蜩ちゃん、こんにちは。これほど抜群(ばつぐん)の高得点なのに、さらにバランス点で引かれてしまうとは、無念。テーマを深く理解して体験も考察も深く書くことができています。敵を想定するのは弱さですね。問題に直面したとき、うまい逃げ道(にげみち)が「いいわけ」だと思います。「○○のせいでこうなった」と、責任転嫁(てんか)することでぐっと気が楽になります。「いいわけ」も個人的には責任の擦り(こすり)付けであるものも、社会的にとらえると、裏切り者を探しという構図になります。
 部活動での反省会が改善案の取り組みになったというのはまさに好例です。強いチームですね。
 風通しをよくして健全になれということでは、「国王自身がその「敵」となっており、自分で墓穴を掘っ(ほっ)ているようなもの」という悪い例を見つけたのがいいね。これが、自作名言「敵を作ってしまう根本的な原因とは、外部からの悪意でも、内部からの不満でもなく、自分自身の姿勢にあるのだ。」につながるのですね。
<<えa/110み>>

 

蜩さんの作文は、集団の成り立ちや問題点を深く考察し、現代社会における課題とその解決策を具体的に示している点がとても優れています。
特に、「裏切者」と「犠牲(ぎせい)者」という言葉を使って集団の自己完結の構造を説明し、その問題点を指摘(してき)しているところは独自の視点が光っています。
また、失敗を他人の責任にせず自分の努力不足と捉え(とらえ)て改善に取り組むという方法を、自身の吹奏楽(すいそうがく)部での体験を通じて具体的に示しているため、説得力が増しています。
この体験実例は読者に強い印象を与え(あたえ)、文章全体の信頼(しんらい)性を高めています。
さらに、政治の例を挙げて情報公開の重要性を説明し、歴史的な革命の実例を通して組織の崩壊(ほうかい)の原因を論じている点も、論理の展開がしっかりしていて理解しやすいです。
最後に、「敵」を作らずに団結する必要性を主張し、その根本原因を自分自身の姿勢に求める結論は、読み手に考えさせる力強いメッセージとなっています。
全体を通して、論旨(ろんし)が明確で一貫(いっかん)しており、説得力のある文章に仕上がっています。

項目(こうもく)評価】
当為(とうい)の主題がよく書けています。
方法がよく書けています。
体験実例がよく書けています。
歴史実例がよく書けています。
書き出しの結びがよく書けています。

内容◎ 構成◎ 題材◎ 表現◎ 主題◎ 表記◎

字数/基準字数:1574字/600字
思考点:95点
知識点:102点
表現点:97点
経験点:71点
総合点:88点
均衡(きんこう)点:-2点

 


■思考語彙 27種 37個 (種類率73%) 95点
 確か, 第,。しかし,。例えば,いるかも,いるはず,くるはず,ことによって,この場合,しよう,するべき,すれば,そのため,たければ,だろう,ないため,なければ,なるべき,に考える,のため,の場合,は思う,ません,られるはず,作らざる,行けば,)しかし,

■知識語彙 93種 131個 (種類率71%) 102点
一切,不満,不足,中学,了承,今後,他人,個人,全体,公開,共通,内容,内部,出場,前述,努力,勝利,勝手,原因,参加,反省,合奏,君主,吹奏楽,団結,国家,国民,国王,地区,基礎,墓穴,増加,外部,大会,大抵,失敗,姿勢,学校,実力,実行,崩壊,必要,悪意,情報,成長,所属,批判,抗議,改善,政府,政治,方法,時代,暴動,最悪,朝練,来月,根本,機密,正直,歴史,殺到,毎週,民衆,決定,決断,消費,演奏,火曜日,爆発,状況,現在,理由,理解,生贄,発表,積極,納得,組織,経緯,結果,習慣,自分,自身,規模,説明,責任,途端,部分,部活,重要,集団,革命,

■表現語彙 153種 243個 (種類率63%) 97点
 確か,いつ,いるはず,くるはず,ここ,こと,この場合,これら,ごと,そこ,そのため,その後,それ,たち,ないため,のため,の場合,ぶり,もの,よう,られるはず,コミュニティ,コンクール,パート,メモ,ヨーロッパ,一つ,一切,不満,不足,中,中学,了承,事,二,今,今後,他人,代,会,例,個人,元,光,全体,八,公開,共通,内容,内部,出場,制,前述,割,努力,勝利,勝手,原因,参加,反省,取り組み,合奏,名,君主,吹奏楽,団結,国家,国民,国王,地区,基礎,場,墓穴,増加,外部,大会,大抵,失敗,好き,姿勢,学校,実力,実行,家,崩壊,年,必要,急,悪意,情報,成長,所属,批判,抗議,改善,政府,政治,敵,方,方法,日,時,時代,暴動,最悪,朝練,来月,根本,案,機密,次,止まり,正直,歴史,殺到,毎週,民衆,決定,決断,消費,演奏,火曜日,点,爆発,状況,現在,理由,理解,生贄,発表,的,県,私,税,積極,納得,組織,経緯,結果,練,習慣,自分,自身,規模,説明,責任,途端,部,部分,部活,重要,集団,革命,

