集めているもの
中1 あけさわ(akesawa)
2026年5月4日
「これで全巻そろった!」集めていたシリーズ物が本棚にずらりと勢ぞろいした様は整然だ。私が集めているものは小説だ。
私は学童に小学二年生のころ通っていた。例えば、公園に行くとなったら、周りは仲良く一緒に遊んでいるのに私は1人でいることが多かった。つまり、複数の人と共に過ごすのが苦手だった。そんなは私にも救いが現れた。学童にある本棚には児童用の小説が所狭しと並んでいた。その中には今の私の読書好きのきっかけになる本があった。本は卒業生に寄贈されたものだったため、シリーズの途中のものもあった。読んでいる時は幸福で満たされているような気分だった。どうしてもその続きが気になり自分で集めてみることにした。お年玉やクリスマスプレゼント、誕生日で集めていった結果、ついに全巻集めることができた。この時の高揚感と達成感は何とも言い難いものだった。
最近はお母さんが読んでいる本と筆者が同じ作品も読み始めた。お母さんと何かを共有できるのもうれしいと気付いた。
そのほかにも私とお母さんが一緒に夢中になっているものがある。それは少女漫画だ。とくに「ときめきトゥナイト」という作品だ。この作品はお母さんが子供のころ一度完結したものの、近頃「ときめきトゥナイトそれから」という続編が公開されている。去年は雑誌「りぼん」の70周年記念で過去りぼんに連載していた作家さんのサイン会があり「ときめきトゥナイト」の作者である池野恋先生の名前もあった。もちろん応募した。結果は当選だった。お母さんと私は地に足がつかないほど喜び、意気揚々と池野先生への手紙を書き始めた。
サイン会当日、会場である渋谷の駅前の建物の中は「りぼん」のファンであふれていた。特別展示やグッズの販売もあった。私と同い年ぐらいの子からからお母さんと同世代の人までという幅広い年齢層から、「りぼん」が長年続く理由が分かった。いよいよ池野先生とご対面という時、心臓の鼓動はバクバクと速まっているのを感じた。緊張してうまく話せなかった私の代わりにお母さんが受け答えをしてくれた。終わったあとはあこがれの作家さんからサインをもらえたという事実に感極まっていた。
その数か月後またも驚くべきことが起きた。池野先生がお返事をくださったのだ。じつはサイン会で渡した手紙の中には住所とお返事をいただけると幸いですと書いていた。今は連載中ということもあり忙しいので本当にもらえるとは思っていなかっただけに感謝の気持ちでいっぱいになった。封筒の中には返事をもらえるようにと入れておいたはがきと、池野先生が用意してくださった手紙も入っていた。これらは今後も大切にするだろう。
私にとってものを集めるとは自分の興味や関心、知識の幅を広げられるために必要な作業である。知ろうとしていない情報も入ってくることで刺激を受けて限界突破にもつながる。テレビも共通しているところはある。視野を広くバランスを取るために必要だからである。
さらに、すでに亡くなっている方、使っている言語の違う方、性別の違う方、宗教、民族の違う方など、さまざまな要素を持っている方々が楽しめる唯一無二のである。ものを集めるということは好きという気持ちを証明するものだ。