進級試験合格です。

<<え2005/54み>>

【総評】
 一つの情報をそのまま受け入れず、多面的に考えようとする思考の深さが感じられます。現代社会にあふれる情報の危うさを見つめながら、「真実に近づくにはどうすればよいか」という問いを一貫(いっかん)して追究しており、主体的な生き方につながる主張になっています。身近な調査経験から国際問題まで視野を広げて論じている点にも、知的な探究心が感じられます。

【段落ごとの講評】
第1段落:課題文の内容を的確に整理しながら、「情報を鵜呑みにしない人間になりたい」という生き方の主題を明確に示せています。テレビ映像を「全体像から切り取られた真実の一面」と捉える(とらえる)視点は鋭く(するどく)、これから展開される議論の方向性がよく伝わる導入になっています。

第2段落:第一の方法として、「まず疑うこと」の重要性を具体的な国際情勢を用いて説明できています。ロシアとウクライナの戦争を例に挙げ、それぞれの立場によって語られる内容が異なることを示したことで、情報が発信者によって変化するという主張に説得力を与え(あたえ)ています。生き方の主題と実例がしっかり結び付いています。

第3段落:第二の方法として、「自分自身の考えを持つこと」の大切さを、自ら調べた経験を通して論じている点が優れています。環境(かんきょう)問題について複数の情報源を比較(ひかく)し、一面的な見方では実態を捉え(とらえ)られないことに気づいた経験は具体性があり、主体的な情報収集の価値をよく伝えています。自分の体験を根拠(こんきょ)にしているため、文章に強い説得力が生まれています。

第4段落:「すべてを疑うことは現実的ではない」という視点を認めた上で、ラッセルの言葉を引用し、「根拠(こんきょ)を確かめて自分で判断すること」が大切だと結論づけている構成が見事です。単なる不信ではなく、慎重(しんちょう)な検討を通して真実を見極めるという考え方にまで発展させており、生き方の主題がよく深められています。

【考えを深めるための質問】
 情報を受け取るときに「まず疑うこと」と「まず信じること」は対立する考えのようにも見えますが、あなたはどのような場面なら人を信頼(しんらい)し、どのような場面なら特に慎重(しんちょう)に検討するべきだと考えますか。

字数/基準字数:1232字/600字
思考点:82点
知識点:87点
表現点:85点
経験点:85点
総合点:93点
均衡(きんこう)点:8点

 


■思考語彙 22種 23個 (種類率96%) 82点
 しかし,、確か,。だから,。だからこそ,。例えば,あるため,いるため,ことによって,するため,せざる,そのため,だから,だろう,つながるため,といえ,みると,よると,信じると,偏る可能,得まい,情報ので,NATOによって,

■知識語彙 72種 117個 (種類率62%) 87点
世界,中国,主体,事実,人間,住民,作戦,全体,内容,判断,効果,収集,否定,周囲,問題,地域,報道,場面,変化,大切,大気,大量,妥協,季節,学校,安全,必要,情報,意見,慎重,戦争,批判,抑圧,支援,改善,映像,時代,東部,根拠,検討,機会,汚染,無条件,特徴,現在,理解,環境,発信,発達,真実,知識,確認,精神,納得,素直,総合,自体,自分,自身,蓋然性,見方,解放,言葉,説明,課題,遮断,部分,都市,重要,錯綜,露出,音声,

