すみひなちゃん、こんにちは。自然の中で自然のリズムで生きていた人間が、道具を使い文明を発達させ時間を刻む機械を作り上げました。すると、社会も効率を追及(ついきゅう)し競争するようになりました。その結果、真面目であればあるほど忙しく(いそがしく)窮屈(きゅうくつ)ということになりました。何かの文章で、街の通りを大人が理由なく走っているのは日本くらいだというのも読みました。自分の時間を取り戻し(とりもどし)たいものです。
 まず、充実(じゅうじつ)した時間を持つことですね。海には石に限らず、悠久(ゆうきゅう)の時を刻むものが打ち寄せている感があります。(海洋ゴミはいかんですが)波の音も時間を忘れさせてくれますよね。良い時間の過ごし方だと思います。勉強の時間もそういった質にしたいですね。
 第二には、ゆとりを持つことです。二分前着席が目指すのは、ゆとりですね。時間に追われるのではなく、先んじて自分らしい時間に変えていくということでしょうか。ミヒャエル・エンデの「モモ」に登場する灰色の男たちは、大切な時間を(なまり)のように固めてしまうやつらですよね。倹約(けんやく)ではなく、上手く使ってこその時間ですね。
 社会の一員である以上、協調性も必要なので規則正しく暮らすことも大事です。しかし、考える(ひま)もないような暮らしにはしたくありません。あくまでも、自分のための時間であってほしいですね。

<<え2009/355み>>


すみひなさん、文章全体を通して、時間に対する考え方を深く掘り下げ(ほりさげ)ている点がとても素晴らしいです。
まず、時計の発明によって人々の時間感覚が変わった歴史的背景をわかりやすく説明しているところがよくできています。
また、自分の体験を通して「充実(じゅうじつ)した時間を過ごすこと」の大切さを具体的に示しているので、説得力が増しています。
勉強法の見直しを通じて学びを得たことも、体験実例としてよく書けています。
さらに、「モモ」の物語を引用しながら現代社会の時間の使い方について考察している点も印象的です。
名言の引用も効果的で、フランク・ミュラーの言葉を用いて時間の本質に対する自分の考えを強調しているのが良いですね。
時間に縛ら(しばら)れない生き方を目指すという生き方の主題がはっきりしていて、文章にまとまりがあります。
全体として、歴史的背景、具体的な体験、文学作品の引用、名言の活用がバランスよく組み込ま(くみこま)れているため、説得力のある内容に仕上がっています。

項目(こうもく)評価】
体験実例がよく書けています。
昔話の実例がよく書けています。
名言がよく書けています。
生き方の主題がよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1296字/600字
思考点:77点
知識点:80点
表現点:87点
経験点:89点
総合点:88点
均衡(きんこう)点:5点

 


■思考語彙 20種 23個 (種類率87%) 77点
 確か, 第,。しかし,。だから,あろう,いいはず,すると,せるため,その第,たため,だから,だろう,と思う,と考える,なると,に思える,は思う,律しよう,遅れれば,過ごさざる,

■知識語彙 62種 107個 (種類率58%) 80点
予定,人間,休憩,会社,余裕,信用,倹約,充実,全体,内容,分間,勉強,勝手,友達,名言,大切,大統領,学校,役職,必要,意味,手首,授業,方法,日常,時代,時計,時間,普及,最近,概念,様子,毎年,法律,泥棒,満足,準備,灰色,熱中,犯人,現代,現状,環境,生活,着席,社会,社長,祖父母,約束,経営,結果,行動,言葉,警察,貯蓄,貯金,透明,重要,銀行,集中,風潮,駅前,

■表現語彙 130種 222個 (種類率59%) 87点
 確か,いいはず,うえ,くり,こと,この世,この間,これ,せるため,その後,その間,それ,たため,たち,だれ,どおり,め,もの,ゆとり,よう,わけ,インプット,コン,スケジュール,ストレス,タイト,タイマー,フランク,ボロボロ,ミヒャエル,ミュラー,モモ,ルーズ,一,中,予定,二,人,人々,人間,今,休憩,会社,何,余裕,作,信用,倹約,充実,全体,内容,分,分間,前,勉強,勝手,友達,取り組み,名言,命,夏,大まか,大切,大統領,好き,学校,師,度,役職,心,必要,意味,手首,授業,方,方法,日常,昔,時,時代,時計,時間,普及,最近,概念,様子,毎年,法,法律,泥棒,海,満足,準備,灰色,熱中,犯人,現代,現状,環境,生き方,生活,男,着席,石,社会,社長,祖父母,私,約束,経営,結果,縞,胸,自ら,行動,言葉,警察,貯蓄,貯金,逆,透明,遊び,道,重要,銀行,間違い,集中,頭,風潮,駅前,

