自分の考えを具体例でしっかり支えながら堂々と書けています。

<<え2017/414pみ>>

【総評】
 この作文のよさは、「論理の組み立ての確かさと、思考の一貫(いっかん)性」です。便利な社会への問題提起から始まり、「手間の価値」という主題を明確に示し、その後もぶれることなく論を展開しています。自分の体験と歴史上の人物という異なる視点を組み合わせ、多角的に主張を支えている点が非常に優れています。最後もことわざを用いて普遍(ふへん)的な考えにまとめており、中学三年生として完成度の高い意見文です。

【段落ごとの講評】
第1段落:具体例を挙げながら、現代社会の特徴(とくちょう)を分かりやすく説明し、「手間の価値」という主題へと自然につなげています。「手間とは何か」を自分の言葉で定義している点が特に優れており、文章全体の(じく)がしっかりしています。問題提起として非常に力強い導入です。

第2段落:自分の体験を用いて、「自ら体を動かすことの価値」を具体的に示しています。図書室での調べ学習の描写(びょうしゃ)丁寧(ていねい)で、手間をかけることによる理解の深まりや達成感がよく伝わります。理由と体験がしっかり結びついた、説得力の高い段落です。

第3段落:織田信長の例を用いて、「自ら行動すること」の重要性を歴史的視点から説明している点がとてもよいです。具体的な政策や戦い方に触れ(ふれ)ており、内容に厚みがあります。個人の体験だけでなく、社会的・歴史的な視点を取り入れていることで、論の広がりが生まれています。

第4段落:反対意見にも配慮(はいりょ)しながら、「自ら行動する姿勢」の重要性を改めて強調しています。「千里の道も一歩から」ということわざを効果的に用い、主題を一般(いっぱん)化している点が印象的です。結論として非常にまとまりがよく、読み手に強い印象を残します。

【考えを深めるための質問】
 もし将来、さらに便利な技術が発達して「ほとんどのことを自動でできる社会」になったとき、あなたはどんな場面であえて手間をかけたいと考えますか?

字数/基準字数:1344字/600字
思考点:74点
知識点:95点
表現点:85点
経験点:98点
総合点:88点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 19種 22個 (種類率86%) 74点
 確か, 第,。しかし,。だから,。だからこそ,あるべき,が考える,すぎざる,すると,すれば,そのため,たから,だろう,てこそ,と思う,置き換えると,自ら考える,行こう,近づくため,

■知識語彙 83種 132個 (種類率63%) 95点
人物,人生,人間,以上,体験,依存,便利,信長,先人,具体,利用,千里,友達,商業,図書,基本,基盤,基礎,大切,天下,姿勢,存在,学習,安土,実感,実施,小学生,強力,当時,必要,情報,慣習,成長,戦乱,戦国,手足,手間,技術,挑戦,授業,政策,方法,既存,日常,時代,最初,本来,桃山,楽市,楽座,機会,武将,歴史,活用,活躍,理解,生活,発展,確認,社会,積極,組織,経験,統一,織田,自分,自由,自身,行動,言葉,試行錯誤,資料,軍事,近代,進歩,過程,達成,部分,重要,鉄砲,長篠,関連,革新,

■表現語彙 127種 236個 (種類率54%) 85点
 確か,こと,さ,さまざま,そのため,それ,たち,とき,みんな,もの,やり方,よう,インターネット,一,世,中,二,二つ,人物,人生,人間,以上,体,体験,例,依存,便利,信長,先人,具体,利用,力,千里,友達,取り組み,商業,喜び,図書,基本,基盤,基礎,声,大切,天下,姿,姿勢,存在,学習,安土,実感,実施,室,小学生,年,強力,当時,必要,性,情報,感,慣習,成長,戦い,戦乱,戦国,手足,手間,技術,挑戦,授業,政策,方,方法,既存,日々,日常,時代,最初,本,本来,桃山,楽市,楽座,機会,武将,歩,歴史,活用,活躍,片っ端,理解,生活,発展,的,確認,社会,私,積極,組織,経験,統一,織田,自ら,自分,自由,自身,行動,言葉,試行錯誤,調べ,豊か,資料,身,軍事,近づくため,近代,進歩,過程,道,達成,部分,重要,鉄砲,長篠,関連,革新,頃,

