落ちてきたら (感)

   中3 あえとみ(aetomi)  2026年6月4日

 「落ちてきたら」の詩のすばらしさは「美しい願いごとのように」という比喩にある。また、「月とすっぽん」ということわざにも、「月」や「すっぽん」といった遠いものを結びつけることで印象付けられる。このように、比喩を日常会話でも効果的に使うと、表現がいきいきとしてくる。比喩は詩歌で古来重要な働きをしてきた。また、表現に限らず、技術を伝授する際にも比喩が大きな働きをすることもある。だからこそ、比喩の効果を日常生活に活かすと良いと思う。

 第1の理由は比喩表現を活かせば、表現が豊かになるからだ。私は中学校に入学して初めて、本格的に比喩表現を学んだ。小学生のころは、比喩表現を探すという授業があっても、それらが何の技法なのか、読み手にどのような効果をもたらすのかという点までは触れず、簡単に学ぶというだけだった。しかし、中学に入って授業で学ぶうちに、豊富な比喩の種類やそれらを駆使することで得られる効果など、比喩表現の本質的な部分を知れ、知識を拡げられた。これらを学ぶ過程で、授業で扱ったのは谷川俊太郎さんの「朝のリレー」という詩である。この詩は直喩、対句、倒置法などの比喩からなり、「世界中の人々は、見えないところでつながっている」というメッセージが込められている。この詩を学んで、比喩表現が果たす役割について考えたところ、相手を印象付けられる点だけでなく、詩の主題や主張を文全体でやわらかく包み込むような形でまとめられる点ではないかと思った。また、このような役割は詩作だけに限らず、プレゼンテーションにも活かせる。現代のプレゼンテーションで求められる能力は「正確な情報を用いて説明するのに加えて、いかに相手の興味を引き付けられるか」である。こんな時に、比喩表現を使ってみてはどうだろうか。日頃から積極的に比喩表現を活用すれば、創造性や感受性が育ち、将来的な自分自身の強みにできるだろう。

 第2の理由は比喩を用いると、相手との意思疎通が円滑になるからだ。意思疎通をする場面においては、自分の感情をわかりやすく伝えることが、よりよい会話をするカギとなる。そんなときに、比喩表現が役立つ。例えば、学校行事などで全校生徒の前で発表するといった気が張るような状況を比喩表現で言い表すなら、なんと言ったらよいだろうか。単に言うのであれば、「とても緊張する。」になるだろう。しかし、比喩を取り入れると「心臓が飛び出しそうなくらい緊張する。」や「心臓の鼓動が耳に響く。」などと表せる。このたった数文字の違いで相手に与える印象も大きく変えられるのだ。実際に、ピアノの発表会で自分の出番がくるまで緊張しながら待っていたとき、声をかけてくれた友達とお互い、「心臓が飛び出そう。」などというような会話をした。この会話で緊張感が少し和らぎ、リラックスできた。また、相手の心情をより知れる機会となり、会話がはずんだ。このように、比喩表現は会話の潤滑油として役立てられると思う。

 確かに正確な表現で確実に伝える能力は重要だ。しかし、「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである」という名言があるように、単なる理論や数値化されたデータに目を向けるだけでなく、比喩表現の曖昧さから良さを見出し、多様なイメージを想像したり活用したりするのも、意義のあるものなのではないだろうか。また、それらは潤いのある人間関係やスムーズな意思疎通を図ることにも必要だといえる。だから、私は比喩の効果を日常生活に活かすのは良いと思う。