<<え2009/234み>>

【総評】
 この作文の一番よいところは、「したいからする」という生き方について、自分自身の経験と社会的な実例の両方から深く考えているところです。特に高校受験という身近な課題を通して、自分の感情や願いを見つめ直している点に強い説得力があります。単に課題文の内容を説明するのではなく、自分の生き方の問題として考え抜こ(かんがえぬこ)うとする姿勢が伝わってくる意見文でした。

【段落ごとの講評】
第1段落:課題文の内容を整理したうえで、「必要性よりも、自分の内側の衝動(しょうどう)を大切にしていきたい」という自分の主題を明確に示せています。要約から自然に自分の問題意識へつなげており、これからの論述の方向性が分かりやすく示されています。

第2段落:第一の方法として、自分の感情や衝動(しょうどう)を観察することの重要性を、高校受験という身近な体験を用いて具体的に説明できています。特に、偏差(へんさ)値や周囲の期待ではなく、自分の夢や興味から志望校を考える過程が丁寧(ていねい)描か(えがか)れており、「ニーズ」と「ウォント」の違い(ちがい)を自分事として考えられている点が優れています。

第3段落:第二の方法として、「行動すること」の大切さを述べ、その実例として宮崎(みやざき)駿を取り上げている点が効果的です。理想を追求する姿勢と創造性との関係を具体的に示しており、自分の主張を社会的な実例によって補強できています。歴史上・社会上の人物の実例を活用することで、論の広がりも生まれています。

第4段落:反対の立場にも触れ(ふれ)ながら、自分の考えを改めてまとめている構成がよくできています。「自分に正直に生きるということは、最も望ましい生き方である」という言葉を引用し、自らの主題を印象的に締めくくる(しめくくる)ことができました。冒頭(ぼうとう)で示した「したいからする」という考えに立ち返りながら結論をまとめているため、文章全体に一貫(いっかん)性が生まれています。

【考えを深めるための質問】
 「したい」という気持ちと、「今やるべきこと」がぶつかる場面では、あなたはどのような基準で優先順位を決めるのがよいと思いますか。両方を大切にする方法について考えると、さらに生き方への考察が深まりそうですね。

字数/基準字数:1524字/600字
思考点:72点
知識点:89点
表現点:82点
経験点:82点
総合点:85点
均衡(きんこう)点:4点

 


■思考語彙 18種 27個 (種類率67%) 72点
 確か,、第,。しかし,せざる,そう思う,そのため,たいから,だから,と思う,と考える,なければ,はもちろん,は考える,まず考える,みると,を考える,時こそ,自分らしい,

■知識語彙 74種 123個 (種類率60%) 89点
丁寧,不安,世界,世界中,中学,人物,人生,仕事,作品,偏差,優先,具体,内側,利益,制作,労力,効率,勉強,原動力,受験,名言,周囲,大切,大量,失敗,妥協,学校,学費,宮崎,将来,年生,当時,必要,志望校,情熱,意欲,感情,教育,方向,方法,日本,時間,最終,期待,校風,業界,欲求,正直,現在,理想,理由,環境,生活,生産,監督,目標,直面,結果,緻密,自分,自身,興味,航空,行動,衝動,表現,観察,観点,評価,追求,部活,重視,雰囲気,高校,

■表現語彙 120種 205個 (種類率59%) 82点
 確か,こと,さまざま,そのため,それ,それら,づくり,とき,もの,よう,アニメ,アニメーション,バレー,一,丁寧,上,不安,世界,世界中,中学,二,人,人物,人生,今,仕事,作品,例,値,偏差,優先,元,具体,内,内側,利益,制作,労力,効率,勉強,化,原動力,受験,名言,周り,周囲,壁,多く,夢,大切,大量,失敗,妥協,学校,学費,宮崎,将来,年生,当時,彼,心,必要,志望校,思い,性,情熱,想い,意欲,感情,手描き,教育,方向,方法,日本,時,時間,最終,期待,校風,業界,欲求,正直,歩,気,気持ち,熱,現在,理想,理由,環境,生き方,生活,生産,的,監督,目標,直面,私,結果,緻密,自分,自身,興味,航空,行動,衝動,表現,観,観察,観点,評価,話,追求,選び,部,部活,重視,雰囲気,駿,高校,

