書いた人は森川林 on 98/06/06 07:13:44:
「幸福な家庭は同じように幸福だが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」と、トルストイは言った。同じことは、さまざまなものごとにあてはまる。
「健康な人はみな同じように健康だが、病気の人はそれぞれに病気である」(あたりまえじゃ)
「勉強のできる人はみな同じように勉強ができるが、勉強の苦手な人はそれぞれに苦手である」
勉強のよくできる人に共通する特徴というものがあるようだ。生活習慣がきちんとしている。目標意識が強い。いい意味での執着心がある。などなど。(もちろん、中には、生活がだらしなくて、いつもいいかげんで、点数なんて全然気にしない「天才」なんていう人もいるかもしれないが、それは大人になってからの例外。小中学生の場合には、そういうケースはまずない)
逆に、勉強の苦手な人は、それぞれに異なる原因をかかえているようだ。それぞれに異なる原因を持っているから、対策もそれぞれに異なるものが必要になる。しかも、その原因の多くは自覚されていないことが多い。
健康や勉強以外に、もっと大きく実は人生の成功や不成功についても同じことが言えるのではないか。うまくいかない人は、それぞれにうまくいかない原因を持っている。しかも、それは自覚されない生活習慣のようなかたちでその人の人生に組み込まれている。
人はみな、幸福で、健康で、勉強ができて、人生に成功する権利がある。逆に言えば、不幸で、病気で、勉強が苦手で、いつも失敗ばかりの人生を望むような人はひとりもいない。
これらの人生にいちばん大切なことをトータルに研究する学問分野が、人文科学の中にあってもいいと思うのだが。