先生と生徒

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書いた人はnaneさん 99/10/19 20:29:11

 「先生、生徒のなれの果てー。あこりゃこりゃ」という歌がありますが、先生というのは読んで字のとおり「先に生きた者」と考えると、その役割がはっきりしてくるように思います。
 自然界では、先生の役は親が務めています。ライオンのお母さんが、その子供に、「この鉄のにおいは、罠というんだよ」という感じで、自分の先に生きた経験を伝えます。
 人間の場合も同じです。子供が「どうして算数なんてやるの」と聞いたとき、「それは、大人になってから、買い物のおつりなどをまちがえないためよ」などと、先に生きた経験を伝えます。しかし、学年が上がると、事態はもっと複雑になってきます。
 小中学校の勉強の中には、先に進んでから重要になってくるものと、そうでないものとがあります。しかも、それが重要なものの基礎だったとわかるのは、数年たってからです。そうすると、生徒が自分の力で何をどう勉強するかを決めることはまずできません。全部重要なんだから、全部一生懸命やりなさい、というのは、一日が50時間ぐらいある場合に言えることです。
 そこで、先に生きた者の役割が出てきます。今、先生というと、自分の知識を伝えるような仕事をしていることが多いと思いますが、知識を伝えるだけなら、よく整理された参考書のほうがずっと密度濃く伝えられます。先生は、生徒の実状に合わせて、その生徒が先に進むために、どこがいちばんのネックになるかを予測して、どの方法がいちばん能率がよいかを伝える役割を果たすものだと思います。



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