自然との共存

   中3 あおらえ(aorae)  2026年9月1日

  フィンランド北部ラップランドはすでに北極圏に入っている地域で、冬は氷と暗闇の世界になる。その分、夏は正反対の世界となり、ラップランドの森は、あらゆる草木が一気に芽吹き、花開く。この夏の森に一歩足を踏み入れると、最初に出迎えてくれるのは、美しい若葉の緑でもなく、色鮮やかな草花でもなく、実はおびただしい数の蚊やブヨの大群なのだ。しかもその数としつこさは都会生活に慣れた私たちの想像を絶するものがある。しかし、長袖、長ズボン、蚊よけ帽子の格好で行けば、森と対話する最も重要な回路を自ら閉じることとなる。森のすべての生命がそれぞれの役割を担いながら、ともに一つの大きな生命体として生きている。だから私は自然の中の一員であるという自覚をもって生きていきたい。

 自然における生態系を理解することは重要である。多種多様な生物のそれぞれが関わり合い、一種のサイクルが出来上がる。時に思いがけないところでつながることもある。私は今の学校で始めて、生物をきちんと学んだ。それまで通っていたインターではそのようなことはなかったからだ。授業を通して、生物同士の関係は私が想像していたものよりもよっぽど複雑だということが分かった。ヤリハチドリとトケイソウの1対1の関係や、ミツバチが花粉の媒介において、非常に大きな役割を担っているということを知った。その結果、これまで何気なく見ていたミツバチが様々な花にとまる様が目に留まるようになったように、今まで見えていなかった生物同士のつながりが分かるようになる。

 また、自然の本来の姿を守ることも大切だ。人為的に自然に手を加えた例は、加えられてない例よりも多いほどだが、その結果、様々な問題が出てきたこともある。文明は加速度的に発展するという理論があるが、確かに、数百年前までは、人類は自然の一部として、生態系の一部として自然に対してそれほど影響を持つこともなく暮らしてきた。しかし、自然の一部ということは変わってはいないものの、自然に対する力は生態系を破壊できるほどに大きくなった。米イエローストーン国立公園では人の手によって1926年までに狼が絶滅したが、その結果エルカが激増したり、シカが植物を食い尽くしたりという問題が発生した。結局、1995年にカナダから狼14頭が連れてこられることとなり、状況が改善した。このように、人間が安易に自然のバランスを変えることは自重すべきだ。

 しかし、唯一ヒトのみが文明を持ち、知識・技術を持ち、自然を改変できる特別な存在であることも事実であり、人間の発展には自然の開発もやむを得ないというような考え方も存在する。しかし、「土地の倫理は、人間の役割を土地共同体の征服者から、その単なる一員であり市民へと変える。」という生態学者のアルド・レオポルドのとおり、人間は自然環境があるからこそ生存が可能である。だから、自然は人類によって支配されるのでなく、人類が自然によって支配されるべきだ。そのため、私は自然の中に存在する一員という自覚を持ち、自然とのかかわり方を考えながら生きていきたい。