長文音読と読書の習慣は躾と同じ感覚で
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書いた人は●naneさん 99/12/05 14:50:34
国語の成績は、どうしたら上がるのでしょうか。ひとことで言えば、小学校低学年では、読書の量が増えると上がります。小学校高学年からは、長文音読(言葉の森の長文集)を毎日していると上がります。さらに早く力をつけたいという人は、国語の問題集の問題文を読書がわりに読んでいくといいと思います。それもいろいろなものを一回ずつでなく、同じものを四回以上繰り返して読むことが大事です。この少数の繰り返しという勉強法は、国語に限らずどの教科にも当てはまります。
国語の成績を上げる方法をひとことで言えば、「多読の速読」と「難読の復読」です。
しかし、多読と難読を塾や学校で指導することは実は難しいのです。その理由は第一に、教える先生自身が国語力を上げる本質をよく知らないので、つい問題集を解かせたり、問題文を解説したりする授業をしてしまうからです。第二の理由は、生徒を集めて1、2時間本を読ませておしまいというような授業は格好がつかないのでやりにくいからです(笑)。本当は、いちばん理想的な国語の授業は、「読むのが苦手な子は易しい本でいいからどんどん読んで、読むのが得意な子は難しい本をどんどん読んで、読み方や意味のわからない言葉があったら静かに先生に聞いてね」という授業です。しかし、こういう授業をするというのは勇気が要ります。
塾や学校の国語の授業で読書を中心にするというかたちはしばらくは考えられませんから、国語力を上げるためには、家庭での日常的な働きかけが必要になってきます。しかし、ここでまた問題になるのは、親が国語が苦手だと、読書や長文音読を子供にさせるときにも、及び腰になってしまうことです。「本でも読んだら」というような言い方では、子供に本を読ませることはできません。それは、「勉強でもしたら」という言葉では勉強をさせられないのと同じです。また、子供は難しい本や活字の小さい本を最初は嫌がります。このときにも、「もう少し難しい本でも読んだら」という言い方では、決して子供に難しい本を読ませることはできません。また、一度や二度のアドバイスで子供に読書の習慣がつくということもありません。毎日毎日、親が確信を持って、歯を磨いたり顔を洗ったりすることと同じような当然のこととして、「長文を音読しなさい」「読書をしなさい」「難しい本を先に読みなさい」と言い続けて、やっと子供が長文音読や読書を続けられるのです。これは一種の躾ですから、親が言い続けなければすぐに崩れます。そして、いったん躾を崩してしまうと、また軌道に乗せなおすのは実に大変です。
小学校低学年のうちは、子供に音読や読書をさせることができますが、子供が小学校高学年になり塾に通ったりスポーツで忙しくなったりすると、つい躾の手を休めてしまうことがあります。「もう高学年になったのだから、読書は自分で自覚してやっていけばいい」と考えてしまうのでしょう。また、中学生になったときも同じように躾の手を休めてしまいがちです(こっちのほうが多い)。「もう中学生になったのだから、読書は自分で自覚してやっていけばいい。親があれこれ口出しするものではない」と思ってしまうのです。しかし、ここで、いったん読書について口うるさく言わなくしてしまうと、もうあとはほぼ永久に読書についてのアドバイスはできなくなってしまいます。「たまには本でも読んだら」「本なんて読む暇ないよ」「あ、そう」という会話がで終わるようになってしまいます。
躾の原則は、毎日です。一日おきに読書をするとか、週に5日読書をするというようなかたちでの習慣はまずつきません。それは、一日おきに顔を洗うとか、いつでもいいから週に5日は歯を磨くという習慣がつかないのと同じです。習慣は、毎日続けたほうがずっと楽につきます。読書や長文音読は、物理的に時間が取れない場合以外は、毎日欠かさずやっていくことが大事です。毎日では大変だから、週に3日でいいなどとすると、かえってやりにくくなってしまいます。日曜でも祝日でも時間が来たら例外なくやると決めたほうがずっとやりやすいのです。
現在、小学1、2年生の子供でしたら、こういう習慣は簡単につきます。あとは、親が強い意志を持ってこの習慣を高学年になっても中学生になっても崩さないようにしていくだけです。
現在、5年生以上になっている子供の場合、読書や長文音読の習慣を新しくつけるのは至難の技です。たとえれば、5年生まで右利きだった子を急に左利きに変えるくらい大変なことです。
いずれにしても、躾には、親の強い意志が必要です。英語や数学は、夏休みの集中特訓で成績を上げることもできますが、国語についてはそういうことはありません。国語の力をつけるためには、躾をするのと同じ感覚で取り組んでいく必要があります。
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