■表現語彙 126種 216個 (種類率58%) 85点
、確か,あるため,いるため,きり,こと,これ,ころ,ごと,すべて,するため,そのため,それ,それら,つながるため,とき,ところ,どころ,むやみ,もと,もの,よう,アメリカ,インド,ウクライナ,カラー,スモッグ,テレビ,ロシア,一,一つ,世界,中国,主体,事実,人々,人間,付き,住民,作戦,偏る可能,側,像,全体,内容,判断,効果,収集,否定,周囲,問題,地域,報道,場面,変化,多く,大切,大気,大量,妥協,始まり,季節,学校,安全,差,彼ら,必要,性,情報,意見,慎重,戦,戦争,所,批判,抑圧,支援,改善,映像,時,時代,東部,根拠,検討,様々,機会,汚染,無条件,特徴,現在,理解,環境,発信,発達,的,目,真実,知識,確認,私,精神,系,納得,素直,総合,考え,自体,自分,自身,蓋然性,見方,解放,言葉,説明,課題,遮断,部分,都市,重要,錯綜,間,陰,露出,面,音声,鵜呑み,NATO,

■経験語彙 44種 63個 (種類率70%) 85点
うたがう,おおう,くらます,しまう,せる,つながる,できる,といえ,よる,られる,れる,伝える,伴う,信じる,偏る,入る,分かる,切り取る,取り組む,受ける,変わる,得る,惑わす,持つ,求める,流す,流れる,狙う,疑う,確かめる,終わる,脅かす,蓄える,行き交う,見える,見受ける,見極める,調べる,起こる,踊る,近づく,過ぎる,違う,隠す,

■総合点 93点

■均衡点 8点
 

物事の多面性
   中3 あおらえ(aorae)  2026年6月1日

  テレビで見える映像は一部分にすぎない。明るい部分は同時進行形、カラーの映像や音声付きで大量に流れてくるが、それらの情報はその陰にある真実を隠す目くらましの効果を狙うものだ。情報戦は情報を遮断するのではなく、どんどん流すところに特徴がある。特にテレビは目に見える部分の情報を伝えることになりやすい。見えている部分と見えない部分とを総合的に判断することによって真実に近づくことができるといえる。また、テレビの発達した時代におけるテレビの映像は全体像から切り取られた真実の一面に過ぎないことも多いが、それでも納得してしまう。テレビに露出される機会を求めている時代だからこれは多くの場面で見受けられる。情報を鵜呑みにしない人間になりたい。

 疑うことは重要だ。目に入るものをそのまま素直に信じると情報に踊らされることになる。例えばロシアとウクライナの間で起こっている戦争において、アメリカなどウクライナを支援している側から発信される情報はもっぱらロシアを批判する内容だが、ロシア側だとそれがウクライナを批判する内容へと変わる。ウクライナ側がウクライナ東部のロシア系住民を抑圧しているため、彼らを解放するための作戦だと説明している。また、NATOによって安全が脅かされるもしている。このように、世界では様々な違う情報が行き交い、錯綜している。そのため、ある事実に対する報道が地域ごとに変化し、偏る可能性もあるため、まず情報を疑うということが大切である。

 自分自身の考えを持ち、根拠や情報のでどころを確かめることも大切である。事実が一つだとしても見方は数多くあり、それに伴う人々が信じる真実も多い。だから、周囲に惑わされないようにする必要がある。あるとき、私が学校の課題として環境問題について調べていた時、インドの大気汚染がすさまじいという意見を目にした。それによると、都市がスモッグでおおわれているとされ、批判されていたが、実際に確認してみるとそれには地域差や季節差があり、現在はおなじような環境だった所からだいぶ改善させた中国の支援を受けてこの問題に取り組んでいると分かった。このように、一つの情報や意見だけでは偏った考えを持つことにつながるため、自分の考えをもとに、情報を収集することが大切だ。

 しかし、確かにむやみやたらにすべての情報をうたがっていたのならきりがないし、確かめていたのなら確認が終わるころには情報自体が古くなっているだろう。そのため、情報はある程度の蓋然性の判断で妥協せざるを得まい、だが、「批判的精神は知識の始まりであり、終わりではない」というバートランド・ラッセルの言葉もあるように、得た情報を慎重に検討しながら蓄えることが重要である。情報を鵜呑みにしないことは、無条件に否定するのではなく根拠を確かめて理解し、自分で判断することだ。だからこそ、主体的に判断できるような真実を見極めることが大切だ。