■経験語彙 35種 50個 (種類率70%) 71点
おる,く,くださる,しまう,しれる,せる,できる,なれる,に考える,は思う,られる,れる,作る,出す,出る,占める,変える,変わる,始まる,守る,得る,捉える,捧げる,掘る,消える,知る,終わる,繋げる,至る,見える,起きる,足りる,逃れる,過ぎる,違う,

■総合点 88点

■均衡点 -2点
 

生贄による秩序
   高1 蜩(aeriya)  2026年5月2日

 一つの集団は、一人の裏切者と、一人の犠牲者を生み出すことによって完成される。つまりその時、集団は論理的に構成されるのである。言うまでもなく、集団が自己完結を目指すのは、集団が衰弱しはじめている証拠である。しかし、集団は常に、いつかは衰弱期を迎えるものであり、自己完結することを目指すのである。現に今でも「裏切者」と「犠牲者」によって自己完結を目指しつつある集団をたびたび目にする事ができる。一つの集団を律する原理は、新約時代からちっとも進歩していないのかもしれないのだ。私たちは、内部に敵を作らなくとも一つの目標に向けて協力できるようになるべきだ。

 そのための第一の方法として、失敗を他人の責任にして、責任を逃れることだけを考えるのではなく、自分の努力不足と捉えて、その後にどうするべきか積極的に考えることだ。いつまでも他人の批判をして、自分は成長しようとしなければ、その後も一切結果が変わらないだろう。しかし、自分の反省をして、今後に繋げて行けば光は見えてくるはずである。私は中学の時、吹奏楽部に所属していた。私の学校は、実力としては正直上手い方ではなく、コンクールでは大抵の場合地区大会止まりだった。私の部活の習慣として、演奏会や大会が終わった次の日は必ずその反省会をする。そこでは、全体と自分のパートの良かった点と反省点をパートごとに発表し、言いたければ、個人の反省もいう事ができる。今までこの場はただ反省してそれをメモする場に過ぎなかった。しかし私の代から、この場で出た反省を元に改善案を出し、それを実際に実行する取り組みが始まった。例えば、私の部活では基礎練が足りないため、毎週火曜日に必ず朝練に出て、基礎合奏に参加知るようにした。このような努力の結果、私たちの代で八年ぶりにコンクールで県大会に出場することができた。このように、失敗を他人の責任にして、責任を逃れるのではなく、自分の努力不足と捉えて、その後にどうするべきか積極的に考えることだ。

 第二の方法として、コミュニティの中で、内容をきちんと公開することだ。例えば、政治家が急に「来月から消費税を二割に増加させます。理由は国家機密のため公開できません。ご了承ください。」と言われて、納得する国民がいるだろうか。いるはずないと私は思う。恐らく、批判や抗議が殺到し、最悪の場合暴動が起きるだろう。そのため、政府はいつでも情報を公開し、「現在こういう状況であり、このような経緯でこの決断に至った」と説明する必要がある。そうすれば、少しは国民の理解も得られるはずだ。(前述の例では規模は違えど、暴動は起きるだろうが。)しかし、これらが守られなかった時代というものがある。例えばヨーロッパでは、君主制で国王があまりにも好き勝手をし過ぎたのが原因で民衆の不満が爆発し革命が起きていた。一つの敵を作ることで集団が団結する事があるが、この場合、国王自身がその「敵」となっており、自分で墓穴を掘っているようなものだ。このように組織が内部から崩壊しないためには決定した内容を公開することが重要である。

 確かに、組織の中で共通の「敵」を作ることによって、変えられてきた歴史が多くある。いや、そのような歴史が大部分を占めているかもしれない。私たちは、「敵」という名の「生贄」を捧げて、勝利することになれってしまっている。しかし、「生贄」を作って団結した組織というものは、それが消えた途端に崩壊するものである。このような事にならないためには、「敵」を作らずとも団結する必要がある。敵を作ってしまう根本的な原因とは、外部からの悪意でも、内部からの不満でもなく、自分自身の姿勢にあるのだ。ここから、私たちは共通の「敵」を作る事なく、団結できるようになるべきだ。