人間としての本質

   高2 あかれり(akareri)  2026年8月1日

 

 人類が発見し試行錯誤して制御できるようになった火。人類の進歩に大きく活躍してきたその存在も、現代では様々な形へと変化を遂げている。ポケットに入れて運べるミクロの火から、スイッチひとつで呼び出せるアラジンのランプまで無数の人工的な火の代替物を作り出してしまったのである。火が人類の身体を温め食生活を支えたように、現代の AI も私たちの生活を豊かにしている。しかし火の扱いを誤れば火傷を追うのと同様に過度な依存は私たちの考える力や生きる力を奪う刃にもなり得るのだ。私は便利さに流されることなく、生きるための知識や知恵を自らの身を持って習得していきたい。

 そのための方法として第一に自分で考え行動することだ。今日、人工知能の進化により私たちが自分の脳を使って思考せずともAIに質問するだけで望み通りの回答をするようになった。そこには自分自身の意向ではなく、AIの思考・意向が存在している。私たち人間は間違いや失敗から成長していくが、失敗を恐れた結果すべてをAIに考えさせる、いわゆる思考放棄の結果に陥ってしまっている。最近のyoutubeやインスタグラムの縦動画や漫画に至るまでどこにでもAIが使用されている。しかし人間が作ったからこその価値があり、それは決してAIには完全に模倣することができないというのは覚えておく必要があるだろう。自分自身の意思を持って生活していくべきである。

 また、第二の方法としてはスマホやパソコンなどの画面の中だけではなく、実際に体験し身体で覚える機会を増やすことだ。ネットやAIから得られる知識は一見便利だが実際に手を動かし、失敗を肌で感じることでしか身につかない生の知恵がある。現実の体験を通じて感じた違和感や達成感こそがAiには代行できない人間ならではの学びの源泉になると考える。例えば飛行機を発明したライト兄弟は当時の科学者が机上の計算だけで不可能と断言した空への挑戦を自らの手を動かした数千回の実験と身体的な試行錯誤によって成功させた。データや理論だけに依存せず現実の体験を通して得た感触こそが誰も見たことのない革新を生む証明と言える。

 確かに、一度便利になってしまった生活を変えることは難しい。しかし「私たちの人生は私たちが費やしただけの価値がある」という名言もあるように私たちは自分の手や足を使っていきるための知識や知恵を身につけていくことが大切だ 。スイッチ 1つで答えが出るアラジンのランプのようなテクノロジーは私たちの思考を止めてしまう誘惑に満ちている。しかし、人類が真に成長してきたのは火を試行錯誤して制御してきたように自らの手を動かして失敗から学んできたからだ。AI という人工的な代替物に頼りきるのではなく自らの脳で考え身体で生の知恵を掴み取ること、それこそが便利さに流されていきるための知識や知恵を身につける唯一の方法であり人間としての価値を高めていく道なのだと考える。