■経験語彙 47種 62個 (種類率76%) 89点
あげる,かう,かける,させる,しまう,せる,たまる,できる,とる,と思う,と考える,なくなる,に思える,のぞく,は思う,もたらす,やる,られる,れる,作る,入る,受ける,吸い取る,吹き込む,守る,律する,忘れる,拾う,持つ,振り回す,整える,気づく,消え去る,生きる,生み出す,盗む,立てる,終わる,縛る,荒ぶ,行う,追いかける,送る,遅れる,過ごす,間違う,預ける,

■総合点 88点

■均衡点 5点
 

灰色の男たち
   中3 すみひな(sumihina)  2026年4月3日

 今、私たちは時間に縛られながら生きている。どうやら、人々が時間に追われるようになったのは時計が発明されてかららしい。太古の昔、人々にとって時間とはあくまで自分の上を流れるものであり、それによって自らの行動を厳しく律しようとは思わなかったであろう。それほど昔でなくとも祖父母の時代ではいつ何をするという概念はなく、大まかなくくりで日常生活を過ごしていたようである。だが、時計が普及し、だれもが手首をのぞき見るようになると、時を忘れて時間を過ごすことがなくなった。駅前を行きかう人の様子はまるで常に警察に追いかけられている犯人のようだ。私はこの人たちのようにならないよう、今を大切にして生きていきたい。

 その第一の方法は、充実した時間を過ごすことだ。私は夏、毎年海に行き、めのうという透明な縞が入っている石を拾うのだが、それをしている時は時間など頭の中から消え去ってしまう。好きなことに熱中すると、時間を忘れることができるのだ。また、充実している時間を過ごすことは心に余裕をもたらす。ストレスもたまりにくく、生活の満足度をあげることもできる。私はついこの間まで30分タイマーをかけ、その間は集中して勉強し終わったら5分間の休憩をとるという勉強法をしていた。しかし、道コンを受けた結果がボロボロだったため、30分やることに意味があるのではなく、勉強した内容をインプットすることが勉強するうえで最も重要なことなのだと気づいた。だから私は充実した勉強時間を持つことが大切だと考える。

 第二の方法は、時間にゆとりを持って生活する環境を整えていくことだ。私の学校では「2分前着席」が学校全体の取り組みとして行われている。もともとこれは授業の準備をし、ゆとりを持たせるための2分なのだが逆にそれに振り回されているのが現状だ。同じくミヒャエル・エンデ作の「モモ」では灰色の男たちが人々に「時間=命」だと吹き込み、灰色の男たちが経営する「時間貯蓄銀行」に時間を預けさせる。しかし、本当は、灰色の男たちは、人間が倹約した時間を吸い取って生きている「時間泥棒」であり、時間を盗まれた人々は心に余裕がなくなり生活が荒んでいく。現代の私たちは、ルーズな時間を過ごさぬよう時間倹約しているように思えるが、その貯金した時間で何かができるわけではない。

 確かに、社会生活では時間どおりに規則正しい生活を送ることが大切だ。もし友達と遊びに行く約束をして遅れれば信用がなくなり、その後の予定も立てにくくなるだろう。大統領などの重要な役職についていたり、会社の社長をしていたりする人も同じく、タイトなスケジュールが必要だ。しかし、時間は法律ではない。最近は時間の方が人間より偉い、というような風潮があるが、それは間違っている。少しは守らなくてもいいはずだ。「そもそもこの世に時間などない。それは人間が勝手に作ったものだ」というフランク・ミュラー(時計師)の名言がある。時間を生み出している時計師が言っているのだから間違いないだろう。私は、この言葉を胸に昔の人々のように時間に縛られない生き方をしたいと思う。