我が家の変わったプレゼント

   小6 ゆい(akakiyu)  2026年7月1日

    我が家の変わったプレゼント

 「もうすぐはじまるね。」

二年前の春、私は劇団四季の劇場にいた。会場の照明が暗くなり、幕が上がる時、「これからどのようなミュージカルが始まるのだろう」とドキドキしていたことを覚えている。

 二年前の誕生日、母がプレゼントとして提案してくれたのが、劇団四季のミュージカル「ライオンキング」だった。私の家では、誕生日は形のある「物」をあげるのではなく、体験や思い出にしっかり残るものをプレゼントするという決まりだ。そして本当は「アナと雪の女王」が見たかったが、チケットが取れなかったり予定が合わなかったりしてライオンキングになった。そこで、本物の舞台を見に行く前に、一度家で「ライオンキング」のDVDを見てあらかじめライオンキングの話をインプットした。画面の中では思ったより迫力があり、ミュージカルでは一体どれほど面白いのだろうとその時から待ち遠しくて仕方がなかったことを覚えている。そして当日、父に車で会場まで送ってもらい、三階のせきについた。三階だからあまり見えず、迫力もあまりないのかと少し心配もあった。しかし、いざ始まると、ライオンキングのオープニングの動物の鳴き声などが忠実に再現されていて、期待を大幅に超えた演技を見せてくれた。また、役者さんたちの歌声やダンスには、三階の席まで突き抜けるようなエネルギーがあり、遠く離れているはずなのになかなか目が離せない。そこまで夢中にさせてくれるのがやはり劇のいいところだと思う。そして気がつけば私は物語の世界に完全に引き込まれていた。見終わった後は、まるで自分もライオンキングの動物になったような気がして仕方がなかった。

 そして母に「母はどういうプレゼントを受け取るのか」と聞いてみることにした。すると、母自身の誕生日の時も、おしゃれなレストランへ食事に行ったり、旅行に行ったりしているのだという。物をもらうことよりも、家族と一緒に過ごす時間や、そこでしかできない特別な体験をすることが、心にしっかり残り相手もとても嬉しくなると思う。母は私に、物ではなく一生消えない素晴らしい思い出をプレゼントしてくれていた。そして今週の金曜日、私は学校の「心の劇場」という企画で、再び劇団四季の劇場を訪れる機会に恵まれた。その劇は、「はじまりの樹の神話」という作品だ。幕が上がる瞬間、あの二年前の興奮がまた戻ってきたような気がした。舞台が始まると、役者さんたちの熱いメッセージがダイレクトに伝わってきて、やはり生の舞台は格別だと改めて深く感動した。

 私はこれらの経験を通して、人間にとって本当のプレゼントとは、思い出としていつまでも心に残るものであると思った。おもちゃや服などの形ある物は、時間が経つと古くなったり、使わなくなったりしてしまうことがあるかもしれない。しかし、美しい舞台を見たときの感動や、家族と過ごした時間は、心の中に残り続けるのだ。それこそが、本当の相手への心のこもった「贈り物」だと思う。そしてこれからも「思い出のプレゼント」というものを大切にしていきたい。