書いた人は森川 林 on 98/12/05 19:08:58:
いやあ、ひさしぶりに、未来教育フォーラムに来たなあ。これじゃ、ミライじゃなくて、ミイラになってしまいそう。(^^ゞ
さて、題名の「漢字の読みと書きは別の能力」は、読んだとおりのことで、漢字を読む力は読書量に比例しています(厳密には読書の質も)。しかし、漢字を書く力は単純に勉強の量に比例しています。
だから、「よく読めるけど書けない」という子と「よく書けるけど(学年で習っている以上の漢字はあまり)読めない」という子がいた場合、どちらのほうに実力があるかといえば、もちろん、「読めるけど書けない」という子のほうです。
「読めるけど書けない」という子は、勉強をする時間は少ないけど本をたくさん読んでいるという子です。
「書けるけど読めない」という子は、勉強はたくさんしているけれど肝心の読書をしていない子です。
漢字の書き取りは、訓練次第でいくらでもできるようになる、いわば「お化粧」と同じようなものです。 若いときは、お化粧をするよりも素肌の美しさのままでいる方がずっと魅力的です。素肌の美しさとは、この場合読書です。
いかにも勉強らしい雰囲気で漢字の書き取りを真面目にやっている子よりも、半分遊びのような雰囲気で気楽に読書をしている子の方が、実力はずっとついているのです。
以上の文章に疑問をお持ちの方は次のことを考えてみてください。
読書というのは、万国共通です。
漢字の書き取りというのは、日本と中国のきわめてローカルな特殊な勉強です。
特殊な勉強にはそれなりの意義はもちろんありますが、大事なのは世界中どこでも通用する思考力・創造力の勉強です。