■経験語彙 42種 59個 (種類率71%) 82点
こえる,こだわる,そう思う,つながる,できる,と思う,と考える,は考える,まず考える,やる,られる,れる,を考える,上がる,入る,出る,動かす,動く,合う,変える,学ぶ,持つ,挙げる,描く,歩む,決める,流す,湧く,生きる,生まれる,知る,移す,続ける,育つ,見つめる,見極める,調べる,踏み出す,送る,選ぶ,関わる,高まる,

■総合点 85点

■均衡点 4点
 

創造には情念の力がいる
   中3 あえもま(aemoma)  2026年5月3日

 「必要」という言葉の表現としては英語には「ニーズ」と「ウォント」がある。「ニーズ」は理性による判断から生まれるものであるのに対し、「ウォント」はうちなる欲望から生まれるものである。新しいものを生み出す、創造するためには、飛躍というものが必要であり、この飛躍の原動力が「ウォント」である。私は、必要性よりも、自分の内側の衝動を大切にしていきたい。そのためには、どうすればよいのだろうか。二つの方法が考えられる。

 そのための方法としては第一に、自分の感情、衝動を観察する時間を持ち、目標を立てることだ。多くの人は、学校・仕事・世間の期待の中で「〜すべき」に慣れてしまっている。その状態では本当にやりたいことの声が埋もれてしまう。だから、自分を丁寧に観察することが大切なのだ。例として、現在私が直面している高校受験の話が挙げられる。中学3年生である私は、高校受験という大きな壁をこえなければならない。高校受験においてまず考えなければならないことはもちろん高校選びである。高校を選ぶときにはさまざまな観点から見て最終的に自分に合った高校を選ぶことが多い。具体的には、校風、学費、偏差値、教育目標など、多くの観点がある。しかし、高校を選ぶ上で私はもっと大きな理由があると思う。それは、ただ偏差値や周囲の期待だけで志望校を決めるのではなく、自分がどのような高校生活を送りたいのか、どのような環境で学びたいのかを考えることだと思う。実際に、自分の興味のある部活や学校の雰囲気、将来の夢についての自分の想いや感情を観察してみる。私は将来航空に関する仕事に関わりたいと思っていることや、バレー部のある部活に入りたいな、などといった思いが出てきた。それらを元に高校について調べてみると、「この高校に行きたい」という気持ちが強くなり、勉強への意欲もさらに高まった。このように、自分の心が動く方向を見つめることで、「必要だからする」のではなく、「したいからする」という気持ちを原動力にできると考える。

 また、第二の方法としては、小さくても自分の欲求を実際に行動へ変えることだ。情熱というものは考えているだけでは育たない。実際に動いた時こそ、さらに熱が強くなるのだ。自分の「したい」という気持ちを持っていても、失敗への不安や周りの評価を気にして行動できない人は多く、私自身もそう思っている。しかし、実際に一歩踏み出すことで、自分の思いはより強い原動力になると考える。その例として、アニメーション監督である宮崎駿が挙げられる。宮崎駿は、効率や利益だけを優先するのではなく、自分が本当に描きたい作品を追求し続けた人物として知られている。当時のアニメ業界では、大量生産や効率化が重視されることも多かったが、彼は緻密な手描き表現や世界観づくりに強くこだわった。そのため、制作には長い時間と大きな労力が必要だったが、自分の理想を妥協せずに行動へ移した結果、多くの人の心を動かす作品が生まれた。そして、スタジオジブリの作品は日本だけでなく世界中で高く評価されている。このことからも、自分の内なる「したい」という思いを実際の行動に変えることが、自分らしい生き方につながるのだ。

 確かに今やらなければならないことを見極めることも大切だ。しかし「自分に正直に生きるということは、最も望ましい生き方である」という名言もあるように、私は周囲の期待や必要性に流されるのではなく、自分の内側から湧き上がる「したい」という気持ちを大切にして生きていきたい。そして、自分の感情や衝動を見つめ、実際に行動することで、自分らしい人生を歩むことができると思う。