◆要約はOKです。 【社会問題の主題】は『固有名詞で管理されることは問題だ』という意見。
◆【原因1】『管理社会が進み個人が個人として尊重されなくなってきたためだ』。名前を覚えてもらえて、呼んでもらえるというのは嬉しいことです。固有名詞の良さはそこにあると思いますが、それが他との区別のための記号のような扱い(あつかい)になったり、所属名によって個性を決めつけられたりするのは(いや)ですね。名前を呼ぶ行為(こうい)に、信頼(しんらい)関係があることは、確かに大切なことです。
◆【原因2】『犯罪防止を名目として監視(かんし)を強化しようとする社会の風潮だ』。監視(かんし)化や情報化が進んだ現代では、息苦しさを感じることも増えていくでしょう。自分にまつわる固有名詞によって、管理や監視(かんし)が行われるのは、実際に可能な社会になったといえそうです。
◆『確かに固有名詞は大切だ』しかし「固有名詞は、管理のためのものではなく、個人の尊厳を確認するためのものだ」。【自作名言】も入れ、【社会問題の主題】に戻っ(もどっ)てしめくくれています。

       <<え2020/265jみ>>


あおにまさんの作文は、固有名詞という身近なテーマを通して、個人の尊厳や社会の監視(かんし)問題について深く考察している点が非常に優れています。
文章の構成が明確で、まず固有名詞の意味や役割を丁寧(ていねい)に説明し、その後に二つの原因を具体的に挙げて問題点を論じているため、読み手にわかりやすく伝わります。
特に、名札の例を用いて信頼(しんらい)関係の形成と管理社会の問題を対比させた部分は、具体的な体験を想起させる説得力のある説明で、読者の共感を呼びます。
また、防犯カメラの設置による監視(かんし)社会の問題点を挙げ、個人のプライバシーの重要性を訴える(うったえる)視点も現代的で社会問題への理解が深いことがうかがえます。
最後に「固有名詞は、管理のためのものではなく、個人の尊厳を確認するためのものだ」という結びは、主張を端的(たんてき)にまとめていて力強く、文章全体の締めくくり(しめくくり)として効果的です。
全体を通して論旨(ろんし)一貫(いっかん)しており、説得力のある論述ができています。

原因がよく書けています。
社会問題の主題がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
書き出しの結びがよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:949字/600字
思考点:85点
知識点:81点
表現点:76点
経験点:73点
総合点:84点
均衡(きんこう)点:5点

 


■思考語彙 23種 25個 (種類率92%) 85点
 確か,、他方,。しかし,あると,しまうと,しよう,するため,たため,たてば,だろう,できるから,ないから,のため,のちがい,はいえ,はもちろん,は第,られると,わかると,固有名詞こそ,嬉しく思う,見れば,覚えよう,

■知識語彙 63種 107個 (種類率59%) 81点
一方,不審,主張,人間,人類,以外,仲間,住人,保育園,信頼,個人,先生,原因,同士,名前,名札,名目,問題,固定,固有,固有名詞,地域,大切,学校,対立,尊厳,尊重,強化,彼女,意味,所属,担任,担当,挨拶,政治,教科,時間,特定,犯人,犯罪,生徒,生活,監視,相互,確認,磁場,社会,私的,管理,経験,緊張,背後,自分,言動,設置,近年,道具,邪魔,関係,防止,防犯,領有,風潮,

■表現語彙 105種 167個 (種類率63%) 76点
 確か,、他方,いや,きょう,こと,さまざま,するため,そう,それ,それぞれ,たため,たち,とき,ところ,どこ,のため,のちがい,もの,よう,カメラ,プライバシー,一,一つ,一方,上,下,不審,主張,二つ,人,人間,人類,以外,仲間,住人,保育園,信頼,個人,先生,功,原因,同士,名前,名札,名目,問題,固定,固有,固有名詞,地域,場,大切,姿,学校,対立,尊厳,尊重,山,強化,彼女,意味,所属,担任,担当,挨拶,政治,教科,時間,母,河,海,父,特定,犯人,犯罪,生徒,生活,監視,目配り,相互,確認,磁場,社会,私的,管理,経験,緊張,繋がり,背後,自分,親,言動,設置,誰,近年,遊び,道具,邪魔,関わり,関係,防止,防犯,領有,顔,風潮,

■経験語彙 36種 48個 (種類率75%) 73点
あらわす,かる,きわ立つ,くれる,させる,しまう,すべり込む,せる,たつ,つける,できる,はいえ,はじめる,ます,もつ,もらう,られる,れる,わかる,交わす,住む,作り出す,作る,分かれる,名づける,奏す,嬉しく思う,得る,思い知らせる,知る,示す,置く,至る,覚える,通う,進む,

■総合点 84点

■均衡点 5点
 

固有名詞が(感)
   高2 あおにま(aonima)  2026年5月1日

 固有名詞が、その固有の意味においてはっきりと姿をあらわすのは、かれ/彼女が、父と母だけでなく、きょうだいや遊び仲間をもち、あるいは保育園や学校のようなところに通って社会生活をはじめたときである。固有名詞こそは、人類が決して一つではなく、さまざまな名前――固有名詞をもって分かれ、それぞれが自分あるいは自分たちに対立するものであるということを思い知らせ、相互のちがいをいやが上にもきわ立たせ、それを固定させる道具である。自分は自分であって、それ以外のものではあり得ないと主張される自分は、他方ではどこかに所属している。人間の名前がその所属を示すように、山も河も海も、名づけられると同時に、その領有への主張が背後にすべり込む。こうして固有名詞は、たちまち緊張した政治の磁場を作り出すのである。固有名詞で管理されることは問題だ。原因は二つある。

 

 その原因は第一に、管理社会が進み個人が個人として尊重されなくなってきたためだ。生徒に名札をつけさせない学校でも、担任の先生はもちろん教科担当の先生も、時間がたてば名前を覚えてくれた、という経験があるだろう。自分の名前を覚えてもらったとわかると、嬉しく思い、親がます。しかし名札があると、そういう信頼関係を作るのにかえって邪魔になりそうだ。なぜなら、名札を見れば誰でもその人の名前をその場で知ることができるから、その人の名前を覚えようとしないからだ。

 

 またもう一つの原因は、犯罪防止を名目として監視を強化しようとする社会の風潮だ。地域を明るく住みやすいところにするには、住人同士が挨拶を交わし、不審な人や言動に目配りをするような、顔と顔の繋がりがある社会にすることだと言われているが、「目配り」が「監視」になってしまうと、個人のプライバシーが大切にされない息苦しい社会になってしまいます。近年、防犯カメラが至るところに設置されるようになり、それが犯罪防止や犯人の特定に功を奏している一方で、犯罪とは関わりのない個人の私的な生活も、監視下に置かれているとはいえないだろう。

 確かに固有名詞は大切だ。しかし固有名詞で管理されるのは問題だ。固有名詞は、管理のためのものではなく、個人の尊厳を確認するためのものだ。