急がば回れ
中3 あおらえ(aorae)
2026年7月1日
イソップ童話に「うさぎとかめ」という話がある。ある日、うさぎとかめが競争をすることとなる。うさぎは自分の力を過信してしまい、途中で居眠りをする最中にかめに追い抜かされ、そのまま負けてしまう。確かにかめは遅いが、着実に歩くことが大切だという見方や、うさぎのように傲慢な態度をとると悪い影響がでるという見方がある。しかし、どちらがよいかといわれると人によって分かれる。また、どちらのような手段をとるかというのも、それを行使する対象によって異なる。例えば一息に仕上げたほうが良い場合もあるし、ひとつひとつ堅実に積み上げていくほうが良い場合もある。私は後者の、つまりカメのような、堅実で傲慢にならないような生き方をしたい。
第一の方法として、目先の物事に囚われないということがある。三匹の子豚というイギリスのおとぎ話がある。自立した子豚の三兄弟はそれぞれ家を建てることになる。一番目の子豚は藁で家を建てるが、通りすがりの狼に見つかり吹き飛ばされ、食べられてしまう。二番目の子豚は木造の家を建てるが、これもまた同じような運命をたどる。そして三番目の子豚は煉瓦で家をたて、狼との知恵比べの末に煙突から忍び込もうとした狼を鍋いっぱいの熱湯にいれ料理してしまう。この物語から得られる教訓は、物を行うときに手早く仕上げるよりも時間や手間をかけたほうがいざというときに役立ち、大きな結果を残せるということだ。目先の物事に囚われて小さな利益を得るよりも、何事も着実に行うことで大きな利益を拾える。
第二の方法として、よく考え、過去の経験から学ぶということが挙げられる。その場その場を知恵で凌ぐのも重要な能力だが、孔子が「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」といったように、間違いは反省しなければならない。私の友達に試験を一夜漬けで乗り切っていた人がいる。古文の初めての試験でその人は例にもれず一夜漬けの勉強をし、当日を乗り切ったのだが、その次の定期試験でまた一から覚えなおしていた。一夜漬けだとほとんどが短期記憶となるため、積み重ねが大切な教科には向かない。だから、その出来事以来、友人は少し前から暗記するようになった。成績の変化は分からないながらも、見る分には試験が以前よりも楽そうだ。
しかし、例えば営業を担当する人や救急救命士など、スピードが重要な仕事もある。着実に、しかしゆっくりと仕事を行うと成立したはずの商談も水の泡となるし、救えた命も救えなくなる。しかし、「もし木を切るのに6時間与えられたら、そのうち4時間は斧を研ぐことに使う」というエイブラハム・リンカンの名言もあるように、着実な準備を怠らなければ、仕事は想定よりも早く片付くようになる。建物は仕事と同じように、基礎をうまく作らなければ安定しない。仕事やそれ以外の物事もすべて、基礎をしっかりと作る、つまり用意や準備を怠らずに物事に取り組むことが大切である。だからこそ、堅実な努力が成功への近道だといえる。