書いた人は森川林 on 12月 06, 1997 at 09:23:06:
コメント先: もっと効率の良い勉強法 posted by タカヒロ on 12月 03, 1997 at 04:02:07:
たくさん書いてくれてありがとう。(^o^)
私は、勉強をスポーツと同じように考えています。
ということで、いちいち反論を。
>子供のうちに既に志望大学を決め、とにかくそこに受かる
>為だけの勉強をするのです。
これは、タカヒロさんの意見というのではなく、こういう考え方もできる
ということだと思いますが、世の中には本当にこういうふうに考える人が多
いので、ひとこと。
人間はブロイラーの鶏ではないので、このように一見合理的に見えるが実
は視野の狭い勉強観で勉強していると、途中で行き詰まってくるようです。
やり方がうまければ大学受験ぐらいまではなんとかなるでしょうが、それか
ら先の勉強はこの考えではやっていけないと思います。
>効率など考えず、とにかく子供の興味に任せて勉強させる
>のが一番です。偏ってしまって良いのです。興味というのは、
>子供にとって最も大切な気持ちだからです。
サッカーでもバスケットでも同じだと思いますが、確かに興味は上達の一
番の原動力です。しかし、興味にまかせて偏ってしまうと、その偏りがその
後の進歩の弱点になってきます。走るのが苦手な人は走る練習をし、パスが
苦手な人はパスの練習をし、というふうに、弱点を補強しながら長所を伸ば
すというのが、練習の常道です。
ということを、スポーツではよく理解できる人が、勉強になると、「本人
の興味にまかせて、無理強いをせずに」となってしまうのは、いつも不思議
に思っていることです。これは、勉強のし過ぎの弊害が社会でおおげさに取
り上げられているからだと思います。
身近に接する子供たちを見ていると、世間でよく言われるような勉強のし
過ぎのマイナス面を感じる子も確かにいますが、大多数の子は、し過ぎでも
しなさ過ぎでもない普通の子です。普通の子が普通に力をつけるためには、
苦手をなくし得意を伸ばすという普通の勉強法が必要なのです。
「興味にまかせて」というアドバイスが有効なのは、勉強のし過ぎがマイ
ナスになっている子と、実力がたっぷりある子と、ある程度の基礎学力がで
きた年齢の人だけです。
>とにかく、解らない問題を繰り返しやるほど、子供にとって
>苦痛はないのです。
>勉強くらいは好きな事をやらしてあげましょう。
これも、桜木花道の2万本シュートのように、シュートが苦手な人はシュ
ートの練習だけを繰り返しやるしかありません。基礎が嫌いだからといって、
ダンクシュートと庶民シュートだけができても試合では通用しません。
ということをスポーツの世界ではわかる人が、勉強という分野では途端に
自由放任になってしまうのです。これは、特に学歴の高い人ほどそういう傾
向があるようです。「勉強くらい、好きなように」とか「本ぐらい自分の好
きなものを」というのは一見正論のようですが、そういう自由主義的な意見
が有効なのは、これまで勉強させられすぎていた子や、すでに十分に実力が
ある子や、基礎のかたまったある程度の年齢以上の人だけです。(これは、
上で書いたことと同じだなあ)
この自由主義的な勉強法の対極にあるのが理屈重視の勉強法です。子供に
とって苦痛なのは、できない問題を理屈でガンガン説明されてわかった気に
させられることです。できない問題を何度も繰り返して自然にできるように
するというのがいちばん自然な方法です。
水泳でも、下手な教え手は理屈で説明して泳げるようにさせようとします。
上手な教え手は簡単なコツだけ指示してあとは反復練習とほめ言葉だけで泳
げるようにさせてしまいます。最終的な到達点は同じでも、反復練習重視の
方が子供はずっと楽しく練習できると思います。