シール集めの楽しさだけでなく、「失敗した悔し(くやし)さ」まで本音で書いていて、とても引き込ま(ひきこま)れました。特に、「オーマイガー」の場面は思わず共感してしまいました。

<<え2017/240pみ>>

【総評】
 この作文のいちばんの良さは、「集めること」の魅力(みりょく)を、自分の感情の動きとともに丁寧(ていねい)描い(えがい)ているところです。シールを手に入れた時の幸福感、交換(こうかん)で失敗した時のショック、そしてお母さんとの共通点への気づきまで、一つ一つの出来事が生き生きと書かれていました。また、「ぷくぷくしたシールを眺め(ながめ)ているとなぜか幸福感に満たされた」という表現には、自分だけの感覚がよく表れています。最後には、「宝物(ほうもつ)を積み上げる」という言葉で、人間にとって集めることの意味を大きくまとめており、小学六年生らしい深い主題の一般(いっぱん)化ができていました。

段落(だんらく)ごとの講評】
第1段落(だんらく):会話から始まる書き出しが自然で、すぐに「シール交換(こうかん)」の世界へ引き込ま(ひきこま)れました。「ぷくぷくしたシールを眺め(ながめ)ているとなぜか幸福感に満たされた」という部分は、集める楽しさを感覚的に表現できていてとても上手です。また、偽物(にせもの)交換(こうかん)してしまった場面では、「オーマイガー」や「五百円のりんごあめ」のたとえを使うことで、ショックの大きさがユーモアも交えながら伝わってきました。

第2段落(だんらく):お母さんの「プリクラ集め」の話を入れたことで、作文に広がりが生まれていました。「またシールを買うの?」と言っていたお母さんが、実は自分と似た経験をしていたという流れが面白く、読んでいて思わず笑顔になります。「(わたし)よりもずっと情熱的だったのではないか」という見方にも、自分なりの発見がありました。

第3段落(だんらく):最後のまとめでは、「集めること」を人間全体の幸せや欲求(よっきゅう)と結びつけて考えていて、とても六年生らしい締めくくり(しめくくり)でした。「宝物(ほうもつ)を一つずつ積み上げる」という表現には、自分が好きなものを大切にしていきたい気持ちが込め(こめ)られています。書き出しの「シール交換(こうかん)」の楽しさともつながっていて、まとまりのある結びになっていました。

【考えを深めるための質問】
 もし何年後かに今のシール帳を見返したとしたら、シールそのもの以外に、どんな気持ちや思い出を一番思い出すと思いますか?

字数/基準字数:1140字/600字
思考点:77点
知識点:62点
表現点:70点
経験点:86点
総合点:74点
均衡(きんこう)点:1点

 


■思考語彙 20種 22個 (種類率91%) 77点
。しかし,。むしろ,あろう,いると,たから,たらしい,となぜ,と思う,と思える,と考える,ものこそ,人間にとって,押すと,構わざる,知らざる,私にとって,終わろう,聞くと,自分にとって,見れば,

■知識語彙 36種 56個 (種類率64%) 62点
一月,中学生,交換,人間,今年,今日,価値,偽物,共通,印刷,友達,喪失,報告,夢中,大切,学校,宝物,平面,幸福,情熱,手元,時期,最初,本物,注文,流行,温度,特別,相手,瞬間,結局,自分,興味,言葉,通販,魅力,

■表現語彙 93種 170個 (種類率55%) 70点
〇,あめ,お願い,きっかけ,こと,さ,そう,そこ,それ,ただ,ちゃん,とき,みんな,もの,よう,りんご,コレクション,ショック,シール,ネット,一,一つ,一月,中,中学生,二,五,交換,人間,今,今年,今日,価値,偽物,共通,円,勘違い,印刷,友達,周り,喪失,回,報告,声,夢中,大切,学校,宝物,小遣い,差,帳,平面,幸せ,幸福,後,心,情熱,感,手,手元,損,方,日,時,時期,最初,本物,枚,欲,母,気持ち,注文,流行,温度,特別,百,的,目,相手,瞬間,私,結局,自分,興味,親,言葉,話,誰,通販,集め,頃,顔,魅力,

■経験語彙 45種 66個 (種類率68%) 86点
かける,くれる,さす,しまう,と思う,と思える,と考える,もらう,やる,れる,ズレる,似る,使う,入れる,冷める,出る,取る,呆れる,壊れる,変わる,始める,差し出す,帰る,思い込む,感じる,憑かれる,払う,押す,持つ,撮る,構う,残る,気づく,満たす,眺める,知る,積み上げる,終わる,聞く,買う,貼る,違う,集める,頼み込む,食べる,

■総合点 74点

■均衡点 1点
 

「集める」こと
   小6 ゆい(akakiyu)  2026年5月1日

    「集める」こと

  「今日、〇〇ちゃんからシール交換をしてもらったよ!」

 学校から帰るなり、私は母にそう報告した。私がシール交換を始めたのは、今年の一月のことだ。きっかけは、クラスメイトや周りの友達がみんなやり始めていたからというものだった。最初は一回ネットで買うだけで終わろうと思っていたが、平面と違うぷくぷくしたシールを眺めているとなぜか幸福感に満たされた私はその魅力にすっかり取り憑かれてしまったのである。そして、結局シールをさらに集めたいと考えた私は、親に頼み込み、自分のお小遣いを使ってネット通販でまたシールを買うことにした。しかし、二回目に注文をお願いしたとき、母から

「また同じようなシールを買うの?」

と呆れて言われてしまった。私にとっては一枚一枚が特別な価値を持つ宝物なのだが、シールに興味がない親から見ればそれはただのシールでしかない。そんな温度差を感じつつも、私の情熱が冷めることはなかった。しかし、そんなシール集めやシール交換の楽しさの中には、自分が損したりすることもある。ある日、私は友達が持っているボンボンドロップシールがどうしても欲しくなり、自分から交換をしたいと言った。だが、実はその時私は大きな勘違いをしていた。自分が持っていたものこそが本物のボンボンドロップシールだとは知らず、相手が持っている偽物の方を本物だと思い込み、自分から差し出して交換してしまったのだ。後になって、手元に残ったのが印刷のズレて押すとペコペコしてすぐに壊れてしまった「偽物」だと気づいた瞬間のショックといったら、まさに「オーマイガー」という言葉しか出てこなかった。その時は、五百円も払って買ったりんごあめを食べてみたらちっとも美味しくなかった時のような喪失感に似ていた。

  そんな母にも、実は今の私と同じような時期があったらしい。母が中学生の頃は、「プリクラ」を集めるのが大流行していたそうだ。母はプリクラ帳を持っていて、そこに友達と撮ったものを貼ってコレクションしていた。また、母は相手が誰であろうと構わず、どんどん声をかけて交換していたという。「またシールを買うの?」と呆れ顔で私に言う母だけれど、やっていることは今の私とあまり変わらない。むしろ、誰とでも交換していたという母の話を聞くと、私よりもずっと情熱的だったのではないかと思えてくる。

 集めることは人間にとって欲を満たして、幸せな気持ちにさしてくれるものである。母がかつて夢中になったプリクラも、今の私が大切にしているシールも、手に入れた瞬間の幸福感は共通しているのだと思う。私はこれからも、自分にとっての「宝物」を一つずつ積み上げ、心を満たしていきたい。