真の成長

   高2 あえたき(aetaki)  2026年6月4日

 現代社会を見てみると、親元を離れる時期になっても離れずに親から独立できない、いわゆる「ニート」と言われるような人が増えている。このような親から自立のできない「栄養成長」状態の若者が増えていることは問題である。

 第一の原因として、一人の子供にたくさんの大人が手をかけるようになったからだろう。昔は、子供が五、六人いるというのは珍しくなかっただろうが、日本の二〇二五年の合計特殊出生率一・一四である。五、六人の子供を抱えていれば、それぞれの子供の世話をする時間も分散し、親元を離れなければならない年齢も早まるだろう。しかし、子供が減れば、子供それぞれに世話をかけることのできる時間も増え、子供にあらゆることを親が手取り足取り教えたり、様々な習い事に通わせたり、一人の子供にかける教育や愛情が増える。こう書くと、全く悪いことのようには思えないが、親が子供に干渉しすぎると子供は社会に出た時どうやって動けば良いのかわからず、親に頼らないと何も動けない人になってしまう。これは、親にのみ言えることではない。現代の子供は、親だけでなく父方の祖父母、母方の祖父母、それぞれの叔父、叔母など、様々な人に手をかけてもらっている。子供が五人いる家と、二人いる家では、親戚があげようと思うお年玉の値段も変わってくるだろう。このように、一人の子供にたくさんの大人が手をかけるようになったことは問題の原因の一つと言える。

 第二の原因として、機械の発達によって自らの頭で考えようとする自主性が失われたことである。現代社会では様々な機会が発達し、自分たちで考えずともボタン一つで色々なことができるようになった。特にAIの発達はその筆頭に当たると思う。高校の保健の授業では毎回授業でやるページのところを班に分かれて、自分たちで十分ほどでスライドにまとめて、発表するという進行方向だった。10分という短い時間の中でスライドを完成させなければならなかったため、自分たちで要約などを行なっている暇はない。ChatGPTに教科書の写真を送り、要約してもらい、図や表はインターネットから適当に持ってきて、発表時には、ChatGPTの文章を読み上げるというのをいつも繰り返していた。初めの方は抵抗があったが、それにもなれて、次第に自分でやろうという意欲も薄れた。しかし、この勉強方法、テスト前に勉強しようとして、教科書を開くと何も覚えていないのだ。AIを上手く活用し、主体的に利用している人もいるだろうが、多くの人が私のようになってしまっているだろう。このように、自らの頭で考えず機械に任せると、自分でやろうという自主性が薄れる。これは、問題の原因の一つと言っていいだろう。

 確かに、様々な大人の援助を得て成長しなければならない時期もある。しかし、この状態が続き、自立しなければならない時期に親に頼り切ってしまうのはどうだろうか。「成長とは“できるようになる”ことではなく、自分で“考えられる”ようになることである」という名言のように、他者に頼り切って自分の頭で考える力を失ってしまえば、それこそ「栄養成長」状態の人間になる。現代社会で生きていくためには自らで主体的に行動し考えることのできる「成熟成長」の人間にならなければならない。現代の、「栄養成長」状態の若者が増えているのは問題である。私は、自らの頭で自分が目標のために今何をすべきか、自分が他者にできることは何か、そういったことを考えて自分で自らの生活を切り開いていけるような人になりたい。