生きる喜びを感じるには

   中3 あかさほ(akasaho)  2026年4月4日

 科学文明の発達は、人間の日常から手間をどんどん省く。しかし、手間とはそれを経験した人の個性を伸ばし人間らしさを増幅させるものなのである。便利さや快適さを求める人間の欲求が、文明を発展させてきたことは事実であろう。しかし、生きる喜びとは、感情をとぎすまし、自然の大きさと人間の魅力を日々発見することにある。私は、そのような喜びを実感しながら生きていきたい。

 その第一の方法は、手間をかけることを楽しむようにすることだ。私は手芸料理部に入っている。主に料理を行い、たまに手芸にも取り組んでいる。パスタやピーマンの肉詰めなどの料理や、ブラウニーやシフォンケーキなどのスイーツも作る。手芸ではレジンでキーホルダーを作ることが多い。部活で作っているものはたいてい、お店で安価に入手できるため、わざわざ時間をかけて作らなくても高品質なものを入手できる。自分で作ろうとすると、材料や道具の準備が必要なため、多くの時間を要する。しかし、作ること自体や、作っている間に友達と話すことが楽しく、価値があるため、部活に入っている。確かに効率よく生活できるようにするには既製品を購入することが合理的だろう。とはいえ、時間をかけて自分で作ることに生きる喜びを実感できる。私はこれからも手間をかけて様々なものを自分で作っていきたいと考えた。

 第二の方法は、あえて一つのことに時間や手間をかけて、一つのことに没頭する時間を確保することだ。私の家には七輪があり、秋になると七輪でおこした炭火で焼いたものを食べたくなる。ウインナーやきのこ、マシュマロなどを焼いて食べる。ウインナーは炭火で焼くと、表面がパリッとして、肉汁が出てきて美味しい。私はきのこが嫌いなので食べないが、母と父は炭の香ばしさが移って、食べると非常にジューシーで風味豊かだと言っていた。七輪で焼くと、美味しいだけでなく、炭がパチパチと弾ける音も楽しむことができる。その音を聞くと、疲れていてもその時間はゆったりできるような気がする。そして癒される。また、焼くことだけに没頭できる。確かに、ガスコンロで火をつけた方が早くて簡単だ。ガスコンロで焼いたものは2口程度で食べてしまう。その反面、炭火で焼くと、時間がかかり大変なので、大事に味わって食べる。また、焼きたては熱いので、特に時間をかけて味わう。その間に家族と話したり、炭の弾ける音を聞くことでゆったりとできるのだ。人類が初めて火を能動的につけることができたのは、約40万年前だ。約150万年前にはすでに火を使っていた。この頃の人々は、火で食べ物を温かくできることに感動し、大切に食べていたのだろう。わざわざ炭火を起こすことでその頃の人々の気持ちを考えることができるかもしれない。このように、時間をかけて炭火で焼くことで、より美味しく食べることができ、疲れも取れるのだ。また、一つのことに没頭する時間を作ると生きる喜びを感じられるのではないかと考えた。私はこれからも一つのことに没頭する時間をたくさん作りたい。

 確かになるべく時間を節約して、効率よく作業できるようにすることも大切だ。しかし、 日本の思想家の柳宗悦さんが便利さだけを追い求めるのではなく、不便さの中にこそ価値があると考えていたように、あえて手間をかけることで生きる喜びを感じながら生きていきたい。