僕の問題児お父さん

   小5 ひかうえ(hikaue)  2026年7月4日

 ガサガサガサ! パクパクパク! 僕のお父さんは幼稚園の頃、友達と駄菓子屋のお菓子を裏から盗み食いしたことがあった。でも、お店の人に見つかって ガシッとつかまれて、

「どこの子や!」

と大声で怒鳴られた。そして家に引っ張っていかれた。帰ったら、お父さんの親父にぶん殴られたそうだ。お父さんは親父を怒らすとひどい目に遭うな、と学んだ。その話を聞いて、僕は、「そこは盗み食いを一生しない!と決意してくれよ」と思った。

 バタン!! シュー!! お父さんは小学生の頃、友達とふざけていたら、消火器を倒してしまった。中身が出て大変なことになり、先生に見つかって廊下に立たされたらしい。僕は本物の消火器の粉を見たことがなかったから、現場で見たかった。さらにお父さんは、空き地で友達と秘密基地を作って遊んでいたら、近所の人に怒られたそうだ。お父さんの話では、昔は空き地が多く、板なんかも落ちていて、基地を作るのには持ってこいな場所がいくつもあったそうだ。もし僕が同じ頃に友達と遊んでいたら、僕も秘密基地を作って、お父さんみたいに怒られていただろう。

 お父さんが小学5年生の時には、小学2年生の妹と一緒に2週間の間、愛媛県松山市のおじいちゃんの家に泊まりに行ったらしい。そのお父さんのおじいちゃんは、柔道の師範をしていて、警察学校で先生をしていたんだそうだ。家はほったて小屋で 、お風呂は井戸水で体を洗っていたので、とても冷たかったと言っていた。 さらにその2週間の間、毎日妹と一緒に虫取りをしてカナブンなどを取ったり、貸し本屋で漫画をたくさん読んだりしたそうだ。そのある夜、寝ている時に僕のお父さんの上に、”カサカサカサッ”とゴキブリが登ってきて、お父さんが、

「ああああああー」

と叫んだら、ゴキブリが逃げて、おじいちゃんがきて、

「そんな大声出すなよ!」

といって、そのゴキブリを見つけてつかんで”ボキッ”っと首を折った。その松山のおじいちゃんは、とてもビール好きで、たまにお茶漬けの代わりにビール漬けをしていた。 しかし 僕のお父さんが 松山のおじいちゃんに会いに行った2年後、お酒を飲んで海で溺れてしまった。お父さんは松山のおじいちゃんが死んでしまう2年前に会いに行っておいてよかったと言っていた。僕は、お父さんは松山で、良い思い出を作ったなあと思った。

 また お父さんが小学6年生の時に、大阪万博が開かれたらしい。お父さんは、家族で10回以上も訪れたのに、人気館には入れなかったほど 来場者が多かったそうだ。特にお父さんが行きたかったパビリオンは、アメリカ館だった。なぜかというと、そこには月の石があったからだ。しかし、お父さんは最後まで、そこに入ることはできなかったらしい。去年の夏、大阪万博が55年ぶりに開催されたので、僕も家族と友達と行った。でも僕はお父さんとは違って、2回しか行けなかった。2回だったけれど 僕は十分満足した。そして、僕もやっぱりアメリカ館には入れなかった。

 中学生になったお父さんは、サッカーをしていて、友達に足を蹴られて骨折したらしい。その帰り道に、同学年の子にケンカを売られて顔のつかみ合いになった。でも、最後にお父さんが一発殴って飛ばしたそうだ。家に帰ったら、血まみれの顔を見たお母さんに

「何があったの?」

と聞かれ、お父さんは、

「サッカーで怪我をした」

と答えた。そのとき、お母さんは、

「最近のサッカーは激しいのね」

と言った。僕はお父さんが骨折をしているのに、ケンカを売られて血まみれになったのはかわいそうだと思った。でも僕だったら同じく、お母さんにサッカーで怪我をしたと言うだろう。だって、半分事実なんだもの。

 お父さんが高校生になって、ある日 、お父さんが妹に買い物のついでに犬のメイの散歩を頼んだ 。犬のメイは大きくて白い犬でお父さんのお母さんが拾って飼った小犬の子供だった。妹が買い物に行く時に、とっても散歩に行きたくて待っていたメイが突然暴れ出して、首輪が外れてしまった。そして道路に飛び出してしまい、走ってきた車に引かれてしまった。 目の前で、メイが死んでしまうのを見たお父さんは、とてもショックを受けた。そして親父に

「お前が買い物を頼んだせいだ!」

と怒鳴られた。お父さんは自分のせいでメイが死んでしまったと思い、とても悲しかった。僕は、その話を聞いて、メイはお父さんに交通事故の怖さを教えるために、身代わりになってくれたんだと思う。

 僕は、お父さんの子供の頃の教育や、出来事を知って、もっとお父さんのことを知ることができて、とても嬉しかった。そして、僕と同じでお父さんが厳しかったんだなあとわかった。お父さんの子供の頃は、学校で立たされるなどいろいろ今より厳しいことがあった。僕は昔は今ととても変わっていたということがわかった。そしてもっともっと お父さんの子供の頃を詳しく知りたくなった。僕も将来、子供ができたら僕の大人までの出来事を息子にたくさん教えたい。