光と影

   中2 みお(aemio)  2026年4月1日

 「長所と短所はひとそれぞれにある」。これは、当然でありながら、つい忘れてしまう事柄なのではないか。私たちはよく、あの人は完璧で、自分はあの人とは程遠いだめだめな人だ、と思ってしまう。人の長所と、自分の短所だけをきにしてしまうのだ。例えば、あの人足速いな、でも自分は遅くて悲しいと思ったり、私は歌下手だけどあの人はうまいなとうらやましがったり、人の良いが自分の悪いにつながっている。しかし、良い部分しかない人はいなくて、だれでもどこか直したいなと思っているところはあるはずだ。このことを理解していれば、自分に自信が持てると思う。

 人をうらやましがる前に、まず、自分の短所や長所について理解することが重要だ。それについて、短所は気にせず、長所を伸ばすという考えがある。私はもともと理科が苦手だった。理科は、計算をしたり、グラフを書いたりといった数学に似ている部分や、実験の結果をわかりやすく説明したり、考察で自分の考えを示したりする国語に似た部分、また実験器具の名前や操作の名称を覚えたりする暗記の部分もたくさんあり、いろいろなことをしなければならないからだ。しかし、火山や地震、地層の学習をしたとき、これはできる、と感じた。何か一つの分野でもできると、理科が楽しいと思えるようになり、他の分野も頑張ってみようと思うようになった。私は、苦手なところをたくさんやって克服しようとするよりも、得意だと思えるところを見つけて、そこをどんどん攻略していくことが「できる」につながると思った。

 長所を伸ばす、という考えのほかに、短所を直し、幅広い面をよくするという考え方がある。渋沢栄一は、明治から大正にかけて、日本の近代経済の基礎を築き、500社以上の企業成立に関与、そして600以上の社会公共事業に尽力した偉大な人物である。そんな彼は若いころ、血気盛んで、論語を尊ぶ一方、敵を作りがちだった。しかし、自分の短所に気づき、「論語と算盤」の精神に基づいて、感情を抑えるように努力した。私は、自分の短所に気がついて、それを直そうとしたことは、小さいことだが、結果的に大きな偉業につながっているのではないかと感じた。

 このように、長所をのばすことも、短所を直すことも、どちらも大切だと思う。しかし、一番重要なのは、のばす、なおすよりもまず、短所と長所は一人ひとりの個性の表れだということを理解することだ。短所も長所と同じようにその人らしさ、そして良さである。カール・グスタフ・ユングという、スイスの精神科医がいる。彼の言葉に、「光だけでなく、影もまた人格の一部である」というものがある。この名言のように、短所と長所この二つが存在することで、人がつくられていると思う。だから、余計に他人をうらやましがったり、自分を責めたりすることはせず、短所も長所も自分にしかない個性だ、と考えて自分に自信を持ちたいと思う。