自立

   高2 あうては(auteha)  2026年6月4日

 成人してからもなかなか親元を離れず、自立して生活できない人がいるのは問題だ。

 第一の原因は、日本の家庭が昔と比べて裕福になっていることだ。第二次世界大戦後の好景気を経て、日本が経済大国になる前は、農村部を中心に庶民の暮らしは日々食べていくのが精一杯といった状況だった。そのため、子供たちは今で言う義務教育の年齢から働き始め、家族のために食い扶持を稼いだり、田畑を耕していたりした。生活に困窮したために軍に入隊した者も少なくなかったと言う。生活するために子供たちには率先して働き、自分自身の生きる力を身につけることが求められたのだ。しかし現代では自分が働かずに遊んでいたとしても親の収入のみで十分食べていけるため、経済的な必要性から独り立ちを強いられることが減っている。

 第二の原因は生き方に対する考え方が社会的に変化しているからだ。昔であったならば個人の恋愛よりも家の存続や身を固めることが重視され、見合い結婚が一般的であった。結婚して自分の家庭を持って一人前とされる社会的プレッシャーが存在していた。しかし現代では運命の人に出会わなければ結婚をしなくてもいいと言う考え方で生涯独身の人も一定数存在し、社会の中で一般的になっているため気軽に独身を選びやすくなっている。そしてこれは私の主観であるが、独身で自立した生活を営んでいる人は存在しても、結婚してなお親に完全に依存した生活を送っている人はほとんどいないように思われる。これは結婚をするのは経済的に独立してから、という流れが社会的に深く意識されているからだろう。健全な人生のためには働き、自立し、結婚するという流れに個々人は沿わなければならないという社会からのプレッシャーが、今では価値観や社会構造の変化から薄くなっている。

 確かに自分の人生をどう生きるかは自分自身で自由に選択できるべきだ。幸い現代は四民平等なので生きる選択肢は無限にある。結婚する相手や就く職業を他人から押し付けられるべきではない。しかし、いつまでも親に経済的、精神的に頼り、依存しているようでは人間としての成長は望めない。自分で努力して地位を勝ち取り、人生を切り拓いていく方が一時的に辛いことはあっても最終的に得られる充足感、達成感は比較にならない。下り坂をただ下るのは楽であるが何も残らない。上り坂を上る人のみが新しい景色を見ることができる。他人に甘え、他人に生かされるのではなく自分自身の力で生きていくことは大切だ。そして日本全体にとっても自立している人が増えるのはアドバンテージとなる。