幸福のつかみかた

   高3 うた(aimee)  2026年6月4日

 私たちは常に呼吸や消化などを通して環境世界と関わっている、つまり外界との交わりとしての存在様式をとっている。しかし今日では、私たちは個体であることの想像を一番にするため、根源にある交わりを認識し、理解することが次第にできなくなっている。これは、人との間の関係にも、環境と人類の関係にも言えることである。我々が外界との交わりを考えずに、個人の利益、そして人類の利益を優先しようとすることは問題となる。

 

 「個人」の利益の過度な追求を防ぐための対策として、社会における助け合いの場を増やすことが挙げられる。周りとの関係を再認識し、他者に頼っても良いのだという感覚、そして他人の助けになれたという気持ちが、自己中心的な考えを変えていく。例えば、助け合いの例として、子育てにおける共助をあげよう。日本の出生数の減少は前々から懸念されていることであるが、改善されているどころかむしろ悪化している。政府が子育て支援において、金銭関連のものが目立つのは要因の一つだ。私たちは人と人との関わりを重要視しなければならない。都内のマンションに住んでいると、どうしても住人との関係が希薄になってしまう。しかし、すでに子どもが独立している人は全体的に余裕があり、かつ子育ての経験者であるゆえにその難しさ、孤独さがわかるだろう。そのような人々がもっと若者の助けになるような仕組みを作っていくべきである。例えば、マンション内での取り組みとして、ドアに「相談可」「いつでも頼ってください」などの表示をするなどの仕組みを提案したい。このような助け合いにより人との関わりが増えることによって、社会という大きな枠組みでの利益を考える機会が増えるのだ。

 次に、我々が「人類」の利益を優先してしまうことを防ぐ対策として、環境教育や自然体験の機会を増やすことが大切だ。食品ロスは、私たちが自身の都合を優先していることが伺える例である。スーパーの棚に並ぶ、少し形が悪いだけの野菜や、賞味期限が近いというだけで廃棄される食品。そして家庭内において、買いすぎて余らせる、作りすぎて捨てるといった食品ロスは、「安かったから」「気分が変わったから」という個人の都合を優先していることが顕著に表れている。この意識から変えていくことが肝心である。畑仕事をしたことのない子どもが増えている現代において、農作業体験を推進することは、食品ロスに対しての意識変革となる。自分で作ったものを自分で食べる。この体験により、食べ物を簡単に廃棄するという思想から離れることができるだろう。また、早いうちから今の環境問題を考える機会を設けることも有効である。

 確かに、自身の幸福がなければ全体を見る余裕が生まれない。しかし、個人同士または人類と環境いう二つの文脈から考えても、なにか一つの利益を求めることは、全体の幸福につながらない。外界との交わりが感じられにくくなってきた今、個人の利益、人類の利益を追い求めることだけを考えることはとても危険である。幸せは一人で掴むものではなく、全体として掴むものなのだ。