しつもん)
 万年先生やお母さんのように、「別れのときにもらった言葉」が力になった経験(けいけん)は、これから先ほかにもあると思います。もし次に(だれ)かと別れるとき、あなたはどんな言葉を相手に伝えたいと思いますか?

字数/基準(きじゅん)字数:923字/500字
思考点:46点
知識(ちしき)点:63点
表現(ひょうげん)点:66点
経験(けいけん)点:67点
総合(そうごう)点:61点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 8種 9個 (種類率89%) 46点
n確か,。だから,そのため,と思う,のかも,もらうと,もらおう,悲しまざる,

■知識語彙 37種 61個 (種類率61%) 63点
一緒,上手,今日,仕事場,仕方,代表,体育館,修了,元気,先生,先輩,全体,名札,嗚咽,大切,学年,学校,小学校,年度,年生,年間,感激,感謝,手紙,担任,方位,生徒,終業,背中,自信,自分,言葉,証書,長蛇,関係,離任,順番,

■表現語彙 83種 159個 (種類率52%) 66点
n確か,おじぎ,お守り,さ,そう,そのため,たち,ところ,もの,よう,ん,クラス,サイン,メッセージ,一,一緒,万,三,上手,中,事,二,五,人,今,今日,仕事場,仕方,他,代表,体育館,修了,元気,先生,先輩,全体,分,列,別,別れ,十,名札,嗚咽,四,大切,学年,学校,小学校,年,年度,年生,年間,式,後,心,思い出,悲しみ,感激,感謝,手紙,担任,方位,時,末,母,生徒,私,終業,組,背中,自信,自分,色々,裏,言葉,証書,誰,長蛇,関わり,関係,離任,順番,鬼ごっこ,

■経験語彙 32種 57個 (種類率56%) 67点
くださる,くれる,こなせる,しまう,しれる,つく,つぶやく,てる,できる,と思う,もらう,ゆうする,よみがえる,られる,れる,わかる,並ぶ,別れる,待つ,得る,悲しむ,慕う,押す,支える,教える,書く,生きる,辞める,通う,違う,響く,頑張る,

■総合点 61点

■均衡点 1点
 

お別れの言葉はお守りのよう
   小5 はるまき(akoruka)  2026年4月1日

  「今まで、本当にありがとうございました。」

広い体育館に、嗚咽が響いた。今日は、私が通っている小学校に十一年間もいて、別の学校に行ってしまう、万年ゆうすけ先生の離任式だ。二年生の時に、私は四組だったけど、三組の担任をしてくれていた。万年先生は、全方位の事を上手にこなせて、学校全体の先生や生徒たちから慕われていた、すごい先生だった。だから、今日は結構悲しみが大きかった。

 私が通っている学校では、年度末などに、名札の裏に先生にサインを書いてもらう人が多い。そのため離任式の後にも、万年先生のところに、学年関係なく長蛇の列ができていた。私も万年先生にサインを書いてもらおうと列に並び、十五分ほど待って順番が来た。

「元気にしてる〜!?」

早速名札の裏にサインを書いてもらうと、色々な思い出がよみがえってきた。クラスが違う人とも、一緒に鬼ごっこをしてくれた思い出。終業式で修了証書をもらう代表の時に、おじぎの仕方などを教えてくれた思い出。万年先生は、万年生きられそうな、本当にすごい先生だった。他の学校に行ってしまうのは悲しいけれど、心から感謝をしたい。

「これからも頑張ってくださいね!」

「ありがとうございます!」

万年先生の言葉と名札の裏のサインは、今もお守りのように、私の背中を押してくれる。

 母にも、そんな思い出があるそうだ。

「仕事場の先輩が辞める時、一人一人に手紙を書いてくれたんだ。その先輩とはあまり関わりが無かったんだけど、すごく細かく自分の良さとかを書いてくれてて、見てくれていたんだなぁと感激したし、自信がついたよ。」

確かに、誰かと別れる時にもらった手紙などは、私の名札と同じように、自分を支えてくれる。別れる時しか得られない、大切なメッセージのようなものが、あるのかもしれないと思った。

 誰かと別れるのは、すごく悲しい。だけど、その時にもらった言葉などが、ずっと背中を押してくれるという事がわかった。だから、お別れをぐずぐず悲しまずに、もらったメッセージに感謝したい。私は、名札の裏のサインを見て、心の中で「ありがとうございました。」とつぶやいた。