お別れの言葉はお守りのよう(清書)
小5 はるまき(akoruka)
2026年4月4日
「今まで、本当にありがとうございました。」
広い体育館に、嗚咽が響いた。今日は、私が通っている小学校に十一年間もいて、別の学校に行ってしまう、万年先生の離任式だ。二年生の時に、私は四組だったけど、三組の担任をしてくれていた。万年先生は、全方位の事を上手にこなせて、学校全体の先生や生徒たちから慕われていた、すごい先生だった。だから今日は、悲しみが溢れ出て、涙を流している人がとても多かったように思う。
離任式が終わって、もう万年先生は別の学校にいるんだよなぁ⋯とさみしく感じていると、教室の前に、学年関係なく長蛇の列ができていた。私が通っている学校では、お世話になった先生に、名札の裏にサインを書いてもらう人が多い。きっとこれも、万年先生にサインを書いてもらう列なのだろう。このチャンスを逃したら、万年先生の事を思い出せなくなってしまうかもしれない。そして、私も万年先生にサインを書いてもらおうと列に並び、十五分ほど待って順番が来た。
「元気にしてる〜!?」
万年先生は、全然変わっていなかった。新しい学校でも、元気に生徒たちと関わっているのだろう。名札の裏にサインを書いてもらうと、色々な思い出がよみがえってきた。クラスが違う人とも、一緒に鬼ごっこをしてくれた思い出。終業式で修了証書をもらう代表になった時に、おじぎの仕方などを教えてくれた思い出。万年先生は、万年生きられそうな、神様のような先生だった。
「これからも頑張ってくださいね!」
ぐずぐず悲しまずに、そんな万年先生に、心から感謝を伝えたい。
「ありがとうございます!」
万年先生の言葉と名札の裏のサインは、今もお守りのように、私の背中を押してくれている。
母にも、そんな思い出があるそうだ。
「仕事場の先輩が辞める時、一人一人に手紙を書いてくれたんだ。その先輩とはあまり関わりが無かったんだけど、すごく細かく自分の良さとかを書いてくれてて、見てくれていたんだなぁと感激したし、自信がついたよ。」
誰かと別れる時にもらった手紙などは、私の名札と同じように、自分を支えてくれる。別れる時しか得られない、大切なメッセージのようなものが、あるのかもしれないと思った。
誰かと別れるのは、すごく悲しい。だけど、その時にもらった言葉などが、ずっと背中を押してくれるという事がわかった。これから、たくさんの人とお別れをして、悲しい思いをするだろう。だけど、ぐずぐず悲しみを背負っていないで、その人に、「今までありがとう、また会おうね!」と感謝を伝えたいと思う。私は、名札の裏のサインを見て、万年先生に心の中で、「ありがとうございました。」とつぶやいた。