一枚の紙から

   中2 さくらこ(asakuko)  2026年4月1日

 本棚から一冊の分厚い本を取る。でも読みたいのではない。そばには、さっき取り出した一辺15cmの正方形の紙が置いてある。この本は小説でも説明文でも随筆でもない。折り紙の本だ。この本の題名は『至高の折り紙』。弟から誕生日プレゼントに貰ったものだ。私の好きな遊びは折り紙だ。

 折り紙は幼稚園の頃から好きだった。自由な幼稚園だったので、みんなそれぞれ好きなことをしていた。私以外の女の子たちはおままごとをしているのに、一人で折り紙をするほど好きだった。一人だけで遊んでいたからか、よく先生も一緒に折ってくれた。その先生からバラの折り方を教えてもらった。その時から折り紙が工作の中で一番好きなものになった。ただの一枚の正方形の紙が立体的な綺麗なバラになることに感動したのだ。だから今でも好んで折るのはハサミもテープも使わずに一枚の折り紙から作る作品だ。

 小学校1年生の時の数少ない思い出の中で折り紙に関係する面白い話がある。小学校に入って初めの頃、自己紹介で折り紙が好きである事と、一緒に作りたいと思っていることを話した。すると一人の男の子が言ってきた。

「ワニを作って。」

私は一緒に作るのだと思っていたので驚いたが、昼休みに作った。完成したので渡そうと思ったが、男の子は友達と遊びに行っていて、掃除時間にも戻ってこなかったので渡すのを諦めたのだ。今思えば掃除時間が終わった後や終礼後に渡せばいいのにと思う。おそらくその男の子はもう覚えていないだろうが、私にとっては良い思い出だ。

 小学校高学年になると、だんだん難しい折り紙を折るようになった。本を参考に折った作品は、ポメラニアン、ハリネズミ、ゴジラ、ゴキブリ、乙女座、鶴、狼、グリフォン、ツキノワグマだ。ポメラニアンはこの本との出会うきっかけだった。その時の私の担任の先生が好きな動物がポメラニアンで、作り方を検索した。しかし、写真しか出てこなくて作り方がわからなかった。調べると本に作り方が載っているそうだった。写真で見た折り紙のポメラニアンが気に入っていてどうしても作りたかったので、誕生日プレゼントとして本をリクエストしたのだ。他にも、ハリネズミはつける折り筋が多くて作るのに4時間ほどかったたり、ゴジラは弟にあげたり失くしたりして結局3回作ることになったり、ゴキブリは作った後で塾の先生や親にイタズラをしたりとその作品それぞれに思い出がつまっている。全部私の大事な宝物だ。

 私にとって折り紙は、大切な思い出と今をつなぐだけのものではない。嫌なことがあっても折り紙を折っているだけで幸せな気持ちになる。テストが終わった後に難しい折り紙を完成させた時の達成感は言い表せないほどだ。大人はときどき、好きなことがあればそれを仕事にできると言う。だが、たとえ仕事にできなくてもいいと思う。嫌いな仕事の後でも好きなことができれば幸せだ。だから、人には好きなことが必要なのだ。