<<え2015/349pみ>>

【第一段落】:生き方の主題を、「一息に仕上げたほうがよい場合もある」と「堅実(けんじつ)に積み上げていくほうがよい場合もある」という両方の立場を比較(ひかく)した上で示したところが優れています。その上で、「私は後者の、つまりカメのような、堅実(けんじつ)傲慢(ごうまん)にならないような生き方をしたい」と自分の考えを選び取ったことで、単なる昔話の感想ではなく、自分自身の生き方として読者に伝わる導入になっています。

【第二段落】:第一の方法として、「目先の物事に囚われ(とらわれ)ない」という方法を、「三(ひき)の子(ぶた)」の物語を用いて説明したことが効果的です。わら・木・れんがの家という対比を通して、時間や手間を惜しま(おしま)ないことが大きな成果につながるという考えが具体的に伝わり、主張に説得力が加わっています。

【第三段落】:第二の方法を、孔子(こうし)の言葉と友人の一夜漬け(いちやづけ)の体験を結び付けて論じたところが優れています。「過去の経験から学ぶ」という方法が、実際に勉強法を改めた友人の変化によって裏付けられ、反省を次に生かすことの大切さが現実味をもって伝わっています。

【第四段落】:反対意見を認めた上で、エイブラハム・リンカンの名言と「建物は仕事と同じように、基礎(きそ)をうまく作らなければ安定しない」というたとえを用いて主題をまとめた構成が印象的です。「堅実(けんじつ)だから遅い(おそい)」のではなく、「準備を怠ら(おこたら)なければ結果的に速く進められる」という考えを示したことで、「堅実(けんじつ)な努力が成功への近道だ」という生き方の主題がより深く伝わっています。

良い点:昔話、古典、友人の体験、歴史上の人物の名言と、多様な実例を用いながらも、すべてを「基礎(きそ)を固めることの大切さ」という一つの考えに結び付けて論を展開したことで、文章全体に高い一貫(いっかん)性が生まれています。

考えを深めるための質問:あなたは「堅実(けんじつ)な努力が成功への近道だ」と述べていますが、準備を十分にしても予想外の出来事で計画どおりに進まなかったとき、その生き方を貫く(つらぬく)ためにはどのような考え方が必要だと思いますか。

字数/基準字数:1250字/800字
思考点:90点
知識点:91点
表現点:89点
経験点:95点
総合点:99点
均衡(きんこう)点:8点

 


■思考語彙 25種 31個 (種類率81%) 90点
 しかし, 第,、しかし,、つまり,、例えば,。しかし,。だから,。だからこそ,。例えば,。確か,たはず,だと,といえ,とると,なければ,なるため,もれざる,よく考える,れると,人によって,対象によって,忍び込もう,怠らざる,改めざる,良い場合,

■知識語彙 77種 106個 (種類率73%) 91点
一息,一番,仕事,以前,以外,以来,何事,傲慢,兄弟,出来事,利益,努力,勉強,友人,友達,反省,古文,名言,商談,営業,基礎,堅実,変化,大切,孔子,安定,定期,対象,建物,当日,影響,後者,想定,態度,成功,成立,成績,手段,手間,担当,救命,救急,教科,教訓,料理,方法,時間,暗記,最中,木造,準備,煉瓦,煙突,熱湯,物事,物語,用意,番目,目先,着実,知恵,短期,経験,結果,能力,自分,自立,行使,見方,記憶,試験,近道,途中,運命,過信,過去,重要,

■表現語彙 134種 206個 (種類率65%) 89点
。確か,いっぱい,うさぎ,おとぎ話,かめ,こと,これ,すべて,そう,それ,それぞれ,たはず,とき,どちら,なるため,ひとつひとつ,ほう,よう,イギリス,カメ,スピード,一,一夜漬け,一息,一番,三,二,人,仕事,以前,以外,以来,何事,例,傲慢,兄弟,出来事,分,利益,前,力,努力,勉強,匹,友人,友達,反省,古文,名言,命,商談,営業,基礎,堅実,場,士,変化,大切,孔子,安定,定期,家,対象,居眠り,建物,当日,影響,後者,想定,態度,成功,成立,成績,手段,手間,担当,救命,救急,教科,教訓,料理,斧,方法,是,時間,暗記,最中,木,木造,末,楽,次,比べ,水の泡,準備,煉瓦,煙突,熱湯,物,物事,物語,狼,生き方,用意,番目,目の子,目先,着実,知恵,短期,私,積み重ね,経験,結果,能力,自分,自立,良い場合,藁,行使,見方,記憶,試験,豚,近道,途中,通りすがり,運命,過ち,過信,過去,重要,鍋,間違い,

