メーリングリストの可能性
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書いた人は●naneさん 99/11/17 08:55:11
アメリカ1・2位のメーリングリスト無料作成サービスのeグループとワンリストが11月末に合併しました。日本にも日本法人のeグループがあり、言葉の森の生徒用メーリングリストもここを利用しています。登録ユーザー数は世界で千三百万人、やりとりされるメール数は月十三億通だそうです。
手紙や葉書を書く作業と比べると、メールを打つ作業はきわめて敷居が低く、隣にいる人にちょっと話しかける程度の気分でメールを送ることができます。現に、私のところにも「自己推薦文はどうやって書くんですか。教えてください」などという気軽なメールが見ず知らずの人からよくやってきます。こちらも、適当に返事を書いて、「それじゃあ、がんばってねー。(^o^)/」などと見ず知らずの人に返信しています。たまに自分の名前も書かずに「僕にも教えてください」などというメールが来ると、「初めての人にメールを出すときは自分の名前ぐらい書いておいたほうがいいよ」などと注意してあげ、相手からも素直に「すみませんでした。メールはまだ初心者なもので」などと返事が来たりします。学生時代、よくヒッチハイクをしましたが、「乗せてください」「どこまで」「あっちのほうで行けるところまででいいです」「OK」というノリです。知らない人とも気軽にやりとりできるくらいですから、知っている人どうしなら、さらに気軽にやりとりができます。
このメーリングリストやチャットは、将来コミュニケーションの重要な役割を果たすようになると思われます。今はメーリングリストを主宰している人自体があまり多くありませんが、すぐにインターネットに接続している人が自分自身のメーリングリストを持つようになってくると思います。すると、コミュニティの輪が一挙に何百万、何千万ということになってきます。
しかし、いま、メーリングリストの中には、会員数が数千人のところもかなりあります。これらの会員がある一つのテーマで盛り上がって同時にメールを出したら、それぞれの会員のところに一度に数千通のメールが飛び交うことになります。本気で読むとしたら読むだけで数日かかる作業です。そういうメールが毎日届き、さらにほかのメーリングリストからのメールも届き、仕事上の重要なメールも届き、となると、メールの題名を見て削除するだけで数時間もかかってしまいます。
こうなると、メーリングリストの会員はやたらに人数を増やすことを目標にするのではなく、より気の合った仲間と小人数で運営していくことを志向するようになると思います。
言葉の森のメーリングリストで考えているのも、この方向です。今は言葉の森の会員全員を対象にしていますが、やがては小5の父母対象のメーリングリストとか、高3対象のメーリングリストのように対象が細かく分かれてきます。さらに、高3の生徒が多くなれば、高3の「アジサイの丘」クラスと「イチゴの丘」クラスのメーリングリストも分かれて運営されるようになります。現在、言葉の森のクラスは6人で編成していますから、毎朝メールをチェックすると、6人のメールが入っていて、そこで「この前の課題のここが難しかったね」「あれは、こういう考えもできるのでは」「ところで、この問題がよくわからないけど、だれか教えて」というようなコミュニケーションが取れるようになると思います。この程度のメーリングリストであれば、複数のメーリングリストに参加していても時間をとられるということはありません。ただし、いま、メーリングリストなどを積極的に利用している人のうち少数の先進的な人は、実はメールを毎日読むのではなく、データベースとして蓄積しておき、必要なときに全文検索するというような使い方をしているようですが。
来年2000年から、定額制の常時接続のサービスが次々と現われます。この定額制の常時接続サービスが普及すると、社会に対する影響はきわめて大きなものになります。インターネットをめぐる分野は、いま戦国時代の真っ只中です。橋の上で寝ていた農民の子供、藤吉郎があれよあれよといううちに天下人となるという時代と同じです。若い人には、激動期に伴うチャンスがあちこちにころがっています。しかし、それだけに目先の動きに惑わされず本質的なことに目を向けていくことが必要です。
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