話し上手の人がいます
中1 あけやの(akeyano)
2026年5月4日
話し上手と呼ばれる人は、意識して、あるいは無意識のうちに、うまく「間」を取り入れている。適宜、風吹かせながらの饒舌であれば、聞き逃されることも少なく、風の間に相手が連想し想像し、思考する余裕を与えておいて、さらにたたみかけるのも良いでしょう。風も通さない饒舌は、聞いてる方も苦しくなり、終わったときには、さて、何を聞いたのかということにもなりかねません。荻須高徳のパリの風景画で、忘れられない油彩がある。空も建物も道もうす暗いパリの街角。ただ一点、遠景の塔らしきものに朱が入っていて、そこに向かって画面が収斂されていく。私たちは、間を生かし、それにあった内容を備えることを意識したいものだ。
一つ目の理由として、間をとらないと、説得力が減るからだ。母のお小言でも、一方的に話されるより、質問や、間をとられる方がより一層説得力が増す。私の場合、一方的に話されると「馬耳東風」ということわざがあるように、心に留めず、母の言葉が耳の中を通り抜けていってしまう。しかし、質問や間合いをとられる場合は、注意して聞いていないと答えられないため、一語一句聞き逃さないように耳を傾けることになる。こうすることで、記憶に留めることができる。また、なんで悪いのかをずっと話されるよりも、質問される方が、何が悪かったかを自分で理解することができ、説得力が増す。
第二の理由として、緩めるところがないと、力が存分に発揮されないからだ。音楽でも、緩むところや、音の弱い場所があるからこそ、盛り上がりが生まれ、その曲の力が最大限に引き出される。何楽章かある曲でも、同じテーマの楽章は一個もない。私の好きな曲はブラームス作曲のコンチェルトだ。オーケストラで演奏される。この曲も早いところやゆったりとしたところ、暗い場所や明るい場面など、様々な曲調があって、その曲の良さが存分に発揮されている。
確かに、自分の考えをもれなく伝えることは大切だ。また、誤解のないように正確に伝えることも重要である。しかし、間がなければ意図がかえって伝わらないこともある。「時間を作る大地の方法は、急ぐことではなく、どこに時間を使うか考えることである」という名言があるように「間」を生かして、さらに、内容を向上させていくことを心がけることが大切だ。