■経験語彙 51種 71個 (種類率72%) 95点
いれる,かける,しまう,たてる,たどる,でる,といえ,とる,なおす,もれる,よく考える,られる,れる,与える,乗り切る,仕上げる,作る,使う,凌ぐ,分かる,分かれる,切る,取り組む,向く,吹き飛ばす,囚われる,学ぶ,建てる,役立つ,得る,忍び込む,怠る,抜かす,拾える,挙げる,改める,救える,歩く,残せる,片付く,異なる,研ぐ,積み上げる,行う,見つかる,覚える,謂う,負ける,追う,過つ,食べる,

■総合点 99点

■均衡点 8点
 

急がば回れ
   中3 あおらえ(aorae)  2026年7月1日

  イソップ童話に「うさぎとかめ」という話がある。ある日、うさぎとかめが競争をすることとなる。うさぎは自分の力を過信してしまい、途中で居眠りをする最中にかめに追い抜かされ、そのまま負けてしまう。確かにかめは遅いが、着実に歩くことが大切だという見方や、うさぎのように傲慢な態度をとると悪い影響がでるという見方がある。しかし、どちらがよいかといわれると人によって分かれる。また、どちらのような手段をとるかというのも、それを行使する対象によって異なる。例えば一息に仕上げたほうが良い場合もあるし、ひとつひとつ堅実に積み上げていくほうが良い場合もある。私は後者の、つまりカメのような、堅実で傲慢にならないような生き方をしたい。

 第一の方法として、目先の物事に囚われないということがある。三匹の子豚というイギリスのおとぎ話がある。自立した子豚の三兄弟はそれぞれ家を建てることになる。一番目の子豚は藁で家を建てるが、通りすがりの狼に見つかり吹き飛ばされ、食べられてしまう。二番目の子豚は木造の家を建てるが、これもまた同じような運命をたどる。そして三番目の子豚は煉瓦で家をたて、狼との知恵比べの末に煙突から忍び込もうとした狼を鍋いっぱいの熱湯にいれ料理してしまう。この物語から得られる教訓は、物を行うときに手早く仕上げるよりも時間や手間をかけたほうがいざというときに役立ち、大きな結果を残せるということだ。目先の物事に囚われて小さな利益を得るよりも、何事も着実に行うことで大きな利益を拾える。

 第二の方法として、よく考え、過去の経験から学ぶということが挙げられる。その場その場を知恵で凌ぐのも重要な能力だが、孔子が「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」といったように、間違いは反省しなければならない。私の友達に試験を一夜漬けで乗り切っていた人がいる。古文の初めての試験でその人は例にもれず一夜漬けの勉強をし、当日を乗り切ったのだが、その次の定期試験でまた一から覚えなおしていた。一夜漬けだとほとんどが短期記憶となるため、積み重ねが大切な教科には向かない。だから、その出来事以来、友人は少し前から暗記するようになった。成績の変化は分からないながらも、見る分には試験が以前よりも楽そうだ。

 しかし、例えば営業を担当する人や救急救命士など、スピードが重要な仕事もある。着実に、しかしゆっくりと仕事を行うと成立したはずの商談も水の泡となるし、救えた命も救えなくなる。しかし、「もし木を切るのに6時間与えられたら、そのうち4時間は斧を研ぐことに使う」というエイブラハム・リンカンの名言もあるように、着実な準備を怠らなければ、仕事は想定よりも早く片付くようになる。建物は仕事と同じように、基礎をうまく作らなければ安定しない。仕事やそれ以外の物事もすべて、基礎をしっかりと作る、つまり用意や準備を怠らずに物事に取り組むことが大切である。だからこそ、堅実な努力が成功への近道だといえる。