子供のころの道に
中2 すりりんご(akimano)
2026年8月2日
子供のころに道に迷わなかったのは、どうしてだろうか。それは地図を使わなかったからではないか。子供にとっての道は、親や友達と歩くことで自然と覚えられるものであり、そう覚えた道では迷うなどということがなく、自分の体の一部になっていたようにも感じられる。最近の散歩コースでその裏返しのような体験をした。ほとんど毎日通る道だが、一瞬、自分がどこにいるのか分からなくなったのだ。風景が少し変わっていたことで持っていた情報に混乱が生じ、定位できなくなってしまったのだ。動物は地図を持たない代わりに、習慣によって獲得した目的地までの道筋、情報を無意識のうちに蓄積し、その情報に忠実に行動する限り、迷いにくい。どうも、人間は、地図という文化を持ったことにより迷う可能性が高くなったと思われる。外から入ってくる情報は正しく使いこなしてこそ、その真価を発揮する。また、自分の経験によって手に入れた情報は、無意識のうちにも行動につながっていく。人間の作り出した情報は、行動の助けになるものであると同時に、使い方がきちんと身についていない限り、逆の結果につながる危険もある。
他人の情報を利用することは大切だ。私の祖父母は県外に住んでいる。そのため、休みのときやお盆、お正月などには、飛行機と新幹線を利用して帰省している。駅から新幹線に乗り、県外の空港から、飛行機で移動する。私の家は駅まで、車で十五分ほどのところにある。そのため、家族全員が移動となると、車では行くことができない。そして、いつも帰省のときは朝五時五十分に家を出るため、路面電車も走っていない。だから、タクシーを利用する。前日にタクシー会社に連絡をし、出発したい時間を伝える。すると、次の日、タクシーが出発の十分前につき、乗り込む。そうすることで、新幹線が発車する十五分前には駅に着くことができる。以前、母と二人で旅行の出発の時だ。なぜか、タクシーが予定よりも早く、出発してしまい、私と母はタクシーに乗りそびれた。何とか、駅にはついたが、目の前で乗る予定だった新幹線は発車してしまった。その旅行は、私は初めての海外旅行で、時間の余裕を設けていたから、飛行機には間に合ったが、痛恨の出来事だった。確かに、時刻表や時間がはっきりしていないとどうやっても遅れてしまう。時刻が分かることで行動しやすい。他人の情報を利用することは大切だ。
しかし、自分の経験から得た知恵を生かすことも大切だ。小学校では、毎年、縄跳び大会という行事があった。それはクラス全員で八の字を描きながら大繩を跳ぶというものだった。小学一年生で初めて挑戦した時、縄が怖かった。とてもゆっくり回していたが、それでも怖かった。母に縄を買ってもらい、近くの公園で練習した。試行錯誤して、やっとリズムが取れた。そして、飛ぶタイミング、入るタイミング、抜けるタイミングも全てマスターした。六年生では、市の小学校体育大会で、長縄代表として出場し優勝することができてうれしかった。自分の体験、経験から得た知恵を生かすことで長縄を跳べるようになれた。
確かに、他人の情報を活用していくことも、自分の体験で方法を見出すことも、どちらも大切だ。しかし、理想に到達するための手段はまた、理想への到達を阻む障害でもあるという名言があるように、他人からの情報、自分の経験から得た情報の二つの使い方をきちんと身に付け、自分の力、知識を伸ばしていくことが大切だ。