新年のあいさつ:ウェブデータベースを中心に
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書いた人は●naneさん 2001/01/02 11:35:58
みなさん、あけましておめでとうございます。
年末からお正月にかけて、ウェブデータベースの勉強をしています。
ホームページの第一段階が静的なページ、第二段階がCGIで掲示板などを使った動的なページで、今は第三段階に移りつつあるところです。
第三段階は、掲示板などのインタラクティブなページという外見は変わらないのですが、それをCGIで作ったファイルを作って置いておくというかたちではなく、ウェブ内に置いたデータベースからそのつど読み出してページを生成するというかたちで行なわれます。
どうしてこういうことが必要になってきたかというと、クライアントからの希望に応じてファイルをそのつど作っていたのではファイルの数にきりがなくなるということがわかってきたためです。言葉の森のオンライン作文のページでも今はまだ本格稼動して2年目ですが、もう既に作られたファイルは膨大な数になっています。これが10年20年と続いていった場合、このように新しいファイルを作るというやり方ではそのうちにスペースの点からも検索や書き換えのしやすさの点からも限界に来ることは明らかです。
ところがここで問題となるのは、ウィンドウズというOSのソフト(ワードやエクセルやアクセスなど)の日本語文字コードがシフトJISであるのに対して、インターネットサーバーなどで使われているUNIXというOSでは、日本語文字コードがEUCというものになっているということです。(Yahooなどのサイトでソースを見ると日本語が読めません。あれがEUCという文字コードです)
日本語文字コードという日本のコンピュータ文化の根幹となるものが、JIS(メールなどで使われている)、シフトJIS(ウィンドウズで使われている)、EUC(UNIXで使われている)の三つに分かれ、更に現在、アメリカ主導の国際統一コードがこれに加わろうとしています。これはきわめて重大な問題です。
国語審議会で漢字の制限の審議などをするよりも、こういうコンピュータの文字コードの問題を論じる方がずっと重要だと思います。
日本語文字コードの不統一という問題が、日本におけるコンピュータプログラミングの裾野の広がりを妨げています。
インターネットサーバーでウィンドウズを使うという選択もあり、そういうサイトもわずかずつ増えてはいるようですが、安定性とコストの点でUNIXの優位性はここしばらくは動かないようです。ウィンドウズNTの後継のウィンドウズ2000はバグの続出で企業が基幹業務で採用するのはまだ先のことになりそうです。
将来はウィンドウズがもっと安定してUNIXと同程度になる可能性もあります。しかし、これは関ケ原の合戦の前に、徳川が勝つか豊臣が勝つかということを予測するのと同様にどちらがどうなるとも判断しかねるものです。
あるいは今年1月1日の日経産業新聞でアラン・ケイ氏が述べたように、全く新しいOSが今後登場する可能性もあります。
UNIXというOSの上で動くソフトはフリーのものが多いので、その点で導入しやすいという面はありますが、日常業務で使うワードやアクセスとの連携作業ができないというのは大きなハンディです。
またUNIXにはワードやエクセルに匹敵するような個人が日常生活で使えるソフトがありません。
したがって、日常業務ではウィンドウズ、企業の基幹業務やインターネットサーバーにはUNIXという二本立ての状態が続いています。
UNIX上で動くデータベースにはpostgreSQLやMySQLなどフリーのものがあります。そのデータベースとブラウザの結合にはPerlやPHPやJavaなどの言語が使われます。しかしデータベースと言語のいずれもシフトJISの対応は遅れています。
教室では現在、基幹業務としてウィンドウズOSのアクセスを使っています。これをそのままウィンドウズOSのインターネットサーバーで使えればいちばん簡単なのですが、安定性とコストの点でこの選択はまだ現実的ではありません。(ウィンドウズを使ったレンタルサーバーはほとんどありませんし、自社でウィンドウズサーバーを立ち上げるとメンテナンスが大変です)
したがってしばらくは、アクセスというデータベースを自社内で使い、MySQLというデータベースをインターネットサーバー内で使い、両者をODBCでつなげるか相互にデータをやりとりするようなかたちで運用していきたいと思います。
将来は、インターネットサーバー内のデータベースがメインになる予定ですが、しばらくは自社内とインターネットサーバー内の二つのデータベースを使って作業するようになります。
このインターネットのデータベースとブラウザのインターフェースとしては、使いやすそうという理由でPHPを主に採用していきたいと思います。
ところがMySQLもPHPも最新版がまだシフトJISに対応していません。したがって、今言葉の森のホームページにある掲示板などをウェブデータベースに全面的に移行することはできません。だいたいのことはできるのですが、コードに問題があるいくつかの文字(表、構、ソ、申など)は検索の際に文字化けしたり文字列置換などができなかったりします。
EUCの文字コードで作れば問題はないのですが、そうするとウィンドウズベースの環境のデータと共有するときにいちいち文字コード変換をしなければなりません。UNIXベースのソフトが近い将来シフトJISに対応するようになることを前提にしてシフトJIS中心のシステムにしていきたいと思っています。
CGIを使ったページからウェブデータベースを使ったページへの移行は時代の流れです。MySQLやPHPがまだシフトJISに対応していない今のうちから少しずつウェブデータベース中心の運営にしていきたいと思っています。
●「森のフォーラム」MySQLとPHPの実験ページ
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