真の幸せを

   高2 あかぬり(akanuri)  2026年8月1日

 オイルショックが生じた際、これで日本もおしまいだと思った人たちはたくさんいただろう。しかし、驚くべきことに、結果は全く逆だった。現在では、日本はオイル危機以前よりも、相対的には、かえって強くなっている。このうれしい誤算は、もう一つの誤算を引き起こした。オイルショックで沈滞した国内需要の分までも、輸出でカバーしようとしたため、輸出が予想外に伸び、日本では国際収支が逆に黒字になってきたのだ。しかも、この輸出が数種の品目に集中して、ヨーロッパ諸国を襲ったため、地方の失業問題を引き起こし、日本を締め出せの声が高まっていった。いわゆる貿易戦争の勃発である。

 自国の利益を優先し、全体として見られていない部分が多い、今の社会は問題だ。

 第一に考えられる原因は、相手の顔が見えない機会が増えたからだ。現在、スマホの普及により、顔の見えない相手とのコミュニケーションが普通になっている。僕は、高校に上がる直前に、スマホをもったのだが、使い始めた当初、最も苦戦したのはLINEでの会話だ。今まで、顔を合わせての会話か、電話での話が当たり前だったから、今相手が何を思っているのか、というのを瞬時に文字だけから読み取るというのができなかった。クラスのグループLINEで友達同士が喧嘩していると思い、大丈夫かなとLINE電話をしてみたら、ただいじり合っているだけだったというのも多々あった。自分は昔から、周りから感じ取ることに自信があったが、顔や声がないとこうもわからなくなるのか、と驚いた。スマホを使い始めてから数年経った(といっても二年程度だが)今でも、相手の感情や思いがわからなくなる場面に出会う。

 第二に考えられる原因は、他を犠牲にした上に、自分の幸せがあるという、悪循環が確立しているからだ。最近、Bappa shotaという世界を旅しているyoutuberの動画を見た。その内容に僕は衝撃を受けた。 舞台はインドネシア。インドネシアでは、豆腐を多く生産しており、そのときに使う燃料として、紙ごみが必要だという。だから、インドネシアは世界の先進国から紙ごみを輸入しているそうだ。しかし、その紙ごみの中には、プラスチックごみが入れられており、プラスチックの輸入は禁止されているにも関わらず、それらも一緒に違法に輸入されている。その中には、日本のごみも混ざっていた。それらのゴミは、人々の目に届かない村々へ送られ、積みあがったゴミ山を、少しずつ燃やしているという。プラスチックを燃やすと、ダイオキシンという有害物質が発生する。それでもこの問題が続いているのは、プラスチックの処理の仕事しかなく、それがないと生きていけない人が多くいるからだ。そのようなことを知った。なんて酷い世界なのだろう。先進国で処理しきれないごみを、発展途上国に回し、結局、ダイオキシンを発生させ、村の人を知らぬままに殺していっている。しかし、村の人は、それしか仕事がないからそれを喜んで受けている。このような悪循環が自分の知らぬところでできていたのだ。怒りが込み上げてきたが、自分が出したごみがもし、このような状況に加担してしまっているかもしれないと思うと、やるせない気持ちになった。

 たしかに、他人のことを気にかけすぎて、自分の思いや夢を後回しにしてしまっては元も子もない。しかし、自分とは、自分だけで成り立つものではなく、必ず他によって支えられ、つくられていくものだ。そんな、他を自分のためだけに利用し、全体として考えないという行為は、絶対に間違っている。だから、自国の利益を優先し、全体として見られていない部分が多い、今の社会は問題だ。