今を変えるには

   高1 蜩(aeriya)  2026年10月1日

 今現在、日本は技術面で世界の中でもかなり発展した国と言えるだろう。よって日本は豊かな国であると思われているが人々の日常を細かく観察していくと実際はそうとは言えない。それは朝の電車に乗れば一目でわかる。通勤通学をしている人々の顔を覗くと、大抵は無表情や憂鬱そうな雰囲気を纏っている。幸せそうにしている人はそうそう見かけない。ここからわかるように、人々の精神面は必ずしも豊かであるとは言い切れない。これが日本の現状だ。なぜ人々の心が満たされないのだろうか。私は人々が現状に満足してしまっていることが原因であると考える。人間というものは、困難に出会った際、「現状を解決しよう。」という気持ちがあるからこそ、前に進めるのだ。ここから、幸福とは満足した状態ではなく、何かを求め、そこに向かって駆け抜ける過程であると考える。我々は自分の未来に幸福を求めるべきだ。

 そのための第一の方法は辛い現状から逃避するのではなく、現実を直視し受け入れて、打開策を考えることだ。かつて、大抵の人が全力で逃げたかった学校のイベントといえばやはり学力テストだろう。テストの二週間前は普段よりも多く勉強しなければならない。さらにこのテストの点数によって成績が大きく左右される。時期によっては受験に直結するため、逃げようにも逃げられない。普段勉強していない人や最初から勉強が嫌いな人は途中もしくは最初から現実から逃げるために漫画やアニメに逃げ込む。そしてテスト後とんでもない点数が返ってきてさらに勉強が嫌いになる、、、という負のスパイラルが発生してしまう。しかし、少しでも前の段階で今の状況を変えようと自分で試行錯誤すれば、すぐには結果が出ないかもしれないが、最後は大抵良い方向に向かっていけるだろう。そうすれば最低でも負のスパイラルに陥らずにすむ。確かに、辛い状況の中の心の支えや避難所として現実から逃げられるものがあることは大事だ。負の気持ちに押し潰されてしまえば元も子もない。しかし、逃げてばかりでは前に一歩も進めない。むしろ後ろに下がってしまい、それに気づけないことだってあるだろう。そのような状態にならないよう、できるだけ現状と向き合い、解決策を考えるような努力をしていくべきだ。 

 第二の方法としては、結果だけを重視するような社会から、課程までみてそれを踏まえて評価するような社会へ変えていくことだ。人が何かに挑戦する時、「努力は報われるか否か」というのは大きい。どれだけ目標達成のために努力しても、「結果がダメではそれまでの過程も全て無駄」という扱いならば、相当強いメンタルを持つ人以外大抵の心が折れるだろう。また、社会が「確実に成功するもの以外できるだけ手をつけない」という方針であるならば、やりたいことを実行に移す前に上から握りつぶされてしまう。そうなると行動どころか、行動を起こそうとする気力すら失ってしまう。私も自分の考えや、計画を真っ向から否定されるとかなり落ち込み気力も半減してしまう。漫画の中でもこのシュチュエーションはよく描かれる。主人公が上司と喋るシーンや、敵方の会議のシーンなどはお決まりのようなものだ。そこでは上司から否定されて落ち込んでしまう主人公や渋々引き下がる幹部などが見られる。時々強靭なメンタルで自分を制すものや己が正しいと信じて我が道をいくものがいるがそれは少数派だ。逆に部下の意見を積極的に取り入れて成功した人物がいる。それは渋沢栄一である。彼は、独裁的に命令をするわけではなく、相手の意見をよく聞き、理にかなった提案であれば立場を問わず採用するような柔軟な考えの持ち主だったようだ。その結果は、いうまでもなく、「日本資本主義の父」と呼ばれるまでになった。このように結果だけを見て過程を重視しなかったり、最初から結果が出ないと否定するような社会は変えていくべきである。

 確かに、「その人が幸福になれないのはその人の心の問題であり、そこさえ治せば問題はない」という考え方もわかる。自分の好きなことをして、それを極めようとして行き詰まってしまうことだってあるのだ。しかし、世の中の大抵の人は、今の状況を無理やり納得させて満足させているか、負の状況に縛られ、身動きが取れなくなってしまうというパターンが多いだろう。それを打開するには社会のあり方や、自分の状況を変えようとする行動力が必要なのだ。本当の幸福とは自分を偽って無理やり作り出すものではなく、自分で未来を切り開いてそこで手に入れるものなのである。ここから、我々は自らの幸福を求め行動を起こしていくべきである。