自分で判断し決断し行動する (感)

   中3 あえとみ(aetomi)  2026年9月4日

 自分で判断し決断し行動することは簡単なようにみえて、じつはとてもむずかしい。主体的に判断し行動したいという欲求をのぞけば他人や集団に依存して行動してしまいがちになる。しかし、社会生活を送る以上、自分で考え判断しなければならないのは当然のことだ。最近は「マニュアル」を与えなければなにもできず、自分自身の指針を持たないまま行動してしまう子供や大学生が多い。つまり、かれらは自分で考え判断し、決断するといった作業に慣れていないのだ。

 自分なりの考えと主体性をもって行動する能力は不可欠である。この能力の重要性は中学に入学して総務委員として自ら企画の運営を行った時に感じた。私の学校は学期末になると、クラスの代表である総務委員が提案した企画を学年集会で運営する機会がある。企画は主に一学期間の振り返りや、クラスを解いて学年全体で交流を深めることを目的としたクイズやグループ活動をする。これを運営するにあたって、総務委員は企画の目的と実践する内容の考案、スライドと原稿の作成など全て自分達で行う必要がある。そのため、それぞれを個々が熟考し、積極的に行動することが求められるのだ。実践してみて結果の成否に関わらず、物事に対する主体性はもちろん、「企画を成功させるために工夫できることは何か」といった多様な視点から考える力を身に付けられた。また、この自分なりの考えをもち、積極性のある行動力を身に付けることは自分自身だけのメリットにとどまらないと考えられる。それは、実際に自分の考えを述べて企画に反映させれば、周囲と協力しながら物事をより良い方向へ導けられるからだ。主体性は自分勝手に動くことではなく、むしろ主体性をもつ方が、周囲からの賛同を得て物事を軌道に乗せられるのではないだろうか。

 しかし、他人の意見も取り入れられる柔軟性も重要だ。その例として、江戸幕府を開いた将軍である徳川家康が挙げられる。家康は家臣の意見によく耳を傾けた人物として知られている。そんな家康の思考における柔軟さが垣間見えるエピソードがある。関ケ原の戦いの後、家康が大名への処遇などについて決断しようとした際、家臣の本多正信からその判断の批判を受けたことがあった。しかし家康はむしろその批判を真摯に受け止め、自身の非を認めたのだという。この家康の姿から、家康は自分のみの判断だけでなく他者の意見を受け入れる姿勢を重要視していたと分かる。もし自分の判断に固執しすぎると、人はだれしも自分自身の主観に頼り、独断と偏見に陥ってしまう。そうなれば、視野を拡げられる機会を失うだろう。だからこそ、まず他人の意見に耳を傾け、一人では生み出せない価値観や発想を得ることが重要なのだ。このように柔軟性を自分の強みとして発揮できる人こそが、環境や価値観が変化し続ける社会で重要な役割を果たすのではないだろうか。

 確かに自ら物事を見極め決断する行動力も、多様な意見を寛容に受け止める柔軟性もどちらも欠かせない。しかし「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である。」という名言があるように、一番大切なのはどちらか一方に偏るのではなく、状況に応じて両方の力を駆使できる多角的な視点を持つことだ。自分の考えを持ちながらも、異なる意見に耳を傾け、必要であれば考えを改める。そうした姿勢を持てば、自分自身のさらなる成長につなげられるだろう。