■経験語彙 53種 67個 (種類率79%) 98点
かかる,かける,が考える,くれる,こなす,すぎる,せる,できる,と思う,ほかなる,まとめる,もつ,やる,られる,作る,使う,促す,切り開く,動かす,動く,取り入れる,取り組む,増やす,変える,学ぶ,得る,感じる,戦う,打ち破る,挙げる,探す,支える,深まる,生きる,生まれる,省く,築く,終える,終わる,続く,続ける,置き換える,自ら考える,行なう,見つかる,見出す,触れる,読み取る,踏み出す,近づく,重ねる,頑張る,頼る,

■総合点 88点

■均衡点 1点
 

科学文明の発達は
   中3 あえもま(aemoma)  2026年4月2日

 エスカレーター、自動ドア、リモコン…。科学文明の発達は、人間の日常から手間をどんどん省いていく。こうした世の中の進化現象は挙げればきりがない。これらが存在しない世の中など想像できないほどである。そして、なぜ想像できないのかというと、これらはすべて、それまでの人間が必ず経験しなければならなかったことを片っ端から省いていったからである。しかし私は、人間はある程度の手間を自分でこなしてこそ成長するものだと思っている。「手間」とは、人間が人間らしく成長し、本来あるべき姿にできるだけ近づくためにある。だから私は進歩した技術に依存しすぎず、自ら考え行動し、日々の中で喜びを感じながら生きていきたい。そのためにはどうすればよいのだろうか。二つの方法が考えられる。

 第一の方法としては、日常生活の中で自ら体を動かして取り組む機会を増やすことである。技術に頼るのではなく、自ら動くことで達成感や頑張った喜びが生まれ、人生が豊かになるのだ。私が小学生の頃、このことを身をもって体験した。歴史の授業で戦国時代に関する調べ学習を行なった。当時、調べ学習は基本自由で、インターネットを使っても、図書室を利用しても良かった。みんながこぞってインターネットを利用する中、私の友達は「図書室に行こう」と声をかけてくれた。すると、図書室にはインターネットでは見つからないような詳しい資料や関連する本が多くあり、私たちはさまざまな情報に触れることができた。また、自分たちで本を探し、必要な部分を読み取ってまとめる過程は手間がかかるものの、その分理解が深まり、調べ学習をやり終えたときには大きな達成感を得ることができた。この経験から、技術に頼るだけでなく、自ら体を動かして取り組むことの大切さを実感したのである。

 第二の方法としては、先人の経験に学び、自ら行動することの重要性を再確認することである。技術に頼ること=既存のやり方に頼ることと置き換えると、戦国武将の織田信長の例が挙げられる。織田信長は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、約100年続いた戦乱の世を終わらせ、天下統一の基盤を築いた最初の人物だ。信長はその革新的な政策と強力な軍事力で、それまでの古い慣習を打ち破り、近代的な社会の基礎を作った。具体的には、鉄砲を戦いに積極的に取り入れ、長篠の戦いでは組織的に活用することで、それまでの戦い方を大きく変えた。また、楽市楽座といった政策を実施し、商業の発展を促すなど、自ら新しい取り組みに挑戦し続けた。このように、織田信長は既存のやり方に頼るのではなく、自ら行動し試行錯誤を重ねることで時代を切り開いたのである。したがって、先人の経験からも、自ら行動することの重要性が理解できるのだ。

 確かに、技術は私たちの生活を支える重要な存在である。しかし、それ以上に重要なのは、自ら考え行動する姿勢である。「千里の道も一歩から」という言葉があるように、どんなに便利な時代であっても、最初の一歩を踏み出すのは自分自身にほかならない。だからこそ、技術に依存しすぎるのではなく、自ら手足を動かし、日々の中で喜びや達成感を見出しながら生きていくことが大切なのである。