授業の渚 wape-03-1


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 昔の光景です。
「あ、お味噌はない。となりから借りてきて」
「はーい」
 昔は、何かがなくなると、隣から借りてくるという光景がよくありました。今はコンビニがあるので、よその家から借りてくるようなことはほとんどありません。
 逆に、他人に無関心な人が増えています。
 例えば、急におなかが痛くなって道端に倒れている人がいても、その人を飛び越えていってしまう人もいます。(いないか)
 自分のことだけに関心があって、他人のことに関心を持たない人が増えてきたということです。

 昔は、何でも自分たちで作りました。
 縄文時代あたりです。お父さんが、「ここに落とし穴を掘って」と言うと、子供も喜んで「晩ご飯、イノシシだね」。
 お父さんと子供の対話があると同時に、自然との関わりもある生活でした。このころは、自分の手足を使わないと食料が手に入りませんでした。
 ところが、今は、
「ただいまあ。今日の晩ご飯は何?」
「セブンイレブンで買ったイノシシ、レンジでチンしといてね」
 自分で手を下さなくても、レンジで何でもできてしまいます。
 こういうところに、他者との関わりがなくなった一つの要因があるのではないでしょうか。

 では、漫画を見てましょう。
 昔の学生は、片手に哲学書をもって、「人生とは」「生きるとは」と口角泡を飛ばして論じ合っていました。
 今の学生は、二人で別々に漫画を読んで笑っています。これも、楽しそうですが。
 そして、普段の人間関係が希薄なので、皆が集まるところでは、無理して盛り上がろうとして一気飲みをします。

 昔は、こういうふうに釘打ちました。
 今は、こういう釘の打ち方をした人がいたそうです。かなづちを地面に置いて、板の方をぶつけています。

 関わりを持つためには、普段から自分らしさを出していくことが大切です。
 修学旅行の思い出で、こんな光景があったと思います。
「先生が、いなくなった」
「みんな集まれ」
「お前の好きな子だれ?」
「本当かよ」
 こういう関わりのある生活をしていくことが大事です。
 また、学校の勉強でも、実験や実習のように、人や物との関わりのある授業をしていくことが大事なのかもしれません。